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2024年3月の読書メーターまとめ

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読んだ本
7
読んだページ
1298ページ
感想・レビュー
7
ナイス
5ナイス

2024年3月に読んだ本
7

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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山岸先生との原画展で購入してきた。図版・インタビューとも読みごたえあり、満足。インタビューで桐壺更衣と桐壺帝の物語は「大奥」のドラマを意識したとあったけど、昨今の流行で言えば「悪役令嬢弘徽殿女御」みたいなパロディもできたりするのかな。「源氏物語」というのはつくづく物語のエッセンスを詰め込んだものなのだなと思う。そしてそれをあの手この手で現代の読者に飲み込みやすくリライトしてくれた大和先生の才能の偉大さよ。この作品に出会えたことに感謝しかない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
7

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旧版にて再読。秋好中宮、玉鬘と亡き恋人の娘によろめきまくりな源氏。年をわきまえろやと声を大にして言いたい。玉鬘で男どもを釣りつつ自分もたわむれかけるとか若い子の気持ち弄ぶようなことして、趣味が悪いを通り越して最低だよ最低。雲居の雁に一途であってほしかった夕霧も、惟光娘はまだしも紫の上ショックでデバガメ根性に目覚めるとか全体的に男どもに残念感が漂う巻。対して槿の君の潔い事。源氏の行状のせいで説得力半端ない。でもこれも経済的に自立できているが故。男に頼らず暮らしていける基盤作ってくれた父宮すごい。お金大事よ。
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2024/03/28 17:33

源氏の年甲斐もないセクハラっぷりにドン引きするけど、かつて全ての女性の憧れであった(それも正直どうかと思うが)源氏が、若い子にとってはもはや王子さまではないというのがきちんと描かれているとも言える。蛇足であるが、アニメ版「ベルサイユのばら」にもこういうのいたなと思って調べてみた。19話「さよなら、妹よ!」11歳の女の子に「やらしいことしちゃうぞー」と嬉しそうにセクハラしまくる43歳ロリコンオヤジで屈指の鬱回と紹介されていた。

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旧版にて再読。この巻の末摘花のエピはとても好きだ。一方で空蝉は何度読んでもひどい。序盤で置いていかれた衣を未練たっぷりに抱いていた一コマでのほのめかしはあったけど、詳細はその後の顛末も含めてここまでひっぱったところに大和先生の苦慮が感じられる。それにしても軒端の荻は事後に義母の衣を回収していく源氏をどう思ったのか非常に気になる。でも「自分は何でも許される」と思っていて、口から出まかせな口説き文句の裏で相手の身分の低さを蔑む気持ちも持っている源氏の傲慢さをわりと赤裸々に描いているところは改めてすごい。
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2024/03/28 14:25

明石と紫の上がちい姫を通じて心を通わせるところはとてもいい。会っていないどころか文のやり取りすらしていないのに分かり合えてるこの表現は素晴らしい。「こんな立場じゃなければ友達になれたかも」とはいうものの、源氏がいなければこの二人を結ぶ縁もなかったと思うとなぜか悔しい。旧頭中将である中納言と源氏の張り合いが爽やかさの欠片もない後宮政治になっているのもちょっと悲しい。太政大臣と藤壺逝去。冷泉帝は己の罪(じゃないと思うんだけどなあ)を自覚する。こうしてみると源氏物語ってすごく波乱万丈だ。

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旧版にて再読。流される身に女性の帯同は許されないとか言いながら、現地妻はOKという理屈がわからん。そして秋に帰京して冬には朧月夜を口説きに行くのはさすがに厚顔では。酒井順子が「年を取ると朱雀院のありがたみが身に沁みる」と書いていたことがあったけど、まったくだ。朱雀にしても他の女はついてくるけど。六条の遺言「娘には手を出すな」のわかりみが深い。その娘の嫁ぎ先は源氏の差し金で朱雀院ではなく冷泉帝に。朱雀院も女御が欲しいなら退位が早すぎでは。朧月夜はまだ尚侍になったとはいえ、また女御候補をかっさらわれて可哀想。
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旧版にて再読。ようやく心が通じた途端に葵が物の怪にとり殺される。その物の怪を物の怪たらしめたのは源氏。彼が六条を責めないところはわずかに救いがある。野宮の別れは美しい。それなのに、色恋でこれだけ不幸を呼んどいて朧月夜との密会は続行するって反省なさすぎ。右大臣が無粋とかバカじゃないかと。結婚と裳着で名実ともに大人になった紫の上。大人になることは悪い事じゃない。でもそれはあの輝かしいまでの少女時代との決別でもある。愛の名の下に物思いを、嫉妬を、別れの悲しみを知る。色んな情念渦巻く中花散里の悟りっぷりがすごい。
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2024/03/23 20:36

物の怪になった六条の御息所を見た後だと、「院は私の見舞いは喜ばない」とひっそりと控えた弘徽殿大后が刺さりまくる。この人だって生霊になっておかしくないほどの物思いをしたんだろうなと思うと、単なる悪役として憎めない。源氏サイドは故院の思し召しとか言うけど、六条をおろそかにしてはならないという院の思し召しを無視したのもまた源氏。因果よのう。

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旧版で再読。 全編通して頭中将がいい味出してる。冒頭は末摘花と源典侍でコメディタッチ。今どきのコンプラ持ち出してもしょうがないんだけど、やれブスだのババアだので笑いものにされるとちょっと引く。典侍は修理太夫のたくまざる意趣返しが小気味いいけど。末摘花に出てきた命婦は雨夜の品定めの「個性豊かな中流」にドンピシャな気がする。六条の夫は桐壺帝の同母兄弟との言及あり。大和設定と思うけどちょっとすっきり。まあ朱雀帝の春宮が冷泉帝だったのと同じか。ラストは葵懐妊で六条が切ない。何から何まで源氏が悪い。源氏だけが悪い。
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「あさきゆめみし・日出処の天子」原画展の流れで再読。手持ちは旧版なんだけどなかったのでこちらで。 桐壺更衣と桐壺帝のロマンスが原典を超えて詳細に語られるけど、一応妃である更衣が帝と知らずに通じていたってけっこうヤバい案件では。身分を隠して妃を盗むような真似をするから後年藤壺を盗まれたという因果論的な意図なんだろうか。 大和先生は絵がめっちゃ上手いけど顔のバリエーションは多くないので、母ひいては藤壺の面影探しで言い訳できるこの作品はまさにうってつけ。 そして六条の夫であった前春宮の正体がやっぱり気になる。
blacktea
2024/03/23 16:20

思えば今手元に持っている本で一番古いのがこれだ。紙の色も変色しているけど、これを機に電子版に買い替えようかなとも思ったけど、やっぱりこれは紙の本で持っていたい。

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山岸先生との原画展で購入してきた。図版・インタビューとも読みごたえあり、満足。インタビューで桐壺更衣と桐壺帝の物語は「大奥」のドラマを意識したとあったけど、昨今の流行で言えば「悪役令嬢弘徽殿女御」みたいなパロディもできたりするのかな。「源氏物語」というのはつくづく物語のエッセンスを詰め込んだものなのだなと思う。そしてそれをあの手この手で現代の読者に飲み込みやすくリライトしてくれた大和先生の才能の偉大さよ。この作品に出会えたことに感謝しかない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/27(4416日経過)
記録初日
2012/03/23(4420日経過)
読んだ本
784冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
211551ページ(1日平均47ページ)
感想・レビュー
772件(投稿率98.5%)
本棚
0棚
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