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2024年3月の読書メーターまとめ

どんぐり
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感想・レビュー
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ナイス
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2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入り登録
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  • 山口透析鉄

2024年3月のお気に入られ登録
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  • 山口透析鉄

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

どんぐり
著者はイスラエルの社会学者。「母親になって後悔している」23人の女性のイタンビューをとおして、個人的・社会的意味を探求した本。後悔するなら、初めから子どもを持たなければいいだけのことだが、話はそう簡単ではない。女性が後悔していることは母親になったことであり、母性愛の欠如と結びつけてとらえる子どものことではない。そこには周りから子どもを持たないと後悔する、子どもを持つことで「完全な人間」になるというという外圧などがあり、母親になった者もいるということだ。→
どんぐり
2024/03/21 16:48

母親になることを促す社会において、母親になって後悔している女性がいることを知るだけでも、この本を読む意味はあるかもしれない。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
11

どんぐり
太宰治の故郷を巡る津軽風土記。序編は太宰にとって年少の思い出の地となっている金木、五所川原、青森、弘前、浅虫、大鰐について。次いで、本編の〈巡礼〉〈蟹田〉〈外ヶ浜〉〈津軽平野〉〈西海岸〉の5篇。中でも、太宰の養育にあたった、たけと運動会が行われている小屋で再会を果たす〈西海岸〉がいい。含羞の人、そのものである。「岩木山はやはり弘前のものかも知れないと思う一方、また津軽平野の金木、五所川原、木造あたりから眺めた岩木山の端正で華奢な姿を忘れられなかった。西海岸から見た山容は、まるで駄目である」と書いている。→
どんぐり
2024/03/31 22:20

今度、青森を旅するなら、この本をもって行きたくなるほど軽妙な文章に引き込まれる。

ハナハナ
2024/04/01 07:25

私も今すき間時間にこの本を読んでいます。面白いです。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
高い不確実性に対して、予測ではなくコントロールによって対処する「エフェクチュエーション」入門書。この理論には5つの原則があり、最初が〈手中の鳥〉の原則。自分がすでに持っている「手持ちの手段(資源)」を活用し、「手段主導」で何ができるかを発想し着手するもので、「私は誰か」「何を知っているか」「私はだれを知っているか」の問いかけから始まる。そのあとに〈許容可能な損失〉〈レモネード〉〈クレイジーキルト〉〈飛行機のパイロット〉の4つの原則が続く。→
どんぐり
2024/03/27 22:42

この理論は、何かにチャレンジするときに使えるし、思考法として納得できるものがある。あとは、実行あるのみ。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
「ミラノ」「ヴェネツィア」「ローマ」の三部作に、帰国後20年間の空白から作家活動に入った須賀の足跡をたどる「東京」と「ロングインタビュー」を収載した2018年刊行の文庫本。既読の三部作は、著者が須賀と一体化したかのような筆致で心地良さをもたらすものであった。大竹は、須賀の創作の秘密として、人の孤独を取り上げ、その孤独は「宇宙のなかの小さな一点」のような魂のありようだと述べ、「人を絶望させ、悲愴感に追い込むものではなく、人間のだれもが、究極においては生きなければならない決意と励ましに満ちた孤独であった」→
が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
著者はイスラエルの社会学者。「母親になって後悔している」23人の女性のイタンビューをとおして、個人的・社会的意味を探求した本。後悔するなら、初めから子どもを持たなければいいだけのことだが、話はそう簡単ではない。女性が後悔していることは母親になったことであり、母性愛の欠如と結びつけてとらえる子どものことではない。そこには周りから子どもを持たないと後悔する、子どもを持つことで「完全な人間」になるというという外圧などがあり、母親になった者もいるということだ。→
どんぐり
2024/03/21 16:48

母親になることを促す社会において、母親になって後悔している女性がいることを知るだけでも、この本を読む意味はあるかもしれない。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
シアトルのチャイナタウンにあるパナマホテル。かつてこのホテルは、アメリカ人となるために数多くの日本人移民が逗留していた。真珠湾攻撃で日米開戦の火ぶたが切られた1942年、日本人は敵とされ強制的に収容所へと移送された。そのなかで出会った白人専用の私立学校に通う中国系2世のヘンリーと日系2世のケイコの悲しい別れ。44年の時を経て発見された1枚のジャズレコードからつながる二人の「リトルロマンス」。果たして、二人は再会を果たすことができるのか。うーん、よくある物語だわ。
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どんぐり
ドイツ人作家ゼーバルトがチューリッヒ大学で行った講義録「空襲と文学」。第2次世界大戦後のドイツで空襲の体験が文学として残されていないことの問題提起。ドイツでは一般市民60万人近くが空爆の犠牲者となり、350万軒の住居が破壊された。その史実が文学から隠蔽されていることに、空襲の惨禍を記述した記録や日記などを掘り起こす文学論考。ここから原爆や空襲の被害体験を記した文学作品が多い日本の加害者・被害者意識や国民性を考えると、面白い論点だ。→
どんぐり
2024/03/15 06:19

次いで、日本ではなじみの薄いアルフレート・アンデルシュ(1914-1980)、ジャン・アメリー(1912-1978)、ペーター・ヴァイス(1916-1978)の3人の作家論。このなかで、アウシュヴィッツ生還者で自死したジャン・アメリーの来歴に興味をもった。この作家の本は、1980年代にいくつか翻訳されている。彼の深奥に秘められた記憶は、いったいどういうものだったのだろう。

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どんぐり
ボラーニョの小説を彷彿とさせる作家探しの物語。1938年にパリで出版されたセネガル人の作家エリマンが書いた『人でなしの迷宮』。ブラックアフリカの黒人による最初の真正な傑作といわれたが、その小説は、批評家から剽窃の疑いがかけられ、北フランスで失踪した作家とともに忘れられた。小説の構造は、1980年代にエリマンを探す若い作家ジェガーヌ、母グモのシガ・Dの証言、日記や記録、マンゴーの木の下でエリマンを待つ母親モッサン、『人でなしの迷宮』を批判した書評家たちの死と呪術など、いくつもの物語が積み重なっていく。→
どんぐり
2024/03/12 22:54

エリマンの出生の秘密から終焉へと向かうミステリー要素はあるものの混沌。主人公ジェガーヌの存在感が薄いのは、『野生の探偵たち』みたい。

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どんぐり
みすず書房の『中井久夫集』全11巻の解説に1章分を加えて編集した精神科医・中井久夫の仕事をたどる小伝。私人としての部分はあまり描かれていない。たとえば、成育歴や、妻子が登場しない。幼少期にいじめにあったとはあるが、詳しくはわからない。ウイルス研究から転じて精神科医になり、阪神淡路大震災後のPTSD、トラウマ、兵庫県立こころのケアセンター初代センター長就任、日常診療などから発した多くの著作をいくつも著した。その足跡をたどるだけで、ノンフィクションの醍醐味がないのが残念。2022年8月8日逝去、享年88歳。
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どんぐり
全12章からなるZ世代を理解する一冊。著者はアメリカ在住のZ世代ライター。1990年代後半から2010年頃までの間に生まれた者をZ世代という。アーティストのビリー・アイリッシュ、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ、テニス選手の大坂なおみがあげられる。Z世代は「デジタルネイティブ世代」と呼ばれ、生まれたときからSNSや電子機器などが身近にあり最先端のテクノロジーに精通し、「多様性」「LGBTQ」「環境問題」「リベラル派」にラベリングされた世代だ。→
どんぐり
2024/03/06 23:44

Z世代的価値観は、地球全体の環境を大切にすること、自分を大切にし、自分を愛する「セルフケア・セルフラブ」を信奉する。日本の若者がこれに当てはまるかどうかは知らんけど、フォロワー数が人間の価値を決めるかのような現代社会を生きるZ世代にとって、「セルフケア・セルフラブ」とういうのはうなずける話である。世代を区切って考えるのは好みじゃないけれど、私は遥か昔に遠のいたベビーブーマー(ブーマー)世代。文化時評として違和感なく読むことができる。

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どんぐり
朝の通勤経路でいつも同じ人と出会う。道をまっすぐ左に右にくねくねと駅まで向かう。彼は道を曲がるとき、必ず90度で進路を変更する。それに対して私は最短距離の45度で歩を進める。歩く速度は彼のほうが若干速いものの、最短距離を歩く自分はすぐに追いつくことになる。私は彼のことを「直角君」と呼んでいる。本書に出てくる主人公パトリックは、道を歩くと右に曲がることができず、必ず左に歩を進める。すぐそばのカフェに行くのに、3回も角を左に曲がり、店にたどりつく。この本も、歩き方(読み方)のルールがあるようだ。→
どんぐり
2024/03/03 13:53

パウル・ツェランという詩人のことを知らないと、全くちんぷんかんぷんである。私はこの作家の言葉遊びの一部を楽しむことしかできない。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
30代に近い女性歌人二人による短歌と対の散文。黒字になっているのが〈くどうれいん〉で、青字になっているのが〈東直子〉の作品。「愛ならばひかりより言葉がはやくその言葉よりはやいてのひら」「土が乾いてゆくまで話す紅葉のころにあなたがいたなら」と、みずみずしい歌が1つ、2つと重なっていく。短歌に情景を添える散文が心地よい。こういう構成もいい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/12/18(4150日経過)
記録初日
2004/01/09(7416日経過)
読んだ本
5734冊(1日平均0.77冊)
読んだページ
1685172ページ(1日平均227ページ)
感想・レビュー
1882件(投稿率32.8%)
本棚
12棚
性別
血液型
A型
職業
クリエイター系
現住所
神奈川県
外部サイト
自己紹介

画像を変更(2016.9.25)。実家からチャリで10分、安田侃の作品が点在する公園。夏、本を読むお気に入りの場所。

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