前半は三菱財閥創始者の孫としての華やかな生い立ちと著者のお転婆お嬢様ぶりが面白く、昔の少女漫画みたいだと微笑ましく読んでいた。ところが戦争でその生活は一転。惨状を目にし、混血児を守り育てることを決意する。様々な試練のなか常に付き纏っていたのが経済的困窮だが、「お金は追うものではなくついてくるもの」という境地に至る。誰かに必要とされることをしていれれば、天に見捨てられることはないのだと思わされた。

「損得ではなく善悪で考える」という千房の中井会長の判断基準に今までの迷いが救われたように感じます。良い人でいると損をすると言われるしなめられることも多い。けれど善悪と損得は同列ではなく、先に善悪がある。この順番を間違えないようにしようと思います。その他、「人は読める範囲でしか書けない・書けないことは本当は読めていない」の指摘は語学学習者としてもグッサリ刺さりました…。

前半は三菱財閥創始者の孫としての華やかな生い立ちと著者のお転婆お嬢様ぶりが面白く、昔の少女漫画みたいだと微笑ましく読んでいた。ところが戦争でその生活は一転。惨状を目にし、混血児を守り育てることを決意する。様々な試練のなか常に付き纏っていたのが経済的困窮だが、「お金は追うものではなくついてくるもの」という境地に至る。誰かに必要とされることをしていれれば、天に見捨てられることはないのだと思わされた。