☆☆☆：友情でも恋愛感情でもなく、お金で命令権を得たと言っても加虐心や被虐心を満たすためでもなく、さらにお互いの言動が理解出来ないままながら心掻き乱す存在になっていくという不思議な距離感がユニーク。大きな事件が起こるわけではないので単調といえば単調だけど、思春期女子が内包するザワザワした感情を味わう文学としては悪くないと思う。結構エロティックなスキンシップ描写はあるけど、ステレオタイプな百合ものとは関係性や意味あいが違うので、いわゆる尊みを感じたくて読むと期待外れかも。

☆☆：YA小説の書き手だけあって、サブキャラ含めて登場人物の造形やキャラ配置は悪くないし、シチュエーションごとの描写もこなれていて、決してつまらないわけではないのだけれど、このプロットでラグランが復讐に燃えロシアの刑務所に潜入するパートが後半1/3からという構成は、看板に偽りありとまでは言わないけどいかがなものかと。このシチュエーションを選んだ以上、正体が露見する危機とか、行動が著しく制限される環境下でどのように困難な任務を成功させるのか？と言った緊迫感をメインに楽しませてほしかった。

☆☆☆：友情でも恋愛感情でもなく、お金で命令権を得たと言っても加虐心や被虐心を満たすためでもなく、さらにお互いの言動が理解出来ないままながら心掻き乱す存在になっていくという不思議な距離感がユニーク。大きな事件が起こるわけではないので単調といえば単調だけど、思春期女子が内包するザワザワした感情を味わう文学としては悪くないと思う。結構エロティックなスキンシップ描写はあるけど、ステレオタイプな百合ものとは関係性や意味あいが違うので、いわゆる尊みを感じたくて読むと期待外れかも。