ネタバレガチャガチャ研究家による渾身の一冊。アメリカで生まれたガチャガチャが初めて日本に輸入されたのは1963年。それが今では610億円市場（2022年）にまで成長した。黎明期から現在までのガチャガチャを全ページフルカラーで総覧するある意味で「トンデモ本」。扱っているのは2018年までなので、それ以後は続巻で紹介されるのを期待しちゃおう。

ネタバレサカナ型飛行機に乗った猫たちの旅。ひこうきは「ごろごろ」、ねこたちは「にゃーん　にゃーん」とないている。途中で出逢うあれやこれや。特に目的地はないようで、出発点に戻って「ただいま」と言っている。肩の力が抜けるなあ👍

ネタバレ「かがくのとも絵本」なのでおならについてわかりやすく説明する内容なのだが、なにしろチョーさんなのでひと味違う。ネコらしき生き物が出てくるが、象やスカンクに比べると全く似ていない。ネコ好きとしてはひと言いいたくなる。が、そんな不満も最後のページの「さようおなら」でどうでもよくなる。さらに表３にはおならのオマノトペがズラリと並んでいるのだ。

ネタバレ最近流行りの女のコフィギュア、可動するものが多くてこれらは関節がどうにも気になって敬遠している。まあニンゲンじゃなくてロボットという設定ならアリなんだろうけれど。コトブキヤのホイホイさん辺りは許容範囲。もっと言うと、お人形を動かして遊ぶ習慣がないのだね。ガンプラも素立ちで十分だし。そんな自分がどうして「美少女プラモの選び方」が特集のモグラを買ったかというとフィギュア原型師の智恵理さんのインタビュー記事が載っているから。５段組だけど実質３ページしかないけれど中身は詰まっている。知られざる過去も明らかに…。

ネタバレ本文は150ページにも満たない中編。だけども中身はぎっしり詰まっている。「国民が一度に一人しか住めない極小の〈内ホーナー国〉と、巨大な〈外ホーナー国〉。ある日国境に現れたフィルは、脳がラックからはずれるたびに熱狂的な演説で民衆を魅了し、独裁者にのしあがっていく。税金の徴収、突発する武力衝突、侵略者の処刑……。飛び抜けた想像力で目に見えない現実を描きだすアメリカ文学の鬼才による、抱腹絶倒で背筋の寒くなる『おとぎ話』。」（本書裏表紙から）

ネタバレ芥川賞受賞作「鯨神」を含む短編六編を収録。作者の純文学期だった初期10年の作ばかりである。神や巫女など、神性を帯びたものと賤しい、しかし誇りも持ち合わせた人間の関わりは何をもたらすのか。近年ようやく純文学者としての宇能鴻一郎の再評価が始まった。それぞれ三島由紀夫みたいだったり谷崎潤一郎みたいだったりする重量級の作品で読み応えがあるが、これでは喰えなくて量産の効くエロチック方面に舵を切ったのだろうか？いずれにしろ、後期の官能表現よりも瑞々しいこの時期の作品をもっと読みたいものだ。

ネタバレ再読。大友克洋のアシスタントとして「童夢」「気分はもう戦争」を支えた著者が大友の原作つきマンガに初挑戦したのが「DOG☆AFTERNOON」。大手暴力団の跡目争いを巡って雇われた素人暗殺班の七人。だが、この動きは警視庁のマル暴にかぎつかれてしまう。ここから始まる裏切りと殺し合い。２大暴力団と警察を敵に回した素人軍団は裏切った雇い主に牙をむく。暗殺班を仕切るヤクザの幹部が沢田研二、暗殺班リーダーが三島由紀夫の豪華ラインナップ。ホント、沢田研二にヤクザ映画に出てほしかった。

ネタバレ2016年の「I love you Debby」以外はコロナ禍の2021年から2023年までに発表された短編６編からなる。メキシコを舞台にした「ドン・ロドリゴと首なしお化け」と「モップと洗剤」は日本語で書かれたとは思えないセンス。しかも後者はかなりジワるサスペンスもの。後段の３編はコロナ禍の日本が舞台。表題作のコロナ失業したアラサー女が七転八倒する姿の痛々しさ。就活で夜の九時にカラオケで面接することになり、危険を承知していても背に腹は代えられずにノコノコ出向いて案の定襲われてしまうが、ここからの逆襲が

ネタバレガチャガチャ研究家による渾身の一冊。アメリカで生まれたガチャガチャが初めて日本に輸入されたのは1963年。それが今では610億円市場（2022年）にまで成長した。黎明期から現在までのガチャガチャを全ページフルカラーで総覧するある意味で「トンデモ本」。扱っているのは2018年までなので、それ以後は続巻で紹介されるのを期待しちゃおう。

ネタバレ映画音楽の作曲家を志して松山から上京した秋野修文（通称「シューブン」）。音楽学校の斡旋したマンションの部屋には、自殺した女の幽霊が出るとのこと。それとは別に、シューブンはバンドに誘われる。現代の「三四郎」的青春ドラマ。明治の新仮名遣い文体で描く「上京物語」である。主に漱石寄りな当て字が多い。著者最後の長編小説なのだが、う〜ん、なんと言ったらいいのか。

ネタバレガンドー、トリックプレイによりガンスリンガーを降す。そしてシキベ殺しの黒幕ザイバツとの対決に乗り出す。一方、ニンジャスレイヤーは恩師ドラゴン・ゲンドーソーの孫娘ユカノの保護に向かう。ところが、同時に天才ハッカーであるナンシーにも危機が迫る。救出に向かうニンジャスレイヤー！　というところで引き。絵に勢いがあるのはいつも通りなんだけど、コマ割りや細かい説明が雑に感じるんだが…。

ネタバレ途中から読み始めるが、なにしろニンジャスレイヤーなので順番はどうでもよいのだ。10年前、怪盗スズキ・キヨシを捕らえる際に助手のシキベ・タカコを殺された私立探偵タカギ・ガンドー。彼女を射殺した真犯人を求めるガンドーの前に、ニンジャソウルを宿して刑務所から脱獄したスズキ・キヨシが現れる。同じ暗黒武道ピストルカラテの使い手ながら、レベルが段違いのニンジャの前にガンドーは敗北。そして死の瞬間、ガンドーはカラス・ニンジャに憑依されて蘇る！　細かいことは気にするな！　考えるな、感じるんだ！

ネタバレここでインターミッション、明の郷で休養をとる鋼之助ら一行。あまりにも幸せそうな郷で、卜竹は己の悲惨な過去を振り返る。天狗の高山と出逢うまでが語られるが、さてどうして式神十二天将の一人となったのか…？　一方で長らく昏睡していた月が目覚める。早速なにやら危機が迫る？

ネタバレ魔性の兄妹との死闘の末に辛くも月を奪回する鋼之助。人外すぎて予測不能。その間に明らかになる卜竹の正体と兄妹の秘密。土御門晴雄の中に宿る魂の正体も、殺生石絡みで見当がついたがこれはいつまで引っ張るのかな。

ネタバレ異世界ダンジョンのフロアスタッフに転生した仲よし二人組のアイネとナハト。毎日ダンジョンの掃除で忙しい。そんな中、アイネの推しであるフロアボス（サッキュバス）が冒険者たちに倒されてしまう。復讐を誓うアイネ。「冒険者を絶対に殺すダンジョン」を作るのだ！　ＲＰＧの世界観をどーまん流にねじ曲げる、ちょっと変わったバイトテロまんが。ところで、いまアイネの眼の前に居るのはナハトなのかミミックなのか…💧

ネタバレ世にも珍しい地衣類に関するエッセイ。浅学にして「地衣類は苔」だとばかり思っていたのでその正体にびっくり。しかしながら飛ばし読みにて読了。「〜であった。」で終わる文のあと、改行しないで続く文章がやはり「〜であった。」で終わるこの邦訳がしんどかったのだ。しかし訳者あとがきに「原書には瑕疵が多い」と書いてあるのにはたまげた。心臓の上に地衣類が生えているのではなかろうか、この訳者。

ネタバレ風太郎奇想時代小説、題材を忠臣蔵にとった中短編７作を収録。昭和30年から32年にかけて発表されていて、この時期に資料を読み込んで書き上げたものと思われる。討ち入りより遥か以前、若かりし日の大石内蔵助の快男児ぶりを描く「行灯浮世之介」と困窮していく浪士たちを尻目に酒と女に溺れる内蔵助「蟲臣蔵」の対比の凄み。討ち入りに参加しなかった同志の姿も残酷なまでに描かれる。一方で四十七士の一人でありながらほとんど名を知る者もない人物が主人公の「俺も四十七士」も。刃傷を伝える赤穂への飛脚を巡る中編「赤穂飛脚」は

ネタバレ漂泊の自由律俳人、種田山頭火の評伝。なにしろ町田康が書くのだからそんじょそこらの評伝とは訳が違う。山頭火が遺した日記や手紙、俳句に他人の著書を下敷きに山頭火の内面にグイグイわけいっていく。それはまた著者自身の内面を照らす行為でもあった。もちろん、それなりに志はあるつもりだが日々のよしなし事に身と心をすり減らし、振り返ればなに一つ残せていない自分の姿でもある。とほほ。