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2024年3月の読書メーターまとめ

国語コーチング@ちろちゃん
読んだ本
5
読んだページ
1471ページ
感想・レビュー
5
ナイス
31ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

国語コーチング@ちろちゃん
本書を読んでパンチをくらったのは著者が院生時代に「自分の研究に指導教官などいると思うな。もしいたら、そんな研究は値打ちのないものと思え」と言われたというくだり。答えの出る問いを立てることは大切だが、本当に知りたい、という問いに挑めばいいと納得できた。研究過程のノウハウも有難い情報。大学学部生からこのくらいの指導を受けられるとは羨ましい限り。このご指導あって修士論文が単著になるという学生も現れるのだろう。しかし、彼らへの警告は一度アウトプットしたものは直せない、ということ。研究は熟すのを待つのもありだと。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

国語コーチング@ちろちゃん
著者の流麗な文体に魅せられた。小説も書く研究者とのこと。非正規雇用での日々に心がもぎ取られる思い。非正規の教育者は生徒への想いを残しながら職場を去らねばならない。その仕事を引き継ぐ新人には何も残せないのだ。この理不尽さは遊郭で声を上げる女性の文章につながる。読み書きができ、廓の中で当時の女性雑誌を読めた遊女は当然考える。「なぜこんな境遇に自分はいるのか。もう死んだほうがましでは」と。明治、大正期に遊郭の女性たちが文章を発表したり、脱走を試みたりしたとは知らなかった。断片的な史料しか残っていない。
国語コーチング@ちろちゃん
2024/03/27 19:58

タイトルにある<声>とは、「生活という直接的なかかわりを通して、身体に響いてくる(p220)」声である。私も時々、そういう<声>をききたくなる。「星の王子さま」はテグジュペリの経験が「人間の土地」に結集した後に、その体験に想像力を働きかけて生まれた物語だという。私もそういう研究と物語をつくる人になれないか、と思う。

が「ナイス!」と言っています。
国語コーチング@ちろちゃん
手芸は明治時代から女性の「万が一」のための保険的なものであったとは知らなかった。女性に内職をすすめ、自立を促す言説があったとは。千人針、慰問人形の作成も多くの女性「縫う」という行為そのものがジェンダー化されている。縫う行為が女性の祈りそのものであるのだ。戦後の手芸ブームはまさに母の世代のこと。多くの手芸スターが誕生し、家元的に続いている分野もある。本書の最終部分を引用しておこう。「ものづくりは言説と切り離せない」「私たちは、言説の力を、格差を生み出し、人を搾取し、社会的不正義を維持するために・・」
国語コーチング@ちろちゃん
2024/03/27 19:31

引用つづき「用いることにこそ注意深くあるべきであり、言葉の背景にある社会の構造を意識しながら言説を発し、そして読み取る必要があるのではないだろうか」すごいわ。

が「ナイス!」と言っています。
国語コーチング@ちろちゃん
「子どものような好奇心を持って対象に耳を傾け、学ぼうとする」人類学者の姿勢を持ち、対象を参与観察し、それを解釈し、意味づけ(センス・メーキング)し、「意味の網の目」を読み解こうとする。そんなアンソロ・ビジョン(人類学的思考)で世界とビジネスを事例を通して読みとこうとするのが本書。トランプの選挙戦とプロレス経営との同意性、保育園の経営の事例、日本のキットカットの事例など興味深いものが数多くあった。私が本書で知りたかったのは人類学のフレームワークをどう活かすかだった。自分も仕事で違和感を持つことが多いので。
国語コーチング@ちろちゃん
2024/03/20 18:20

女性との奇妙な感覚もアンソロ・ビジョンで面白がったらストレスも減るのかもしれない。また、幼児教育・保育教室の事例からは、現在、アメリカで幼児教室に通う層は一般的な層であり、子どもに知識を蓄えさせるより、人間形成に重きを置いていることを発見し、HPでも専門知識よりも「私たちの想い」として教室をアピールした方が問い合わせが増えた、とのことが興味深かった。

が「ナイス!」と言っています。
国語コーチング@ちろちゃん
当たり前ではあるが、明治時代は分断が進む現代社会よりもさらに格差社会であった。貧民窟のルポ『日本の下層社会』『再暗黒の東京』などで描かれたもの欲したのは同時代を生きる他者への好機心である。全く違う生き物であるかのように。また、明治期はそれまでの遊郭が「貸座席業」となり、女性の自由意志での商売ということにすり替えられた。「家」のために売られた彼女たちの気持ちを考えると生きづらさという一言では済まない。日比谷焼き討ち事件も社会に不満を持つ若者の暴動であり、政治主義的なものではない、という。
が「ナイス!」と言っています。
国語コーチング@ちろちゃん
本書を読んでパンチをくらったのは著者が院生時代に「自分の研究に指導教官などいると思うな。もしいたら、そんな研究は値打ちのないものと思え」と言われたというくだり。答えの出る問いを立てることは大切だが、本当に知りたい、という問いに挑めばいいと納得できた。研究過程のノウハウも有難い情報。大学学部生からこのくらいの指導を受けられるとは羨ましい限り。このご指導あって修士論文が単著になるという学生も現れるのだろう。しかし、彼らへの警告は一度アウトプットしたものは直せない、ということ。研究は熟すのを待つのもありだと。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

国語コーチング@ちろちゃん
国語コーチング@ちろちゃん
66お気に入られ3月の読書メーターまとめ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/07/18(3937日経過)
記録初日
2013/08/09(3915日経過)
読んだ本
732冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
165845ページ(1日平均42ページ)
感想・レビュー
655件(投稿率89.5%)
本棚
1棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://ameblo.jp/chirorin41/
自己紹介

自分の備忘録も兼ねて感想を記しています。
教育関係の仕事をしております。

50代となり、人生の後半に突入した感が強くなってきました。
読書は幼い頃からの趣味で、これからも残りの人生を豊かにするため、様々なジャンルの本を読んでいこうと思います。
また、美しいモノへの憧れが益々増してきたような気がします。美術関係の書籍もよく見ています。

【興味のある分野】
歴史、織物、手仕事、古美術、アート、アジア、料理、少数民族、教育全般、投資、ビジネス、起業、コーチング、自己啓発、ピアノ、クラシック音楽、民族音楽

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