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2024年4月の読書メーターまとめ

ぺ
読んだ本
6
読んだページ
1290ページ
感想・レビュー
6
ナイス
147ナイス

2024年4月に読んだ本
6

2024年4月のお気に入られ登録
1

  • せぶこ

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ぺ
舞台に乗るのは初めてかい。客が引けた舞台ってのはいいもんだ。この真ん中に座って客席を眺めているだけで、ついさっきまで沸いてた客の様子が目に浮かぶ。手前は筋書だから、芝居の最中はお前さんがさっき立ってた舞台袖で客席をじっと眺めている。すると役者が見得を切った瞬間に、ずらっと並んだ大入りの客が目を見開いて口をあんぐり開くだろう。それがまるで花が咲いたみてえなのさ。それを見たくて俺は芝居小屋なんていう悪所に居座っているんだろうねえ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
6

ぺ
あるものとないものは似ている。そこに「ある」ものは、常に数パーセントの「ない」を存在の内に含んでいる。同じようにどんな「ない」にも、常に数パーセントの「ある」が混ざり込んでいる。青子はいつもそんなことを考えながら両親や、仕事の相手や、茅乃や、出産に関する展望の不一致で別れた夫のことを眺めていた。夫は昨年再婚したと共通の知人から聞いた。「ある」と「ない」のバランスがかすかに揺らぎ、それでも彼は青子の内部で「ない」にはならなかった。善悪すらつけられないなにかしらの欠片があり続けた。
が「ナイス!」と言っています。
ぺ
過去のことも未来のことにも目を向けず、昨日今日明日くらいのことしか考えなければだいぶ楽になれるのにと思いつつ、気が付くと過去の楽しかったことや、それを失う未来のことで頭の中がいっぱいになって苦しくなっている。 今だけを見つめるという技は、宗教を極めた高僧のような人にしか出来ないことなのかもしれないと思う。あとすごい職人さんとかは無意識にできそう。
が「ナイス!」と言っています。
ぺ
ホテルのラウンジで、打ち合わせの相手が頼んだコーヒーと一緒に出てきた砂糖の瓶の中に一点の黒色を見つけ、それが蟻であるのか、蚊の死骸であるのか、ゴキブリの足であるのか、延々悩んでいたからして打ち合わせの内容はほとんど覚えていないが、ある程度充実した打ち合わせも出来た。帰り際、蓋を開けて瓶の中をのぞき込むと、幸い黒い点はゴマだったが。
が「ナイス!」と言っています。
ぺ
「だからさ、あの広間は絹子先生のもんで、ワルツを弾いたりうたったりしてたのはサティのおじさんで、そんなふうにして木曜日の夜を作ったのはあのふたりだから、だからふたりはいつだって、好きなときに、終わりにできるんだ。大人はいつだってそうなんだ。なんでも好きなように作って、好きなように終わらせるんだ」
が「ナイス!」と言っています。
ぺ
舞台に乗るのは初めてかい。客が引けた舞台ってのはいいもんだ。この真ん中に座って客席を眺めているだけで、ついさっきまで沸いてた客の様子が目に浮かぶ。手前は筋書だから、芝居の最中はお前さんがさっき立ってた舞台袖で客席をじっと眺めている。すると役者が見得を切った瞬間に、ずらっと並んだ大入りの客が目を見開いて口をあんぐり開くだろう。それがまるで花が咲いたみてえなのさ。それを見たくて俺は芝居小屋なんていう悪所に居座っているんだろうねえ。
が「ナイス!」と言っています。
ぺ
「竹雄」と私は呼んでみた。五年ぶりの「竹雄」である。 「なんだ、朝子」 そこで、私たちは顔を見つめあったりすればよかったのだろうか。しかし見つめあう気力が、もう私にはなかった。たぶん、竹雄にも。そのことに、私はようやく気がついたのだ。竹雄と別れてから五年もたった今、ようやく。 私たちは、ゆうべのちらし寿司を朝の光の中で眺めているような気分で、互いの名を呼びあった。よく味はしみているけれど、ご飯一粒一粒のつやはすでに失われている、ゆうべのちらし寿司。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/03(3772日経過)
記録初日
2014/01/03(3772日経過)
読んだ本
716冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
241490ページ(1日平均64ページ)
感想・レビュー
716件(投稿率100.0%)
本棚
15棚
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