思ったよりもラノベ。滋賀県民補正で他の万城目作品よりは楽しく読めた。主人公以外のキャラクターが皆揃ってサッパリしててよい。ラスト1行も王道すぎるがこういうのに弱い。

前作「たけのこぞう」よりバラエティ豊か。個人的には前作の方がジットリしていて好みの短編が多かった。不穏な空気とちょっとしたユーモア、この作家さんの好きなところが全部詰まった｢ラズカリカズラの夢｣、皆川博子さんっぽさを感じた｢歩陀落葵の間｣が良かった。

「陽だまりの果て」が良かった大濱普美子さんのデビュー作。こちらも素晴らしい。どの短編も語り手の年齢が高めで、どこか諦念めいて落ち着いた語り口が読んでいて心地よかった。お気に入りは細かな家の描写から記憶を辿っていく構成の「盂蘭盆会」「浴室稀譚」「たけこのぞう」。

思ったよりもラノベ。滋賀県民補正で他の万城目作品よりは楽しく読めた。主人公以外のキャラクターが皆揃ってサッパリしててよい。ラスト1行も王道すぎるがこういうのに弱い。

いわゆる万城目ワールドに足を踏み入れていく導入部は期待しながら読んだ。いざホルモーが始まると、結局大学生のサークル内恋愛が話の主軸になるのが自分にはハマらなかった。

三角絞め、心理補色、雲の蛇。第一部のエピソードがどれも印象深い。三島由紀夫を知らない自分としては戦闘妖精雪風の深井零と重ねながら読んだ。

物理トリックものより、短編の普遍的な面白さが味わえる「マニング氏の金の木」「真夜中の訪問者」「非情な男」が良かった。ミステリ好きの登場人物がやけに多く、全編通してとにかく楽しい短編集。

驚天動地の前作と違い、今回は既視感のある展開が続くわりと退屈な話。ラストに明かされるテーマは、このシリーズを終わらせる前に当然抑えておくべきポイントか。 開始当初はライフワークのように刊行されていたWシリーズもいつの間にやら1年に1冊。シリーズの役割はもう果たしたように感じているが、おそらくあと2作、どう終わるんでしょうか。

ナンセンスSFから政治的メッセージ強めSF、あとがきのラスト1行にいたるまで、とにかくこの作家さんの感性がまったく好きになれず。

Netflixドラマの予習に。どの短編も情報量が多く、次々出てくるファンタジィ的単語に目が滑り気味。どうやらここまで濃度の高いファンタジィは、自分には映像で摂取する方が向いてるようです。

「殺人の細部ではなく、そのベースにある精神を忠実に模倣する」というワクワクする導入部。 序盤こそ丁寧に描かれていたものの真相が近づくにつれ何だかだんだん雑になっていき、終盤以降は結局いつものピーター・スワンソンの感じ。

はじめての万城目学さん…が果たしてこの本で良かったのか？圧倒的リーダビリティで一気読みしたものの、もうスケールが大きすぎて結局どの辺がいわゆる「万城目ワールド」だったのかよくわかりませんでした。

相変わらずフランシス・ハーディングにハズレなし…だが、過去イチでヘビーな物語。人間の醜い感情のオンパレード。出てくる人たちみんな憎しみ合ってるわ、主人公2人もずっとギスギスしてるわで、終盤までかなりしんどかったです。