6話の連作ミステリ。所轄刑事課から警察庁第二種未解決事件整理課（呪われ課）に異動になった55才の只倉。心霊やオカルトを全く信じていない刑事が、未解決事件のトリックを暴いて担当所轄に差し戻すのが面白い。娘の恋人の怪談師のハナを明かすべく奮闘するのだか、いつの間にかいいコンビに？事件を解決するも、それだけじゃないのがミソ。中々面白かった。続編希望です。

社会問題を題材にしたミステリだが、これは辛かった。長い間引きこもりをしている子供と高齢になった親、老老介護をしている夫婦、高齢の親に暴力をふるう壮年の息子。何とも切ない事件ばかりだった。古手川と真琴の軽妙なやりとりが救い？

新聞記者の幸彦。40才を過ぎ、家庭を顧みず妻から離婚を突きつけられる。妻と娘の喪失感から生活は荒む。そこで妹から男性向けの家事学校を勧められる。家事学校、需要があるのでは？と思った。何より快適な生活には家事が必要なのだ。単身者でも。過去の自分の身勝手さに気づく幸彦だけど、復縁は無理でも関係性は良くなったのは希望かな。読みやすく、興味深い内容で面白かった。

北欧の小国の金髪王子（16才）がお忍びで来日。目的は、ある男とマフィアの結びつきを暴くため。バディに選ばれたのは、51才の国際犯罪対策課の本郷。ある男が関わる事件（密室殺人、容疑者のアリバイ、二重の密室）を解き、ある男を捕まえることができるか？というストーリー。王子と本郷のやりとりも微笑ましいのだが、ちょいちょい現れる敷島という、切れ者だけど謎すぎる察庁の女性がいいスパイスで面白かった。

高校の部活の一つ、喫茶部の中の「おやつ部」の4人が主役。学校に堂々とおやつを持ち込み、食べまくるっていいなあ。それに加えて、日常ミステリの謎解き。全く違う個性の4人がそれぞれの個性を認めて、助け合うのは好感が持てた。うまいダッツのタイトルは、うまい棒じゃなくて、うまい（ハーゲン）ダッツじゃないと！だった（笑）

「本を守ろうとする猫の話」の続編。タイトルが似ていたので、思わず二度見。前作の高校生林太郎が書店の主になっていて、十年後の設定のよう。今作は、喘息もちの中二の少女ナナミが主役。図書館から本を抜き取る灰色のスーツの男は何者か？窮地に陥るナナミを助けるのは‥。ファンタジーだけど、中々楽しめた。本から教えてもらうことは沢山ある。生きていくには想像力も大事。本の面白さを知らないでいるのはもったいない、ですよね。