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2024年5月の読書メーターまとめ

小倉あずき
読んだ本
14
読んだページ
4263ページ
感想・レビュー
13
ナイス
49ナイス

2024年5月に読んだ本
14

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

小倉あずき
前日に読んだ吉本隆明と辺見庸の対談で辺見さんは「第一次・第二次産業の従事者が減り、第三次産業に従事する人間が増えている日本はこれから身体の使い方を知らない人間が増えてきて思想が陳腐になるのではないか」という危惧を述べていた。本書に出てくる2人は文字通り身体をフル活用して縄文時代を再現し、動画には載らない自分たちの心の動き=思想を述べるためにこの本を上梓した。彼らの文章は澱みなく、とても深い所から発せられている。紛れもなく「身体から出た本当の言葉」だ。この活動を辺見さんが観たらちょっと安心するかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
13

小倉あずき
ジョージ・オーウェルといえばディストピア小説の作家として有名だから、さぞ厳しい言説のオンパレードかと思いきやユーモアとウィットに溢れ庶民的なボヤきを綴る、とても魅力的なエッセイだった。我々日本人が「これぞイギリス!」と思いそうな口調で皮肉たっぷりの、だがその奥には愛情と羞らいが詰まっている、そんな文章。こんなにまともな人間をして『一九八四』のような恐ろしい作品を書かせた全体主義の波が今また押し寄せてきている。「『動物農場』ウクライナ版への序文」も収録されているので是非ご一読ください
が「ナイス!」と言っています。
小倉あずき
山極寿一と小川洋子の対談集。 言葉を手放してゴリラと接する研究者と言葉を紡いで世界を描く小説家がお互いの立場から言葉がなぜ生まれたのかという人間の根源に根ざす謎について語り合う。 歩きながら考えるという効能を人はもっと重視すべきなようだ
が「ナイス!」と言っています。
小倉あずき
山極寿一と小川洋子の対談集。 言葉を手放してゴリラと接する研究者と言葉を紡いで世界を描く小説家がお互いの立場から言葉がなぜ生まれたのかという人間の根源に根ざす謎について語り合う。 歩きながら考えるという効能を人はもっと重視すべきなようだ
小倉あずき
前日に読んだ吉本隆明と辺見庸の対談で辺見さんは「第一次・第二次産業の従事者が減り、第三次産業に従事する人間が増えている日本はこれから身体の使い方を知らない人間が増えてきて思想が陳腐になるのではないか」という危惧を述べていた。本書に出てくる2人は文字通り身体をフル活用して縄文時代を再現し、動画には載らない自分たちの心の動き=思想を述べるためにこの本を上梓した。彼らの文章は澱みなく、とても深い所から発せられている。紛れもなく「身体から出た本当の言葉」だ。この活動を辺見さんが観たらちょっと安心するかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
小倉あずき
対談が行われたのが1997年で、この年は阪神大震災があり地下鉄サリン事件もあり2012年に吉本隆明が亡くなる遠因となった(と実娘のよしもとばななが書いている)伊豆の土肥での海難事故があった。既に2人とも故人だが、今ご存命ならどんな対談になるだろう。吉本隆明には含羞を、辺見庸には焦燥感を感じる。吉本がちょいちょい挿入してくる「戦時中のリアル」はもっと共有すべき歴史証言だと思う。タイトルは各対談のテーマを取り上げているが、ひとつだけ採用されなかった「身体と言葉」が一番大切なことを語っている気がした
小倉あずき
2024/05/28 20:27

吉本隆明が海難事故の際を語るとき「娘の友人に超能力の人がいて〜」と普通に話していて、あ、この親にしてこの子ありなんだなと感じた。

小倉あずき
人気作家であることは存じ上げているが彼女の作品は最近になって『どんぐり姉妹』という本を読んだぐらいであまりよく知らない。彼女にとってこの年は両親と年若い友人を見送る一年で自分の気持ちがバラバラになりそうなのを必死に繋ぎ止めている感じが伝わってきた。私も親に死に際にこんな風に悶えるのかなぁ。フツーにサイキックの話が出てくるのにびっくりしたがファンからすればこれが普通なのかしら。
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小倉あずき
『白鯨』を読んでいて「えらい旧約の話ばかり出てくるな。旧約についてザックリわかる本ないかしら」と図書館に行って探し当てた本。旧約聖書の「神」は人間に裁きを下す恐ろしい神ではあるが、その一方で「人間と対話する」神なのだという!これが一番の発見だった。
が「ナイス!」と言っています。
小倉あずき
曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』と英米文学を結びつけ比較するという荒技をやってのけた文学論。『白鯨』も取り上げているので読んでみた。ホモソーシャルな世界という部分は一緒だが、八犬伝に出てくる女性性は見当たらない気がするぞ。
小倉あずき
映画のレビューを読んで気になった作品。 作者は既に亡くなっているためあとがきは映画主演した鈴木亮介さんが代筆している。鈴木さんの作者に対する敬意が滲み出るいい文章だった。「自分のセクシャリティを理由に自死を選んでしまう少年少女などいない世界を作らなければならない」という決意表明に同意します。
小倉あずき
2024/05/20 20:59

そしてもうひとつ気になるのは作者が亡くなったのはお父さんより前なのか後なのか。妻にも息子に先立たれたのだとしたらあまりにも辛い逆縁だなぁと思って。

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小倉あずき
なんか定期的にこの組合の方達の著作を摂取したくなるのは自分にない感覚、見えない景色を覗き見するためで、お行儀よくないとは思うが、知っておいた方が良い考え方だとも思う。こじらせ具合が勉強になるのかな。マツコさんが世に受け入れられた考察が鋭い。さすがツーカー。
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小倉あずき
小川さんの描く風景のいくつかは私も見知った場所だった。もしかしてあそこかな?などと思いつつページを捲る。「世界中に物語は散らばっていて、自分はそれに耳を傾けて原稿用紙に書き写しているだけ」なんておっしゃるが、まだ物語になっていない小さな声を聴き取ることができるのは小川さんがどんな命にも誠実に向き合っている証拠だと思う。大好きな作家である須賀敦子さんや梨木香歩さんへの言及が嬉しかった
が「ナイス!」と言っています。
小倉あずき
『ばけもの好む中将』にスピンオフ。作者あとがきによると小学館の日本古典文学全集が読みやすいらしい。
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小倉あずき
これがホントに同じ本を訳出したのかと思われるほど岩波版より読みやすい。 そして同じ底本から採って来ているであろう挿絵が若干異なり、岩波では見かけなかったものもあった。 通読するには講談社文芸文庫、物語の周辺まで知りたいなら解説が豊富な岩波なのかな。角川と新潮までは手が出ない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/07(3965日経過)
記録初日
2013/08/06(3966日経過)
読んだ本
1114冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
315379ページ(1日平均79ページ)
感想・レビュー
871件(投稿率78.2%)
本棚
6棚
性別
自己紹介

頭が疲れるとみうらじゅん・いとうせいこうの『見仏記』などを読んで気分転換しています。

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