ユーモアとペーソス、優れたバランス感覚と寛容の精神。イギリスの古き良きあり方を形どってみせたようなブラックフィールド校。その体現者というべき老チップス先生は、何千という子供たち、短かった結婚生活、教師としての責務などを思い返していく。ほんの１５０ページほどの小説だが、穏やかな満足感とともに読み終えることができた。愛らしい一冊。

一万数千人の逃亡軍か。本人たちも命懸けだったろうけれど、途上にある国や村には迷惑この上ない集団だったろうな。市場で買うならともかく、力に物言わせて略奪して回るところもあり。また敵地では一致団結して危機に立ち向かっていたギリシア軍も、故国が近づくと好き勝手にバラバラに動き始め、クセノポンの苦労が忍ばれる。弁も筆もたつ指揮官ではあるけど、この後アテネから追放されたりと踏んだり蹴ったりだったとか。

ユーモアとペーソス、優れたバランス感覚と寛容の精神。イギリスの古き良きあり方を形どってみせたようなブラックフィールド校。その体現者というべき老チップス先生は、何千という子供たち、短かった結婚生活、教師としての責務などを思い返していく。ほんの１５０ページほどの小説だが、穏やかな満足感とともに読み終えることができた。愛らしい一冊。

再読。この４ページほどのエッセー群を時折読み返したくなる発作に見舞われる。