「犯罪はシンクロするんだ」。この長丁場を高いテンションを維持したまま最後まで持っていける技量はマジさすが。暴走市民の俺たちの戦いはこれからだ！みたいなほったらかし感なんか本当リアル。しかし、北関東は魔界か？

日本がバブル景気に沸いていた当時、中国の政治家は「日本は自滅するからほっとけ」と言っていた。その10年後の世紀末、欧米の学者たちは「日本は少子高齢化社会をどう乗り越えるつもりなのか、固唾を飲んで注視している」と言っていた。当の日本は何もせず先送り先送り。にっちもさっちもいかなくなったら戦争やってすべてうっちゃりの御破算にすれば問題なしシナリオできてますｗ本書はそんな誰もが解ってるネタを並べただけの…正直、何のための本なのかわからん…。若い人はホント可哀想

「いつになったらあなた方は、他人の弱さ、他人の過ちを自分の立場を有利にするための口実に使うのをやめるのでしょうか」。ほんの十年間の作家人生で残された作品が、しかも36歳で暗殺されたほどユダヤ人にとって危険人物だった人の作品が、日本で読めるってすごい。世界中を見張ってユダヤ人の罪を暴いたら反ユダヤと敵視して暗殺の標的にするのだから、あいつらほんとおかしいよな。でもガザ侵攻で世界中があいつらおかしいわと気づいたのが本当良かった。大勢の犠牲者には悪いけど。

日米二人の学者に詐欺師と言われた地震学ムラの手口を暴く、ジャーナリストの真価発揮本。「南海トラフ地震対策に10年間で57兆円、地震調査研究に年間100億円」走り出したら利権が生じて止まれない○○の暴走典型の大震法は、税金のブラックホール。正直、橋本教授の「それなら報告書には『科学的な結論とは違うが防災面を重視して政府はこう考える』と書くべき」というのに尽きるように思う。後ろめたいから言えないのだろうけど、最低限の誠意だ。よくまぁこんな恥知らずどもがのさばってるもんだと呆れる。暴いた皆さんの労をねぎらいたい

自衛隊のジブチ派遣て「現地で銃撃戦になったらどうすんだ？戦いませんで済むのか？」という議論が当時でてたけど、国会審議がどうだったか覚えていない。他人事だったんだな…。そんなifの世界線をフィクションで辿った作品。高野さんのルポ『ソマリランド』は大変楽しかったけど、小説にするとこんな北斗の拳になるのか（あれはカンボジアらしいけど）。アメリカのろくでなしさが絡むと途端にリアリティが増す気がするのは気のせいではないはず。2011年派遣で2014年には発表してるんだから作家さんてすごいよな。ソマリアに平和を望む。

「犯罪はシンクロするんだ」。この長丁場を高いテンションを維持したまま最後まで持っていける技量はマジさすが。暴走市民の俺たちの戦いはこれからだ！みたいなほったらかし感なんか本当リアル。しかし、北関東は魔界か？

小説はどれも労力の点で、読み手より書き手の方がはるかに大変なものだけど、読み手の感動が大きいほど労力差にペイするのだろうと思う。労力差が（読み手＜＜＜書き手）だとしたら、感動の大きさを加味すると（読み手＞書き手）くらいになるかなと。とすると、この作品は書き手の労力に比して読み手（私）の感動は極小で、（読み手＜＜＜＜＜＜＜書き手）くらいになってペイしない。感想としてはめんどくせ。作者さんに対しては大変でしたね。としか。ちゃんと追記の両肩も読みましたよ

「強欲な者は高い牛肉ばかり食う」で笑った。牛に突き動かされてブル相場を駆け上がりベアに叩き落されて外資のハゲタカに食われる資本主義のブタどもの図。でも「ほぼ事実」で「小説でしか描けない危険領域」とあっては、笑えない怖い。人事異動で不正の損害を押し付けられて自殺するしかなかった人たち本当可哀想。「自分のようなゴツゴツとした指を持つ人間は、絶対に柔らかい手を持つ人間に逆らってはならない」表層しか見ることのできない丸腰の我々の恐怖心など、柔らかい手にはわからない。