ネタバレプレゼントされた本で、おおよそのあらすじすら知らなかったので、「えーちゃん」の素性も、一緒に野球に参加していた２人についても後半になっていきなり知るという、結果として驚愕の読書体験となった。 京都に起因するのか、著者の筆致によるものかはわからないが、物語全体に流れる緩やかさが心地良く、安心して読めるのも万城目小説のいいところだと思う。

ネタバレプレゼントされた本で、おおよそのあらすじすら知らなかったので、「えーちゃん」の素性も、一緒に野球に参加していた２人についても後半になっていきなり知るという、結果として驚愕の読書体験となった。 京都に起因するのか、著者の筆致によるものかはわからないが、物語全体に流れる緩やかさが心地良く、安心して読めるのも万城目小説のいいところだと思う。

ネタバレ映画を見てから原作を読んだが、映画と小説は別物と考えた方がよいというのが第一印象。映画は喪失と再生の物語というアウトラインで受け入れることができたが、原作は最後まで行ってもどこかに到達した感はなかった。愛することについて、何となくやり過ごしている人間（自分）にしてみると、刃を突きつけられているようで、居心地の悪さを終始感じながらの読書となった。なお、原作では「四月になれば彼女は」を歌うシーンや歌詞が出てくるが、映画には全くない。この物語を象徴している歌であり、映画にも入れてほしかった。