「評論家やアナリストの意見は百害あって一利なし」「したり顔で分析するような人の意見に影響されないような環境作りをしてください」▼とても腑に落ちる。"環境作り"という言い方が良いな。株に限らず、ノイズに耳傾けてる時点で何事もうまくいくはずがない。

「よく『相場で祈るようになったらおしまい』と言われますが、相場の歴史を振り返ってみると確かに、株式相場は残酷にも祈った人が我慢しきれずに投げ出してから反転するものなのです」▼VOOでまんまそれやられたな...

「社会人になると、毎日は忙しくなるけど、人生って意味では、暇なんだ。仕事は人生の、便利な暇つぶし。マッチポンプみたいなもんだ。仕事しないと金は稼げない、金がないと生活できない。だから仕事さえしていれば生活できるし、間が持つ。でも、仕事してるだけだから、すぐに飽きてくる。そこそこいい年になると、かなり飽きてくる」

「ここで訊くが、お前は、そのクラブに入りたいか？」

「大人とは0点と100点の間、例えば67点とか83点とか35点とかで人間と会話し、そしてつきあうことができる人のことです」「『我慢して何も言わない』という0点を選ぶことが多かったんじゃないですか」「何点くらいで会話しよう、何点くらいでつきあおうと試行錯誤している過程で、うまくできなくて、傷付けられたり搾取されたりすることがあるかもしれません」「でも、失敗したり成功したりしながら、対話を続けていれば、人間関係は間違いなく豊かになります」

後半に突如登場する、吉原の風俗嬢に200万円貢いたらそこで関係切られた男性からの相談には笑った。まるで西村賢太からのおたより。

青司の幻が突然仕事場に現れ、そして去っていくシーンの描写も素晴らしかった。

伊集院静の文庫解説がこれまた良かった。