誰かが薦めてて予備知識なしで読んだが、1959年から3年間、初めて海外に出た二十代の小澤征爾がその直後に書いた、いわゆる自伝とも違う不思議な本。なぜかバイクのメーカーをスポンサーにしてスクーターで欧州旅行し、ブザンソンの指揮者コンクールに飛び入り参加して48人の中で優勝という武勇伝から始まるが、日本の家族に出した手紙の引用が多く旅行記のような記述が中心で、音楽家として具体的に何をしてたのかはよくわからない。終章は各国の国民性からくるオーケストラの特色の違いといった総論になってそこは面白い。

ミステリ以外のクリスティ作品にはなかなか手が伸びなかったのだが、評価の高いこれをやっと読む。といっても構造も叙述の巧さもミステリと同じでスルスル読める。弁護士と結婚して子供を三人育て人生順風満帆、という自認の初老の夫人が、自分と正反対の奔放な人生を送ってきた旧友と旅先で再会したのを契機に回想を始め、実は問題だらけだった人生に気づく、という敢えていえばそれだけの話。ちょうど萩尾望都の描く身勝手に無自覚な母親みたいな視点で書かれている。しかも最後は日常に戻ると……というオチ！ 傑作。

国民主権、一般意志、全体主義、ポピュリズム、といったキーワード毎に概説しそれぞれ入門書を一冊に絞って紹介。それも新書レベルの入手しやすく読みやすいものを、入門に最適の良書であると責任を持って評価しており、実践的な読書案内として徹底している。なかなかできることではない。本当に全部読みたくなる。主権国家がどのように成立したか、といった歴史的経緯もかなり手際よく説明されており読みやすい。representation=<表象・再現・代弁>が全体のキーワード。著者は予備校講師なのか。こんな人がいるのね。

誰かが薦めてて予備知識なしで読んだが、1959年から3年間、初めて海外に出た二十代の小澤征爾がその直後に書いた、いわゆる自伝とも違う不思議な本。なぜかバイクのメーカーをスポンサーにしてスクーターで欧州旅行し、ブザンソンの指揮者コンクールに飛び入り参加して48人の中で優勝という武勇伝から始まるが、日本の家族に出した手紙の引用が多く旅行記のような記述が中心で、音楽家として具体的に何をしてたのかはよくわからない。終章は各国の国民性からくるオーケストラの特色の違いといった総論になってそこは面白い。

Web小説のよくないところが余すところなくそのまま本に出力されていて（電子版だけど）、少しは加筆修正しろよと思ってしまった。せっかく中国っぽい後宮とか妓楼の世界を書いてるのに、蘊蓄とか入れたくならないのだろか。これのコミカライズを描いてるマンガ家が2億なんぼ稼いでン千万も脱税してるんだから人生って何なのか考えちゃいますよね。いやタイミングは偶然だけどｗ