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2024年3月の読書メーターまとめ

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読んだ本
31
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感想・レビュー
13
ナイス
1214ナイス

2024年3月に読んだ本
31

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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翔香と和彦はそのまま混乱と秩序をあらわすコンビで、効果的な人物造詣。謎と解答を交互に提示して物語を力強く前に進める。キャラクターとドラマが密接に結びつている点が本作の成功につながっているのだろう。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
13

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ネタバレ人生の晩年に差し掛かり大きな変化を迎えた語り手が、周囲と共に一層の変化を経験していく非喜劇。個々の人生がそれぞれの方向に転がって行き、重なったり離れたりしながら大小の岐路を迎える様子をオフビートに書いている。名もなき市民たちの小さな物語が否応なく大きな物語と交差する、人生/世界の偶然と必然をこう描くかと驚かされた。
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編纂中の辞書の項目中にありもしない造語が紛れ込んでいる…… 辞書出版社で働く19世紀の男性と21世紀の女性を主人公に、二つの時代の造語を巡る物語が交互に展開される本書。語の意味と構成を話題にしつつ映像的な場面展開が続いて飽きさせず、抑圧的な状況にいる二つの時代の男女への共感を呼び、先の見えない着地点へと興味を引き付ける。割とアクロバティックな作品だが、特に中盤以降はそうした趣向が効果を挙げていると感じた。
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前作「崖にて」を読んだ時にも感じたが、直接的な表現と捻った表現の差が激しく、歌によって印象が異なる。それなのに色合いに統一感があって、読んでいて不思議な心地がする。/民営のPCR検査所の説明書き通りにやって間違える/薄暗い水平線を見ていたら〈地方〉という字がのぼってくるぞ/デモの輪を突っ切って来る黒服のおんなとついに視線は合わず/なんでわたしなんでヒューマン真夜中をひたむきに行くフェリーの灯り/千年をずっと女であるような悔しいすすき野原の風だ
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qoop
感情を抽象化して大きな言葉に託すようでいて、かと思えば生活の節々を具象的に捉えようとして、その遠近の距離感を測れないような読み心地が続いたが、結晶質というタイトルは抽象と具象を含みつつどちらにも寄らずに言葉にとどめおくことなのか、とふと感じた。/つぎつぎに炎や薔薇をひらかせて動悸がむねをおとずれて去る/序破急でいうならいまはどのあたり手遊びばかりしている暮らし/体内に嵐を秘めていたはずがわたし自身があらしであった
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ツルツルした装丁に惹かれつつ、触ると指紋がつき汚してしまう。一度汚せばある意味諦められて自分のものという思い切りもつく。それに対して本書の内容には指紋を押せない、自分のものと出来ない、厚くて透明の膜を感じる。平易な言葉の連なりを、素直に取れない距離を感じる。以下は中でもすんなり読めた二首。/わたしを覚えていてね食パンの留め具にゆるく指を咬ませる/三年は三枚となるレントゲンの肺よきれいな空き地のままに
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本文中でも触れられているが、楳図かずお先生の『まことちゃん』で幾度か目にした〈近田春夫とハルオフォン〉が強烈で、著者へのイメージとしては、聴いてもいないのに(ハルオフォンの人…まことちゃんの人だ…)と思ってしまう。そのせいか好印象なまま今に至っていて、どんな音楽的な変遷を辿って来たのか、本書を読むまで意識しなかったことに気づいた。いつまでもまことちゃんの人、でもないよなと思い、興味深く読んだ次第。
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現代音楽へのとっかかりを増やすため、掲載誌だった「レコード芸術」読者が知識共有していそうな周辺ジャンル(美術、ドライブ、映画など)で馴染みのありそうなタームを引っ張って来てフックとし、聴取の際の勘どころを分かり易く伝えようとするガイドブック。文化/社会状況の中に現代音楽を落とし込むのではなく、あくまでも割り切って理解の補助線を引くことに徹する姿勢で書かれているようで、ブリコラージュ的というか、清々しい。
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帝国主義を反転した形での侵略への不安、純血主義的排外思想、アジア原産のコレラへの恐れ……が全部入り混じって外国恐怖症/外国人嫌悪に繋がり、それを体現しているのがドラキュラだという興味深い指摘。エスタブリッシュメントな秩序を乱す混沌の体現者として、ドラキュラの造詣が如何に優れているかを再確認した。現代ではフィクションに仮託する象徴化は不要というか、より端的にミームとしてのトランプやイスラエルを想起するのではないか。そうであればドラキュラは、テーマとしては現代的、存在としては19世紀的とも言えるか。
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正直いうと著者の持つリリカルさには共感を覚えることがほぼないのだが、その活動と本作りには関心があり、十七時退勤社の本を読んでいる。出版社の営業職として、自費出版の"社長"として、ひとりの本好き・音楽好きとしての2023年を本書は活写している。
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qoop
装丁に惹かれて購入したが、良かった。先を読み進めたくなる文章の巧みさ、視点の定め方と飛躍の仕方、本の選び方や読み方など、全般にわたって興味深い。こうした読書エッセイの著者として読書と生活の関係性が独特と感じる。本との距離感にウェットさがないと言おうか。そここそが読書エッセイとして秀逸な所以なのかも、と。
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qoop
プラハ滞在一ヶ月の記録。事前に関連書籍を読み込みながらも現地ではあえてネットを活用しない点、昨今のヨーロッパ旅行記として相当クセが強いと感じる。宿と外食になるべく費用をかけない生活ぶりも、著者らしいというかアジア滞在記風というか、想定する読者層が見えて来ない気が。裏を返せば、本書はいわば体当たりでガイドブック的な内容をまとめようとしている訳で、合う人にはめちゃめちゃハマるのではないか。
が「ナイス!」と言っています。
qoop
翔香と和彦はそのまま混乱と秩序をあらわすコンビで、効果的な人物造詣。謎と解答を交互に提示して物語を力強く前に進める。キャラクターとドラマが密接に結びつている点が本作の成功につながっているのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
qoop
序盤から疾走感があり、設定の謎/細かさをそのまま主人公の戸惑いとして読ませることで、カオティックな状況/心情をストレートにドラマの盛り上がりにすり替えている。まず映像的な描写で情景を伝え、状況の複雑さに目を向けないようにする構成も上手い。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/05/07(5471日経過)
記録初日
2009/05/04(5474日経過)
読んだ本
4125冊(1日平均0.75冊)
読んだページ
1197748ページ(1日平均218ページ)
感想・レビュー
3826件(投稿率92.8%)
本棚
30棚
性別
外部サイト
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