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2024年4月の読書メーターまとめ

本の蟲
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2024年4月に読んだ本
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2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

本の蟲
学園・青春ミステリ中心だったが、短編集に直木賞受賞作の戦国ミステリと作風が広がっている米澤穂信。何気に警察ミステリは初。主人公の葛警部はもとより、各登場人物、事件ともに地味で記憶に残りにくい。エクセントリックなイロモノ刑事は好みではないが、リアルを追求しすぎるとキャラ立ちが弱く感じるのでバランスが難しい。とはいえ、あらゆる可能性を考え、推理を取捨選択していく様子が丁寧に描かれ、葛警部の思考の道筋を追えるところは詰将棋のようで悪くない。もうすぐ新刊が出る作者別作品「小市民シリーズ」の小鳩を思い出した
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
17

本の蟲
先日読んだ『ドッグファイト』(第二回日本SF新人賞受賞2作品のうち犬の方)に引き続き、本作猫の方。サイバネ手術を施した動物の五感を、電脳からジャックして操れるシステムを、偶然手に入れた主人公ペロー。猫に憑依して手にした情報で強請りを働くも、地元ギャングに尻尾をつかまれ、無理やり構成員にさせられる。さらば自由なる人猫の日々よ…という近未来フランスを舞台にしたサイバーパンク・ノワール。自由、権利を主張→結局暴力と恫喝に屈するを繰り返す。タフになりきれないペローが実に人間臭い。次は第三回受賞作の牛SF読むか
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本の蟲
幅広いジャンルを書き、長年追っている恩田陸新作は「チョコレートコスモス」「蜜蜂と遠雷」同様、芸術における「天才もの」。題材はバレエ。一人の天才の生い立ちや成長、キャリアと人間性を、彼に関わる複数の視点から描いている。物語と音楽、動作が絡み合った複合芸術であるバレエを、文章で表現するのは相当に難易度が高い。バレエ漫画を何作か読んだ程度の素人にも、舞台をイメージさせる筆力はさすがだが、オリジナル脚本の舞台描写が続くと説明的・冗長に感じる部分もあり。やや辛口になったが世間的に評価が高い「蜜蜂と遠雷」より好み。
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本の蟲
待ちに待った小市民シリーズ完結巻。シリーズもので間があくと、作家読者どちらかのノリが違って楽しめなくなることもあるのが心配だったが、全くの杞憂だった。ひき逃げに遭った小鳩くんが回想する中学生時代の事件。「小市民」を志すきっかけになった苦い思い出。同時に、誰もが読みたいと願っていた小佐内さんとの出会いのエピソード。過去と現在の事件が集束し、予想外の結末を迎え、最後は二人が語る未来予想図。いやー素晴らしかった
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本の蟲
ガリレオは2作目から「シリーズ」の認識があったが、昔から東野作品に出演しているのに、立場や関わり方が様々で「いつのまにかシリーズになっていた」印象の加賀恭一郎3作目。親友に恋人を奪われた女性の自殺、という一見ベタな事件。しかし第一発見者であり、警察官の兄は殺人と見抜き、あえて現場を偽装。容疑者は2人。復讐のため動く兄。偽装に勘付く加賀恭一郎と探偵役も2人という凝った構成。題名通りの内容だが、どちらかは最後まで明かされないハードモード「犯人当て小説」。ノベルス版では編集部に電話が殺到したとか(そりゃそうだ)
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本の蟲
「ガリレオ」シリーズ10作目。房総沖で発見された男性の銃殺死体。容疑者である恋人の女性は失踪しており、手引きした者がいるらしいが…。初期の科学トリック解明や、中期の意外な真相といったミステリ要素は薄目。湯川教授の家庭環境に関連する人間ドラマがメイン。湯川が両親と血縁関係にないことは過去作で明かされていたはずだが…何作目かは忘れた。すらすら読めて一定の面白さはあるが、正直シリーズの中では埋もれてしまいそう
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本の蟲
超長期睡眠技術が確立され、百年ごとに目覚めて人類の行く末を観測する仕事についた主人公モリタ。AIやポストヒューマンの進化で、わりと早い時期に寿命問題も解決し、観測員の意義もなくなったかに見えたが…。二転三転する予想外の展開。一月の定点観測を終えて眠りにつくモリタと、ページをめくる読者とが「次の百年後はどんなだろう?」という気持ちでシンクロする。元はWEB小説で、作者は奇抜な設定で有名なSF漫画家らしい。同時収録の短編は、絶滅寸前の人類を描いた切ないお話でこちらも好みだった
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本の蟲
「転生もの」は魔物はもちろん、剣やら自販機やら最近はなんでもあり。現代日本人騎手が20世紀初頭、競走馬の「蹄鉄」に転生するイカれた設定(褒めてます)。相棒となるアラブ系の少年とともに米国へ渡り、自身の愛馬に連なるサラブレッドの血統を見守る話。同時に馬にしか心許せなかった少年が、仲間とともに牧場を盛り立て、最高の馬を生み出すべく一人前のホースマンになる良作成長譚。ただし競走馬、血統、騎手は全て架空のものなのが残念。肖像権の問題かもしれないし、モデルはいるかもしれないが、史実と絡めば面白さも倍増しただろうに…
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本の蟲
外国人労働者が益々増え、彼らがいなければ社会がまわらなくなっている昨今。リトル○○、○○タウン、○○人街。日本の中の外国人集住地、アジアンコミュニティを訪ね歩いたルポ。なぜそこへ集まるようになったのか。出稼ぎ、留学、難民等、来日の目的と日々の生活。目に見えるようになってきた「日本の中の異国」に日本人は戸惑い、まだまだ摩擦や問題点も多い。しかし日本人だって海外では同国人コミュニティを頼りにしている。アジア大好き筆者の意見はやや楽観的なきらいはあるが、「隣が外国人」が当たり前になる準備のための一冊
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本の蟲
人間は訓練された犬には絶対敵わない! 「SFが読みたい!2024」国内ベスト10入りの『アナベル・アノマリー』で知った作者デビュー作にして、第二回日本SF新人賞受賞作。植民惑星ピジョンに突如侵攻した地球統合政府軍。その中核は人の敵意を標的に攻撃する、テレパスが操る軍用ロボット。対抗できるのは、植民初期より犬の群れと生活を共にし、犬と精神を通わす「犬飼い」たちだけだった。犬飼いを中心にしたパルチザンの反抗作戦の成果や如何に! 太古からの友人。犬たちの活躍に心躍る、燃える犬SF。ひしゃまるひしゃまるひしゃまる
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本の蟲
お気に入り蔵書でもある『時の娘(ロマンティック時間SF傑作選)』と対をなす、もう一つの傑作選。こちらも埋もれている傑作に陽を当てる企画で、初訳、雑誌掲載のみ等、今では気軽に読めないものばかり。千差万別の時間SFの中で、別の切り口ということだが『真鍮の都』『緑のベルベットの外套を買った日』はとってもロマンチックで良き。元々時間SF自体、理屈っぽさと一線を画すが、表題作は副題に違わずファンタスティック。収録作最後の『努力』はスケール、登場人物の使命感、取った手法といい結末といい、圧巻。
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本の蟲
順不同で適当に読んでいるクリスティ作品だが、さすがに本作が「ポアロ最後の事件」ということは知っていた。とはいえ、前情報はそれぐらい。初登場時同様、スタイルズ荘が舞台であることに驚く。今までどんな陰惨な事件でも、空気を読まず嗅ぎまわるポアロがある種の清涼剤となり、シリーズは愉快な気分で読んでいた。しかし彼が老いで病床にいる本作は、冒頭から最後まで重苦しい雰囲気。衝撃の結末も、ある種反則と言えるが、最後にしかできない、最後だからこその幕引きという寂しい納得感。未読作品はあるので、また若かりしポアロに会いに行く
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本の蟲
「冬」に備えて再読中。同作者の学園ミステリ「古典部」と比較すると、作中の時の流れが早い。1年時の「春」。二年目の「夏」。秋はその続きから、あっという間に3年生に。「夏」の衝撃的な結末を経て変化した小鳩くんと小佐内さん、それぞれの日常がさくさく進んでいく。熱血新聞部員の瓜野くんが、いいように小佐内さんの手のひらで転がされているが、実に普通の学生っぽい。「小市民」にはなりきれない両主人公の特殊性が際立つ
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本の蟲
ある出来事から無気力に生きていた青年が、水墨画の巨匠に見いだされ、水墨画の修練と指導、様々な人との出会いで再生する話。図書館で初心者向け教本をパラ見したり、美術館の展示等で格好いいと思う程度のド素人だが、元々水墨画には興味あり。筋書きは予想通りだったが、わざとらしい盛りあがりや無理やりな演出のない丁寧な物語だと感じた。水墨画の技法や世界のことをより深く知ることができ、文章だけで画を想像できる良本だったが、せっかくなので映画の方も見てみようと思う
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本の蟲
お久しぶりの〈刑事オリヴァー&ピア〉シリーズ9作目。かつて里親として多くの捨て子や孤児を引き取り、育てていた屋敷で、主人だった老人の遺体が発見される。事故死で決着がつくかと思われた矢先、敷地内から複数の人骨が見つかり…。前作ではダメ男まっしぐらで、しばらく休職するといっていたオリヴァーも、しれっと復職。刑事に私生活でのごたごたが多い印象のシリーズだが、両主人公ともに歳のおかげで落ち着いてきたか。子供を手放す親。児童虐待。里親制度の暗部。幼少期のトラウマ等ハードな題材だが、警察がちゃんと仕事していると面白い
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本の蟲
「冬」に備えて再読中。お互いの悪癖を克服するため、互恵関係を結んでいる小鳩くんと小佐内さん。依存でも恋愛でもないはずだが…。甘酸っぱさを予感させる序盤中盤から、怒涛の終盤とほろ苦い結末へ。アニメ化はここまでの予定なんだよね確か。まだ始まってもないのに二期を希望してしまう。
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本の蟲
短編集から4年ぶり。「秋」からは15年ぶりになる今月発売「冬季限定」に備えて再読。片山若子の装画は素晴らしいが、せっかくアニメPVも発表されたことだし、アニメでの姿と声を意識して頭の中で動かしてみる。一つ一つはとるに足らないといっていい日常の謎だが、探偵脳から抜け出せない小鳩。そして終盤で明かされる小佐内さんの本性。恋愛でも依存でもない、二人の互恵関係が素敵すぎる。可愛らしく、同時にとっても恐ろしい小佐内さんが再び見れる「冬」、動き回り台詞を発するアニメ(携帯とか時代性どうするんだろ?)。両方楽しみ
が「ナイス!」と言っています。
本の蟲
学園・青春ミステリ中心だったが、短編集に直木賞受賞作の戦国ミステリと作風が広がっている米澤穂信。何気に警察ミステリは初。主人公の葛警部はもとより、各登場人物、事件ともに地味で記憶に残りにくい。エクセントリックなイロモノ刑事は好みではないが、リアルを追求しすぎるとキャラ立ちが弱く感じるのでバランスが難しい。とはいえ、あらゆる可能性を考え、推理を取捨選択していく様子が丁寧に描かれ、葛警部の思考の道筋を追えるところは詰将棋のようで悪くない。もうすぐ新刊が出る作者別作品「小市民シリーズ」の小鳩を思い出した
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/10/09(3869日経過)
記録初日
2013/10/09(3869日経過)
読んだ本
2465冊(1日平均0.64冊)
読んだページ
917256ページ(1日平均237ページ)
感想・レビュー
1314件(投稿率53.3%)
本棚
2棚
性別
年齢
40歳
現住所
静岡県
自己紹介

登録は少し前ですがほぼ休眠状態で、本格稼働は2019/3から
私生活は読書に全振りしてます。
特に好きなのはSFですが、基本なんでも読みます。娯楽・ミステリー・恋愛・流行りの映画ドラマの原作・ノベライズ・海外小説・(きりがないので一部例外以外登録しませんが)漫画やラノベも。

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