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2024年4月の読書メーターまとめ

algon
読んだ本
3
読んだページ
1566ページ
感想・レビュー
3
ナイス
57ナイス

2024年4月に読んだ本
3

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

algon
単行本を広域サービスで予約したら300km旅をして全集本が来た。半分は「おえん遊行」、これで著者長編を完読となった。「苦界浄土」未完の頃、「あやとりの記」の後の著作で不思議作家みっちんが描く世界としてはその個性が強く出た作品と思った。島に嵐が押し寄せ全ての船を失った。潮をかぶった島の飢饉に疫病、旱魃、イナゴが襲い、主だった年寄りが次々に死んでゆく。そんな中、狂った女乞食のおえんと海から救われた啞の阿茶様は島社会の隙間でひっそりと暮らしていた…。著者の観ずる自然の様相をフィールドに魂の深い所で響きあう物語。
algon
2024/04/22 16:17

残り半分は1976-1978年のエッセイ28篇が収められている。日記があったり最高裁長官への請願書があったりするが水俣~チッソ関連の記述も相当の部分を占める。しかしやはり日記とか一般的な内容のエッセイが興味深く読めた。まぁ一般的といっても著者の場合は普通ではないのだが。渡辺京二が「とてつもない人」と評したが石牟礼の発語一つ一つが本人卑下するものの良く推敲されていて充足されながら読めた。不知火の世界故に世界に訳されるのは至難だろうけれど自分的にはハルキでも多和田でもなく石牟礼道子こそノーベル賞作家と思う。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
3

algon
単行本を広域サービスで予約したら300km旅をして全集本が来た。半分は「おえん遊行」、これで著者長編を完読となった。「苦界浄土」未完の頃、「あやとりの記」の後の著作で不思議作家みっちんが描く世界としてはその個性が強く出た作品と思った。島に嵐が押し寄せ全ての船を失った。潮をかぶった島の飢饉に疫病、旱魃、イナゴが襲い、主だった年寄りが次々に死んでゆく。そんな中、狂った女乞食のおえんと海から救われた啞の阿茶様は島社会の隙間でひっそりと暮らしていた…。著者の観ずる自然の様相をフィールドに魂の深い所で響きあう物語。
algon
2024/04/22 16:17

残り半分は1976-1978年のエッセイ28篇が収められている。日記があったり最高裁長官への請願書があったりするが水俣~チッソ関連の記述も相当の部分を占める。しかしやはり日記とか一般的な内容のエッセイが興味深く読めた。まぁ一般的といっても著者の場合は普通ではないのだが。渡辺京二が「とてつもない人」と評したが石牟礼の発語一つ一つが本人卑下するものの良く推敲されていて充足されながら読めた。不知火の世界故に世界に訳されるのは至難だろうけれど自分的にはハルキでも多和田でもなく石牟礼道子こそノーベル賞作家と思う。

が「ナイス!」と言っています。
algon
著者はアラビア語圏初のノーベル賞作家。1947年出版の本作は代表作の一つで恋愛物だが人物の造型もシンプルでテンポも良い。エジプト、カイロの古びた袋小路のミダック横町、そこに住む美女ハミーダを巡る物語。横町の多彩な住民が織りなす暮らし向きが面白い。貧富の差の中での狡猾なやり取り、男色に目覚めた喫茶店の主のすったもんだ、めっぽう気の強い女性陣、日常的に旦那に暴力をふるうパン屋のおかみとか。彼の国でこういう風潮もあるんだ~とかで大衆小説的に楽しめた。しかし癇性の強い人物ばかりでそういう国民性なの?とか思った。
が「ナイス!」と言っています。
algon
ロード小説かなと思って読み始めたがラストになってやっと出発するという…(笑)。18歳のエメットは更生施設を出て一人だけになった身寄りの弟ビリーを迎えに行く。リンカーンハイウェイを通り抜けてサンフランシスコに行くためだが施設を脱走してきたダチェスとウーリーに車を取られ逆に東に追いかけてゆく…。主人公エメットの影が薄くなるような魅力的な脇役達で長編を埋めていく。ビリー、サリー、ユリシーズ、ダチェス、ウーリー、アバーナシー…。これほどキャラが立った脇役陣が引っ張る話は相当珍しい。670pの長編だが面白く読めた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/11/07(3829日経過)
記録初日
2013/11/07(3829日経過)
読んだ本
1318冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
396114ページ(1日平均103ページ)
感想・レビュー
863件(投稿率65.5%)
本棚
9棚
性別
現住所
北海道
自己紹介

田舎住まい・じーさん。
ほぼ日文オンリーだったけど2019年を境に
150度ほど転回。
海外文学が面白くて日本文学に戻れない。
レビューは255文字。…なんだけど
どうしても書きたい本に出合うと
追加コメントはたまぁにあります。
図書館まで100m。なので図書館派。

好きな作家・作品たち。

作家:南木佳士、梨木香歩、藤沢周平、竹西寛子
   石牟礼道子、アリステア・マクラウド、
   アンソニー・ドーア、ジェスミン・ウォード
マイケル・オンダーチェ、エリザベス・ストラウト
  ローベルト・ゼーターラー、など


映画:「第三の男」「七人の侍」「春にして君を想う」「アシク・ケリブ」「バグダッドカフェ」「トリコロール」「秋刀魚の味」「裸の島」「眺めのいい部屋」「ドクトルジバゴ」 / 8000

音楽:J・S・バッハ BWV34,106,198,244 他

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