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2024年3月の読書メーターまとめ

富士さん
読んだ本
11
読んだページ
2890ページ
感想・レビュー
11
ナイス
91ナイス

2024年3月に読んだ本
11

2024年3月のお気に入り登録
1

  • 遊学の隠居🌊

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 遊学の隠居🌊

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

富士さん
薄っぺらいタイトルで損をしています。入門とは、程度が低いということではないことがよくわかる良著でした。ふつうの統計学の本では、ここまでなぜ統計学が正しいのか、なぜ必要なのかを細かく説明することはありません。学問分野によってどの程度を正しいと考えるかに議論があることなどは「最」強でない証のように見えますが、それが科学哲学まで視野に入れている深い見識を感じさせます。本書を読んで、統計学の基本は大数の法則によって現れた分布のパターンを比較して、その関係を示す学問なんだなと、ぼんやりつかめたような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
11

富士さん
はじまりから現在に至るまでの時間軸で、映画からテレビ、アート作品までを対象に、ヘイズオフィスの検閲や赤狩りから自主規制まで、「禁止された」という切り口でたどるアメリカアニメ史という趣です。ディズニーですらしばしば修正を迫られており、アメリカ社会が何を異質と認識し、それにどのように反応して来たのかが知れる、アメリカのホンネ史にもなっているのが興味深いところでした。当然異質である、日本のアニメも「禁止された」ものの一環に含まれており、手塚治虫のアニメラマやタツノコのロボテックシリーズなどにも触れられています。
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富士さん
「弱い紐帯」とは、単に薄い関係の方がおいしい話を持ってきてくれるということだけを言いたい訳ではなかったのですね。著者は、経済的な利益に注目する経済学的なネットワーク研究に、それ以外の心情的な要因も複雑に組み込まれていることを明らかにしようとしているようです。単純なコネ研究ではなく、社会科学の根本から出た問題意識があったのには驚きでした。しかし、信頼の重要性から説き起こして、自動車産業の下請け網まで先行研究として扱う幅の広さは、理論書であるということを割り引いても、大学院生を絶望させるものだと思います。
が「ナイス!」と言っています。
富士さん
薄っぺらいタイトルで損をしています。入門とは、程度が低いということではないことがよくわかる良著でした。ふつうの統計学の本では、ここまでなぜ統計学が正しいのか、なぜ必要なのかを細かく説明することはありません。学問分野によってどの程度を正しいと考えるかに議論があることなどは「最」強でない証のように見えますが、それが科学哲学まで視野に入れている深い見識を感じさせます。本書を読んで、統計学の基本は大数の法則によって現れた分布のパターンを比較して、その関係を示す学問なんだなと、ぼんやりつかめたような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
富士さん
論?、むしろ資料集といった趣でした。コンテンツ産業を具体的に示すのは難しいように思いますが、映像、出版、ゲーム、ネット、ちょっとパチンコと、だいたいイメージする業界が網羅され、それぞれの業界構造が紹介されています。個人的には、完成品の価格がどのようなコストを積み上げて決まっているのかが示されているのがとても参考になりました。概論を示す際の出典として便利です。ただ、古本で二束三文で売られていたので何となく買いましたが、この内容を定価で買うとなるとためらいます。この手の本は更新が不可欠でしょうが、出るのかな?
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富士さん
なぜ日本の雇用制度は現在のようになっており、労働者はそれを当然のものとして受け入れているのかが丁寧に説明されており、現状認識と議論のたたき台を得るには絶好のものだと思います。特に歴史的な過程は重要で、現在の雇用制度の常識はせいぜい100年を超える程度の歴史しかなく、しかも確立してからは50年程度でしかないことは、労働関連の議論における前提として理解されるべきことです。そして、労働は非正規こそが基礎的な形態であって、景気の変動によって意味に多少の変化はあっても、常に存在し続けたことも重要な指摘です。
富士さん
2024/03/19 18:46

惜しむらくは、個々の事例に対する参考文献が示されていないことと、本書のテーマからはずれるため、自営業の問題に触れられていないことが不満点です。記述に重複が多いので、工夫すればそれらも入れられたような気もするのですが。

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富士さん
そろそろ処分しようかなと、再読。やはりマニアック!!それがを求めて手に入れたのだけど、やっぱり艦船や航空の軍事技術を踏まえておかないと意義や問題も理解できなくて十分に楽しめないところがあります。このシリーズは射撃統制装置縛りみたいなものがあるのか、対空砲の統制装置の特集は驚きでした。大和の主砲ならいざ知らず、対空砲のような細かいものまで光学・機械式で統制しようとしていたとは、他の国はどうしていたのか気になります。しかし「if」特集の無責任さは出色でした。このシリーズに架空戦記を載せるのはふさわしくない。
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富士さん
物語シリーズ再読中。古代から説き起こして現在に至る、良くも悪くも標準的な通史でした。新書の値段でマイナーな国の歴史が手にできるというのはすばらしいですが、少々普通過ぎる感がありました。個人的には、不安定で暴力的な社会や政治の中で、メキシコの人たちは何を喜びとして生きてきたのかがとても気になります。その意味で、今につらなるメキシコの社会史、精神史な側面にフォーカスして紙幅を割いて欲しかったように思います。ここが薄いため、著者のメキシコへの思い入れが十分に伝わらず、せっかくの「物語」が用を成していません。
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富士さん
オタク論壇の空中戦から一歩引き、セカイ系という概念の言説史を明瞭かつ分かりやすい文章で、しかも想いを込めて描いた良い本でした。セカイ系の定義を「自意識の描写」に限定するのは実際の在り方に忠実でも、切り口としての概念の使い勝手を損じるように思いますが、誠実な解答のひとつだと思います。個人的には、物語消費の代表に上げられる『ガンダム』がそのはじまりにおいて記号的作品だったことを示唆されているのは我が意を得たりでしたし、東浩紀さんのデータベース消費論への読みの甘さを教えられるなど、得るものがたくさんありました。
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富士さん
信頼と実績のオトナアニメスタジオ特集。今回はブレインズンベースです。『ピンクドラム』幾原特集のついででもあってもしっかりスタジオ特集になっています。ちゃんと小沢社長のインタビューもありますし、プロデューサーを中心とする制作ラインの特性への言及もあり、資料としての価値が担保されいます。歴史や経営方針、フィルモグラフィーがまとまった記録はめずらしく、数十年後には地味に貴重な資料になっているはずです。まがりなりにも体系的だったスタジオ史の記録が止まってしまったのが、オトナアニメ休刊による損失のひとつです。
が「ナイス!」と言っています。
富士さん
清水勲さんの通史を読んでいたのですが、改めて読む価値がありました。特にメディアミックスが進展すると、マンガというものが単独では語りえないものとなっているのが清水さんの時代と大きく異なるところで、それに従って歴史も再解釈される必要があります。本書は戦前からすでにメディアミックスを前提にした史観で書かれており、一貫してマンガ以外の隣接メディアにも目配りがなされています。むしろ、メディアを横断するのがそもそものポップカルチャーの常道だったのであり、今の記述の在り方がより実状にあったものであるように思います。
が「ナイス!」と言っています。
富士さん
YS-11の何か問題で、何が成果だったのかがよくまとめられている良著でした。その本質は「サービス」をどう捉えるかだと思います。問題だらけだったこの飛行機を振り返って名機だと言わしめたのは、好意的なユーザーに対する対応の中で、部品の安定供給や整備しやすさなどの顧客サービスとして製品供給システムを完成させることができたからだということです。機体はサービスの一部であり、製品はシステム全体なのです。良いものを作れば評価されるというのはものづくりオナニズムにすぎないということが、最も重要な教訓だったのだと思います。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/11/07(4191日経過)
記録初日
2012/11/15(4183日経過)
読んだ本
1402冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
410400ページ(1日平均98ページ)
感想・レビュー
1397件(投稿率99.6%)
本棚
3棚
性別
職業
無職
現住所
広島県
外部サイト
自己紹介

もう働きたくない・・・

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