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2024年4月の読書メーターまとめ

Soul Cages
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12
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2967ページ
感想・レビュー
12
ナイス
486ナイス

2024年4月に読んだ本
12

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Soul Cages
最初は老化のメカニズムについての生物学的説明。後半はシニアに社会的な役割を与えていこうという筆者の提言。ヒト以外の動物は生殖能力を失うのとほぼ同時に死ぬ。生殖能力を失った後を「老後」とすると,老後があるのはヒト(とゴンドウクジラ)だけ。なぜ,ヒトは老後も長生きするのか?シニアの社会的役割が生き残りに有利であったから(おばあちゃん仮説),と説明されるが,本当かな?平均寿命というのは,新生児から老人まで,全ての人の死んだ年齢を平均したもので,戦後の急激な平均寿命の上昇は,新生児死亡率の減少が原因であるから,→
Soul Cages
2024/04/07 23:31

我々の実感としての「寿命」は大人まで生き延びた人が,その後何歳まで生き続けるか,という数字を元に考えるべきだが,そういう数字は示されていない。進化=淘汰のバイアスが生物に反映するのは,私の感覚では,少なくとも万年単位であると思うのだが,社会的な役割が生まれたのは,それよりずっと後のこと(千年単位)に思え,原因と結果にタイムラグがあるように思える:単に医学の発達のせいではないか?まあ,この説の正否はともかく,単純な一律年齢による定年制をやめ,シニアにも役割を与えて活躍してもらうという考えには一理あるかな。

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2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

Soul Cages

留学時代の友人(オーストラリア在住英国人)が大阪に来たので,宇治・平等院と伏見・酒蔵に行ってきました(実は,両方とも私も初めて)。どこも桜が満開で人でも多かった。

留学時代の友人(オーストラリア在住英国人)が大阪に来たので,宇治・平等院と伏見・酒蔵に行ってきました(実は,両方とも私も初めて)。どこも桜が満開で人でも多かった。
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2024年4月の感想・レビュー一覧
12

Soul Cages
疑似科学の例が列挙されているのではなく,疑似科学に騙されないための科学リテラシーを獲得する考え方が分かり易く示されている。私から見ると(一応プロですから)当然のことが書いてあるが,こうしてまとめて,イラスト付きで記述してあれば,科学にあまり強くない人も納得できるのではないか,と思う。一方,科学リテラシーが,本一冊読んだだけでつくなんて虫が良すぎで,ここを入り口としてもっと色々と知って欲しいとも思う。人の思い込みや思考のバイアスを覆すのは難しく,疑似科学的な商売とそれに騙される人は無くならないだろうと思う。
Soul Cages
2024/05/01 00:44

以下,本書に出てくる信用してはいけない疑似科学:血液型,グルコサミン,水素水,シリカ水,マイナスイオン,ホメオパシー,GABA,ラジウム温泉,デトックス,ブルーライトカット,ブルーベリー(目に良いとされる),電磁波の悪影響,Oリングテスト,血液クレンジング,イチョウ葉エキス。磁気ネックレスや磁気絆創膏は効果不明,EPA(オメガ不飽和脂肪酸)は実際に良い効果があるが,サプリをとるより,実際に魚を食べた方が良いらしい。トクホは,それなりに信用しても良いが,機能性表示食品は基準が甘いので信用できない。

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Soul Cages
科学とは何か。科学で問われるのはHowとWhyであってWhatではない。実験・計測は必ず誤差を含む。正しいとされる法則もそれを包括する新しい理論が確立されるまでの暫定的な正しさでしかない。これらのため,科学で「100%絶対に正しい」とは絶対に言えない。しかし,測定が誤差を含み,統計的に(信頼限界)100%正しい・間違いとは言えないということと,原発などの社会的な問題で科学的根拠に基づく判断の「正しさ」とをごっちゃにしている感がある。後者は,実験ではなく現実世界の未来の予測であるから,統計的な限界の話では→
Soul Cages
2024/04/29 12:32

なく,確率すら計算できない。判断するのは人間であって,科学ではない。こういった「科学」の定義に関する教育プログラムが無いことを憂いでいるが,同業者からすると(科学者・研究者からすると)かなり当たり前のことで,教えてもらわずとも分かっているのでは?著者も誰かから習ったわけではないだろう。マスコミで「絶対⚫︎⚫︎です」と言っている科学者もそれを分かった上で(自分の利益のため,話を分かり易くするため,確信犯的に)そのように言っていると思う。むしろ,一般市民にこそ,科学が万能でも何でもないことを理解してほしい。→

Soul Cages
2024/04/29 12:44

以下,私見:科学はHowとWhyを問うというが,Howは実験で確認できても,Whyに関しては推測の域を出ず「解答」は得られないことが多い。例えば,なぜ指が5本で,6本や4本でないのは「その方が都合がいいから(進化の過程でそうなった)」というレベルの解答以外不可能である。タイトルの「罠,美と快楽と誘惑」の記述は最後の最後にちょっと出てくるだけ。もっと科学の美しさをと快楽を語ってほしい。同じ話の繰り返し多く,グダグダ感あり。同業者として,若い人が読んで科学へ進むモチベーションが高まるとは思わないので薦めない。

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Soul Cages
筆者は名古屋大学環境医学研究所長(執筆時)。「脳科学」というと少し斜に構えてしまうが,筆者は自身の専門を神経化学と称している。分子・細胞レベルからネットワークでの記憶のメカニズムまで,わかりやすく解説。従来は一仮説でしかなかったものが,より確からしいメカニズムとして認知され,脳領域の役割もより詳細に理解されつつある。記憶には「エピソード記憶」「手続き記憶」「意味記憶」とあり,名前などの意味記憶は忘れやすい。記憶している領域の周辺が活性化すると,思い出そうとしても却って思い出せなくなる=「ド忘れ」現象にも→
Soul Cages
2024/04/26 00:18

説明がつく。情動と一緒に記憶すると,忘れにくくなる。記憶の定着,整理整頓は睡眠時に海馬が行なっており,十分な睡眠が必要。つまり完徹で試験に臨むのは間違いだった。何でもネットで調査ができて,AIが主流になる時代には記憶力は不要?そんなことはない,様々な記憶が健全な「マインドセット」を作り,自身の行動を良い方向に導く。「脳トレ」で鍛えられるのは,実はその脳トレの「手続き記憶」が強化されただけ?かもしれない。昔から言われていることだけれども,新たな発想を思いつくには,そのことから一旦離れてみると良い。

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Soul Cages
ちょっと,目先を変えてパズル本を。面白いもの,そうでもないもの,易しいもの,難しいもの,色々あったが,きっと,それは人によって(得手・不得手,好みが)違うのだろう。私はどうも,視覚的・図形的なものが好きなようだ(得意というわけではない)。論理的なものや数式的なものは,考えるのが面倒くさいと感じてしまう。こういうパズルやクイズは,心に余裕がないと落ち着いて考えることができず,楽しめないなぁ。
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Soul Cages
東畑先生6冊目。読者がクライエント?になった感じで,東畑先生と夜の海にボートを漕ぎ出す設定。臨床心理士とは,どういうことをするのかがよく分かる。医師ではないので,薬は使用しない。対話を主とし,時間をかけて(1回50分を数ヶ月から何年も)心の救済や変容・受容をサポートする。色々な「補助線」(時に補助船)を使って,「こころ」の問題に向かう。タツヤさんとミキさんを例に出して劇中劇のように話は進んでいく。腑落ちという点では今ひとつなのだが,するすると読みやすく実質一晩で読んでしまった。
Soul Cages
2024/04/16 17:24

心は馬(意のままにならない欲求)と騎手(それを御したい心)のせめぎ合い。人生は「働くこと」と「愛すること」これらは補完的。傷つけないつながりは「シェア」,傷つける深いつながりは「ナイショ」。心を守るには「スッキリ」させる場合と「モヤモヤ」を引き受ける場合がある。幸福とは,絶頂的幸福ではあるが絶頂的不幸を裏側に抱えている純粋なポジティブ,「ほどよい」幸福である不純なポジティブ,世界を複雑にし,僕らを大人にしてくれる不純なネガティブも。幸福とは,複雑な現実をできるだけ複雑に生きること。

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Soul Cages
ひきこもりを専門とする斎藤環先生,多分8冊目(対談本含む)。自己愛は「自分が好き」ではなく,「自分自身でありたい」という感情。単なる自己肯定感だけでなく,自己批判,自己嫌悪,プライド,自己処罰なども含むポリフォニックなもの。自己愛性パーソナリティー障害のように,「自己愛」はワガママで悪いものではなく,生きるのに不可欠なものである。自傷的自己愛は病気や診断名ではない。自己愛の形式であり,しばしば生きづらさをもたらすという意味では解決や支援の対象でもある。自傷的自己愛者は,プライドが高く自信がない,→
Soul Cages
2024/04/15 17:50

自分が周囲からどう思われているかをずっと考え続け,自己愛ゆえに自分を否定し続けている。承認依存が「キャラとしての承認」への依存であるのと同様に,自傷的自己愛は「キャラとしての自分」に対する否定である。自己否定,自己批判の背景に「自己愛」があったと気づくことが救いのキッカケになる。中井久夫「自分が世界の中心である」ことと「世界の一部に過ぎない」ことが平和的に共存しているのが健康な自己愛のありようである。自分自身と,私の周囲で苦しんでいる人に,大いに助けとなる読書であった。

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Soul Cages
苫野先生3冊目。真正面から教育のシステム変革を提言する。前2冊はちょっと変な人だなと思ったが,これはとてもまとも(失礼!)で有意義。教育の目的は「自由」になることと「相互承認」。旧来の「決められたことを決められたように」「みんなで同じことを,同じペースで,同質性の高い学級の中で,教科ごとの出来合いの答えを,子どもたちに一斉に勉強させる」システムを脱して,一部(4-6割)は「探求型」授業に。「競争」「スタンダード」「一斉テスト」など必要ではない。個別化・協同化・プロジェクト化の融合を。というのが著者の主張。
Soul Cages
2024/04/15 00:07

文科省も十分認識しているが,なかなか変革できないのは,自分達が経験したやり方を,変えたくない変えられない層が依然として大多数だから。上(政府)から下(学校)まで,さらには教員養成課程や入試制度も含めて,全ての箇所で同時に,えいやっと始めなければ変わらないだろう。

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Soul Cages
苫野先生2冊目,若い人への読書のススメ。読書で自分を「グーグルマップにする」頭の中に「蜘蛛の巣ネットワーク」を作成してそれに電流を流す=ヒラメキ,などと独特の比喩で読書(勉強と置き換え可?)の効用を表現する。私は,学問をすることは「新しい世界観」を手にいれることだと言ってきたので,似ている。後半のレジュメを作って精読する方法は,本を読むことが仕事の一部である著者だからできることであって,普通の人には無理でしょう。私は読書メーターのレビュー(255文字×N(N=1-5))くらいを書くのが性に合っている。
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Soul Cages
野矢先生は4冊目か。言語哲学入門。哲学者って,こういうことをトコトン深く深く考えるものなのですね。若くて,これから学問をやろうかという人にはいいかもしれませんが,今の私には,ちょっと集中力が続かなくて辛い感じでした。
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Soul Cages
熊大准教授,哲学・教育学専攻。自身の半生と哲学入門:哲学の有用性を熱く語る。哲学入門としては,かなり風変わりだが,読みやすく分かりやすい。孤独な少年時代,早大生時代には「人類愛教」の教祖=アブない奴,強烈な躁鬱になり,竹田青嗣・哲学と出会って躁鬱を脱出。「絶望する人は,特定の何かに絶望しているのではなく,自分自身に絶望しているのだ」「絶望から抜け出すには「可能性」を持ってこい」。哲学は役に立つ:本人が至った境地「自由の相互承認」の実現を目指して研究を続ける。
Soul Cages
2024/04/11 00:26

自分の思想:哲学で,社会を変えられると大真面目に思っているところが,今も,ちょっと教祖っぽく,ちょっと夜郎時代的で,ちょっとアブない感じもする。少し意地悪く言うと,色々な思想家の本を読み込み考えぬいたあげく,一周回って普通のこと(自由の相互承認)のような気もしないでもない。

が「ナイス!」と言っています。
Soul Cages
最初は老化のメカニズムについての生物学的説明。後半はシニアに社会的な役割を与えていこうという筆者の提言。ヒト以外の動物は生殖能力を失うのとほぼ同時に死ぬ。生殖能力を失った後を「老後」とすると,老後があるのはヒト(とゴンドウクジラ)だけ。なぜ,ヒトは老後も長生きするのか?シニアの社会的役割が生き残りに有利であったから(おばあちゃん仮説),と説明されるが,本当かな?平均寿命というのは,新生児から老人まで,全ての人の死んだ年齢を平均したもので,戦後の急激な平均寿命の上昇は,新生児死亡率の減少が原因であるから,→
Soul Cages
2024/04/07 23:31

我々の実感としての「寿命」は大人まで生き延びた人が,その後何歳まで生き続けるか,という数字を元に考えるべきだが,そういう数字は示されていない。進化=淘汰のバイアスが生物に反映するのは,私の感覚では,少なくとも万年単位であると思うのだが,社会的な役割が生まれたのは,それよりずっと後のこと(千年単位)に思え,原因と結果にタイムラグがあるように思える:単に医学の発達のせいではないか?まあ,この説の正否はともかく,単純な一律年齢による定年制をやめ,シニアにも役割を与えて活躍してもらうという考えには一理あるかな。

が「ナイス!」と言っています。
Soul Cages
あまりに冗長なので(本題の前の長い人類史の部分はなぜ必要なのか不明),耐えきれず,最後は飛ばし読みだったので,ちゃんと理解できていないかもしれない。世界は効率主義の「進歩の時代」から「レジリエンスの時代」へと変化するという。ここで言うレジリエンスとは,復元力ではなく変化に追従する適応力,柔軟性・可塑性を意味する。資本主義,議会制民主主義から分散型ピア(対等)政治へ。バイオリージョン(生命地域),バイオフィリア(生命愛)の時代へ。先の予測については,やや能天気な楽観主義のようにも思える。
Soul Cages
2024/04/05 23:59

「限界費用ゼロ社会」と同じ著者であると,後で気づいた(しまった!)。自分の感想を見比べてみると,ほとんど同じ(当たり前か)。電磁波の話など,検証が不十分な記述もあるので,注意が必要。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/01/13(4127日経過)
記録初日
2012/12/15(4156日経過)
読んだ本
1331冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
341422ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
1246件(投稿率93.6%)
本棚
32棚
性別
職業
専門職
自己紹介

 化学系専門職をしている理系人間です。自分の個人的な興味の対象と仕事の本は重複します。でも本当の仕事本(自分の専門)は熟読しないし、一般向けではないので基本的にはアップしません。なので,読メにアップするのは,自分にとってはちょっと異分野の非専門家向けの本が多いです。息子が自閉症なので、発達・精神医学関係の本もよく読みます。もう息子は成人してますのでベテラン(?)の域です。似た境遇の人、情報交換しましょう。あと、(初等〜高等)教育関係にも興味があります。その他、社会問題、外国文化(特に欧米)、純文学、歴史小説、ミステリー、オモシロ本まで、何でも読みます。でも、作家さんの好き嫌いは結構あるかも。
 読書メーターを始めてもう10年以上経過しました。生活の一部になりつつあります。とても刺激になっており、読まなきゃ!という気になります。しかし、時間が取れないこともあって、あまりペースが上がりません。皆さんのペースが早いので、焦る事もあるのですが、自分のペースで読んでいきます。皆さんに刺激を受けて,ここまで10年間,毎年100冊はクリアできてますので,このペースを維持あるいは向上できればと思います。
 自分の読んだ本に関して,他の方々の感想を拝見するのは楽しいですね。いろんな考え方、捉え方があるのがいいですね。私はどちらかと言えば,辛口かもしれませんが,正直に書いているつもりです。人によって感想が異なるのは当然ですので,お互いにあまり目くじらをたてることのないようにお願いします。私自身も気にしません。でも,自分がポジティブなレビューをアップした後に、読友さんが読みたい本に挙げてくれるのは嬉しいですね。
 名前はスティングの曲名・アルバム名からですけど,もっぱらU2を聴いています。U2はアイリッシュですが,他は, ビートルズやジョン・レノン、スティング(ポリス)など,オールド・ブリティッシュを聴いています。プロフ画像もジョン・レノン(リバプールにて撮影)に変更しました。

 人見知り?なので、自分から知らない人をあまりお気に入りに誘う勇気はあまりないし、読友さんが増えると日々のチェックがちょっとしんどいなあと思う事も多いので、こちらからお気に入りをお願いする事はあまりないと思います。けれども、拒否しているわけではありませんので、お気軽に。ただ、お気に入りにしていただけるなら、「見たよ」というナイスを幾つかと、無言ではなく一声かけていただければ、と思います。(どちらも一切無かったり、一度に大量のお気に入り登録をされるような方からのお気に入りには、基本的にスルーさせていただいております。お気に入り=お友達になるってことだと思っています。そんな友人の作り方する人、現実にはいないですよね)。
 どうぞ、よろしくお願いします。

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