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2024年4月の読書メーターまとめ

geshi
読んだ本
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感想・レビュー
9
ナイス
341ナイス

2024年4月に読んだ本
9

2024年4月のお気に入られ登録
1

  • よいおいこらしょ

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

geshi
一癖も二癖もある捜査一課の3人の班長達を軸に描かれる一昔前の男の職場の警察小説。ギスギスした足の引っ張り合いが緊迫感を生むこんな職場は嫌だが、結果が出るのは人間性を捨てているからかもと思わされる部分もある。『密室の抜け穴』密室の意味がラストで反転し犯人に迫る切れ味が鮮やか。『第三の時効』離れ技的に使われる第三の時効の締め付ける先がそっちか!と膝を打つ。『モノクロームの反転』黒白反転はネタとして凡庸だがクロを示す色が幾重にもかかっている。最後の最後で朽木の人間としての顔が見えて少しホッとした気分。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
9

geshi
ひらがなが多く小学生が書いた作文のような文体なのにスラスラと入ってきて独特の読み心地を生んでいる高い文章力。機械と融合手術を受けた”わたし”の語りで紡がれる家族壮絶さと普通さが入交、余計な感情が入っていないから、主人公の思いは那辺にあるのかと思いを馳せる。中盤でトムラさんという外側の目を通すことで本当に自己を見つめ、とりかえしようのない罪も含めて自分自身だと受け入れる「夜明け前」の物語。他者への愛が誤解であっても、コミュニケーションが完全でなくても、何かは伝わるのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
70周年記念装丁があまりに美しくて手に取った。長編デビュー作にして登場人物に寄り添う心情描写と読者に刺さるセンテンスの文章力が凄い。高校球児の焼死と製薬企業の暗躍が絡むサスペンス展開で引き込み、ラストは予想を裏切る真相へと辿り着くストーリーが巧み。壊れてしまった家族のやるせなさと、再び立ち上がろうとする進也のまっすぐさに心打たれる。悪役がそこまでやるか?と思わなくもないが、個人を切り捨てる者への反逆、隠そうとした側と真実に向き合った側との対比がしっかりしているから、事件が重くても読後感は軽快。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
AI探偵シリーズだからこそできるVRゲーム+殺人という特殊設定ミステリの大ネタ。館を浮遊させている犯人当てが交換の魔法によって相手を出し抜く頭脳ゲームになっていて面白く乗れる。全ての要素が手掛かりや伏線に結びついていて解決編の一本背負い勝負という感じがあるが、ここまでミステリに徹してくれるならヨシ!フーダニットは手掛かりをしっかりふまえた「そうくるか」というものだし、VR世界の謎は設定を使ったまさに急転直下だし、大仕掛け読者の思い込みを利用するTHEどんでん返しの爽快感を味わえる。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
下巻に入ってようやく裁判が始まったものの、具体的な証拠はなく他人に容疑をなすりつけて終幕する何とも消化不良なやりとり。その中でも裁判にナイチンゲールが出てへスターの助けになってくれる展開は作中人物と同様に心熱くなるものがあった。真相が知っている人物からもたらされるもので、明らかになる殺人の動機もさすがに無理がありすぎ、謎解きも何もなく結末は犯人が勝手に自滅しているように見えてしまう。ピンチでのキスとかベタベタなロマス小説かよ。ことごとく自分に向いていない小説だった。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
シリーズの途中の作品で、初めましてのキャラクター達が関係性を築いた状態で出てくるのに戸惑ったのと、裁判とタイトルしておきながら上巻では裁判が行われないことにがっかり。ミステリとして謎解きをしようという方向ではなく主人公へスターと名探偵モンクと弁護士ラスボーンのロマンス中心のサスペンスで、期待が全く持てなかった。背景や風俗などの細かな描写から19世紀の時代らしい雰囲気が出ていて、読めるものには仕上がっている。家族に潜入し秘密を暴いていく展開で何かありそうなのにそこも空振りって、気を持たせすぎ。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
謎を解くこと以上に、それによる関係の変化やミステリ的構造の危うさを描くことを主眼にしていて、この痛さや青さは青春ミステリと言える。『街頭インタビュー』解決の後で言葉を切り取る残酷さへより踏み込む。『カエル殺し』正統派な消去法フーダニットと前振りの響くホワイダニット。『追想の家』一度解けた謎から新たな謎が生まれ主人公自身へと翻るまで巧い構成。『速水士郎を追いかけて』名探偵を理解するための推理ってのが熱い。『ルナティック・レトリーバー』最初納得してしまうミステリオタクへの警句が見事に「回収しない」に繋がる。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
オノマトペという誰でも分かりやすい題材をとっかかりとして言語の習得・進化・本質まで導いてくれる知的好奇心の冒険が難しくも楽しい。オノマトペのアイコン性と音象徴は読みながら体感しやすい「接地」であり、そこから象徴化・アブダクション推論と話が専門化していく過程そのものが本書の提示する言語習得体験と一致する見事な構成。過度な一般化と予測によるトライ&エラーの繰り返しこそが人間が言語を生み出したという仮説にはしっくりくる。普段は疑問に思わないものに問いを生み出し、言語について考えてみたくなる良書だった。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
盗作犯探しを発端として、贋作疑惑の広がり、サロメの見立て連続殺人と転がり続けるプロットが先を読ませない楽しさがあるが、ミステリとしての焦点を絞りにくいのが難ではある。途中で視点となる人物が変わり呼び名もその人から見た関係になる場面が入っていたのが読みにくかったし必要性薄く思える。大正時代を舞台にした探偵小説らしさに逆ねじをくらわすようなホワイダニットはなかなかに衝撃的。見た目の猟奇性を裏切る純粋なロジックをつめた結果の狂気が、ラストのタイトル回収とあいまってゾッとさせるものがある。
が「ナイス!」と言っています。
geshi
一癖も二癖もある捜査一課の3人の班長達を軸に描かれる一昔前の男の職場の警察小説。ギスギスした足の引っ張り合いが緊迫感を生むこんな職場は嫌だが、結果が出るのは人間性を捨てているからかもと思わされる部分もある。『密室の抜け穴』密室の意味がラストで反転し犯人に迫る切れ味が鮮やか。『第三の時効』離れ技的に使われる第三の時効の締め付ける先がそっちか!と膝を打つ。『モノクロームの反転』黒白反転はネタとして凡庸だがクロを示す色が幾重にもかかっている。最後の最後で朽木の人間としての顔が見えて少しホッとした気分。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/09/13(3885日経過)
記録初日
2013/09/06(3892日経過)
読んだ本
1586冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
608092ページ(1日平均156ページ)
感想・レビュー
1586件(投稿率100.0%)
本棚
12棚
性別
血液型
B型
現住所
茨城県
自己紹介

アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』に衝撃を受けて以来ミステリーが好きで、ミステリーを中心に色々と読んでます。
特に好きな作家は大阪圭吉、京極夏彦、倉知淳、殊能将之、高田大介、西沢保彦、早坂吝、古野まほろ、円居挽、米澤穂信。海外ではアガサ・クリスティー、D・M・ディヴァイン、クリスチアナ・ブランド、エドマント・クリスピン、コニー・ウィリス、ヒラリー・ウォー。小説以外ではサイモン・シンのサイエンスものが好きです。

本を読み終わる→読書録ノートを書く→読書メーターに書くという流れでやっています。よろしくお願いします。

好きなアニメ:カウボーイ・ビバップ、蟲師、四畳半神話大系、ガールズ&パンツァー、ふらいぐうぃっち、宇宙よりも遠い場所、オッドタクシー
好きな歌手:山崎まさよし、YUKI

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