初村田沙耶香作品。10人産んだら1人殺せるという表題作に始まり、現在の常識ではとても考えられないような設定の作品ばかりの短編集。人の価値観はあくまで流動的なもので、いつかこんな時代が来ても不思議じゃないと思えてしまうリアリティがある。もし自分の生きているうちにこんな変化が訪れたとき、自分はその変化に適応できるんだろうか、とか考えながら読んでしまった。

北山作品にはどうしても派手なトリックを期待しちゃうから想像の上を行く作品ではなかったかな。コテコテの設定とか派手な見立ては嫌いじゃなかった。

周りとはちょっとずれている高校生の広一が担任教師の二木が書いたエロ漫画を万引きしたことから物語は始まる。周りと違うことの生きづらさを抱えた主人公が少しずつ変わっていき、二木との関係性も意外な形に変わっていく。終盤の展開はかなり辛いながらも不思議と読後感は悪くない良作だった。

初村田沙耶香作品。10人産んだら1人殺せるという表題作に始まり、現在の常識ではとても考えられないような設定の作品ばかりの短編集。人の価値観はあくまで流動的なもので、いつかこんな時代が来ても不思議じゃないと思えてしまうリアリティがある。もし自分の生きているうちにこんな変化が訪れたとき、自分はその変化に適応できるんだろうか、とか考えながら読んでしまった。