ネタバレ彼は、鈴さんに恋したのではない。かつて妹を亡くし、一流商社を辞め、失恋もした中で、鈴さんの包容力に包まれたかったのだ。そういう時は誰しもある。不動産会社に就職し、社内結婚をした彼が、平凡な幸せを噛み締めている一心だが、今まで充分にドラマチックな経験をしているのではないだろうか。

ネタバレ慰安旅行で、エリート課長が殺される。この時代から、女性は仕方なしに参加していたのだな。殺人の謎を追う女性社員の手記が、第一部となっている。オールドミスの社員のことを、散々こき下ろしているが、彼女自身が周りからどう思われているのか気になったが、やはりであった。最後は、犯人の独白で種明かしは、流石に古いパターンだ。

ネタバレ警察庁長官狙撃事件をベースに、単なる犯人推理ではなく、人間味あるミステリーとして成立させた作品である。本書の結末として、教団は犯人ではなかったが、犯行のそもそもの原因ではあったところが良い。圭一夫妻のように、すれ違ったまま死別した夫婦が悲しい。