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2024年3月の読書メーターまとめ

まあちん
読んだ本
15
読んだページ
3855ページ
感想・レビュー
14
ナイス
211ナイス

2024年3月に読んだ本
15

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まあちん
ネタバレ別れの季節。誰と誰が別れるのか、気に掛かりつつ読む。やすにも周りの人にも大きな変化があった。十草屋の主人は驚くべき決心をした。家族思いもあるが、先見の明もあるに違いない。これは吉と出るだろう。やすは人生二度目の大きな決断を迫られたが、決めた後に迷いが残らずに本当によかった。いつもながら、やすが献立を考える過程が好きだ。客人の状況や季節や天気に思いを巡らせながら、なるほどと唸るような献立を思いつく。奉公人から通いの雇われ人と立場も変わり、この先に何が待つのか。最後の1行、安政七年三月三日、雪の朝。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
14

まあちん
老後の指南書みたいな本はわりと読んでいるので、書いてありそうと思うようなことが書いてあった。新しく知ったのは、成年後見制度の利用にはすごくお金が掛かるということ。自分はまだそんなものは必要ないと、今までは読んでいても気に留めてこなかったのだろう。後見人と監督人の報酬を合わせると、月額で4~8万円必要らしい。月額で!頭がこの数字を受け入れるのを拒否していたのかもしれない。
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まあちん
石垣りんさんが50余名の方の詩を選び、それぞれに文章を添えた本。毎晩寝しなに少しずつ読んだので、ずしんと来たものもあれば朝には忘れていたものもある。添え書きのようなエッセイは、自分には解説のように詩を読み明かしてくれるもの、そんな風に感じたのかと思うもの、発想がそう飛ぶんだと新鮮だったもの、などなど。ときどきパラパラと読み返す本の棚へ置く。りんさんのエッセイ集「朝のあかり」と2冊並べて美しい表紙を見ていて、来年くらいに赤系の表紙を着たもう1冊が出るような気がしてきた。
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まあちん
単行本で出た当初に読んでいて、今回は再読なのだが、全く覚えていなかった。他人の目には駒子がこんな風に見えていたとは。そして最後の部分で、あの人のそれ以前が明かされていたとは。こんな大事なことを忘れていたのは実にショックだ。お蔭で嬉しい驚きを味わえたから、まあいいのか。これの前の2冊を読み返したのがわりに最近なので、あちこちがカチッと噛み合う楽しさがあった。文庫後書きは光原百合さんだったんですね。それと駒子シリーズ完結の長編を書くことは、この時点で既に加納さんの構想にあったのでした。読めてよかった。
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まあちん
濃い内容だった。22年1月から約1年半の、リサイタルやコンサートとそれに伴う旅の記録である。誰とどう話をしてどう音楽を作り上げていったか、回想も織り交ぜて綴っている。音楽といかに真摯に向き合っているかが伝わってくる。自分が彼を聴き始めたのは、TV番組で聴いたモーツァルトのソナタで衝撃を受けてからだ。この本を読むと、彼がどのようにその演奏を練り上げたか分かる。また世界的ピアニストの過酷な日常も分かる。旅に次ぐ旅、そして初めてのホールとピアノ、初めての共演者。本当にお疲れさまです。楽屋話もとても楽しかった。
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まあちん
食に関するショート・エッセイ。ほんとに食べることがお好きである。ご両親の影響なのだろう。井上家の家訓は、おいしいものを食べたときには、すかさず「おいしい」と言うべきである、なのだから。後ろに、いくつかの料理の絵とそのレシピが載っている。茄子料理が2品あって嬉しい。上質な紙に読みやすい大きな字、絵はカラーだし、高くなるのは分かるんだけど、170ページの文庫に1,100円+税というのは、ちょっと高すぎると思いませんか。
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まあちん
駒子シリーズ再読その2。ほぼ何も覚えてなかったので、挟まれる不穏な手紙が気になる。微妙な宙ぶらりんがいくつも持ち越されて、最後の章ですべてが繋がる。表現や道具立てにかなり古さが感じられるが、20年以上経っているのでしょうがない。当時は司書になるのに、英文タイプができる必要があったとは知らなかった。空や宇宙への言及が多く、加納さんはこの頃からずっとそちらに興味をお持ちだったのだと気づいた。夢は宇宙飛行士、だったのかもしれない。ウールの羊のぬいぐるみは、わたしも欲しい。これ、「ONE」に出てきていたような。
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まあちん
登録しようとして気づいたのだが、8年前に読んでいた。しかも感想を読むと、全く同じことをまたもや思っている。ハッとするような写真、あるいは一見何の変哲もなさそうな写真を見て、短い文章を読み、彼の旅先に思いを馳せる、そんな素敵な時間を過ごしたのにそれを忘れていたとは、なんてこったい。もう一度新鮮な目で写真と文章を愉しんだのだから、これでいいのだけれど。今回新たによかったと思ったのは「内から湧き出す」の写真、「うずく」の文章。そしてやっぱり「笑顔ひとつ」。沢木氏の旅はこんな思いの積み重ねなのだな。
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まあちん
「敬語で旅する四人の男」と対をなす、こちらもゆるく繋がる短編集。3話目の敏感過ぎる女性を除けば、みな女性ゆえの苦労を抱えて、それを乗り越えようとしている。セクハラ・パワハラてんこ盛り。やってる側が自分のハラスメントに全く気付いていないことに腹が立つ。そして、どれもだが特に4話目、長編で十分いけるのにと思う。面白くて考えさせられる。「敬語で~」の登場人物が数人いるが、全編でしっかり存在感を出しているのが斉木氏。相変わらずの空気読めないぶりだが、「敬語で~」を先に読んでいる方が、彼の存在を楽しめそうだ。
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まあちん
登場人物がゆるく繋がった短編集。どれも人といることによる、やすらぎ、気遣い、食い違いや我慢などの日常の心の動きを描いている。最初の話、価値観が違うと言うが、価値観以前の問題だろう。人と暮らし始める時に、相手の意志を確認せずに荷物を持ってやってくる、その時点でもう無理だと思う。4話目、結果オーライなのかもしれないが、強引に泊まりに来たり、交換日記を押し付ける人も苦手だ。自分に最も近いと思うのはモキチ君。相手が傷つかない範囲で自分の意見を言えないか、考えてしまう。人と暮らすことに積極的にはなれない。
まあちん
2024/03/10 16:25

誰にだっていろんな面があり、誰に対してどのお面を被るかということだと思う。お面の数は人により結構違うかもしれない。無意識に選んだお面が間違いだったり、どのお面を被っても合わない人もいるかもしれない。合っていると思っていたお面がだんだんズレていって、ある日ポロリと剥がれ落ちるかもしれない。

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まあちん
喪った人を想う詩が2編と、クリムトの風景画が21枚。詩も絵も、こちらの心の隙間に染み入ってくるようだ。この世からいちばん遠い場所が、ほんとうはこの世にいちばん近い場所。ホランドの「さよならのあとで」でも、死者が遺された人に、私はとなりの部屋にそっと移っただけ、と語り掛けているが、同じ感覚なのだと思う。クリムトの絵は、金箔を用いたものや人物よりこちらの方が好きだ。この本、手元におきたいな。でも若干高くて、ただいま思案中。これからは「さよならのあとで」を読んだ時にもクリムトの絵を思い浮かべそう。
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まあちん
サブタイトルから、認知症の父上の言葉を哲学者のようで理解しにくいと捉えた、介護記録かと思っていたが、むしろ哲学を広く紹介する方がメインか。内容的に付いていけなくて、つい介護以外の部分は斜め読みしてしまった。著者は、実に強かな父上の言われることを一生懸命理解しようとし、そして言い分が正しいという結論を導くべく、言葉の意味や哲学の力を借りていたのではないか。自分は義母に無駄な抵抗をせずに、話を合わせたりスルーしたりしていたな。著者は真正面から向き合っておられて、頭が下がる。それと奥様が素晴らしいです。
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まあちん
松田さんの本を読むと、その通りだ、よくぞ言ってくれた、と思うと同時に、自分は理不尽でも無意識に受け入れていたことも多い事実にも気づかされる。まあそれは、年齢というか育ってきた環境もあるし、と自分に言い訳しているが。この本は特に、結婚・妊娠・出産・育児に関わることをまとめたエッセイだ。少子化を食い止め改善したいと思う人、特に政治家の人は、すべからくこの本を読んで欲しい。そしてどうすれば子供を産みやすくまた育てやすくなるか、考えて欲しいと思う。現実にあるおかしな制度がたくさん載っています。
まあちん
2024/03/05 15:02

松田さんが、踏切を待ちながらお子さんが大騒ぎした時に感じたという3つの視線。無関心、好意、敵意。自分は実はどれとも違う、同情とか憐憫に類する視線になっているように思う。おかあさん大変だね、そんな目で見られて気の毒に、でも頑張って、と。上から目線というヤツである。子供が病院の待合室で騒ぎ「うるさくてすみません」と松田さんが言った時、「うるさくないね、かわいいね」と言った人のように、自然にそんな横並びの感情が先立つようになりたいと思う。

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まあちん
ほとんど知らない同士の男性4人が、成り行きで一緒に旅をする、各人の視点からの4つの旅物語。4人それぞれが、人にわざわざ言いたくもない対人関係を抱えつつ、旅をする。要となるのが、天才肌だがコミュ障(自閉スペクトラム症?)の斉木だ。思い込みや勘違いが多いのにマイペースで、そもそもそれでこのメンバーで旅をすることになったのだ。互いの距離感を縮め過ぎずに縮めつつ、各人の人生ドラマが展開する。斉木氏がちょっとしたスパイスになり緊張をもたらしたり、あるいは巧まずして緊張の中で息をつかせてくれる、その加減がよかった。
が「ナイス!」と言っています。
まあちん
ネタバレ別れの季節。誰と誰が別れるのか、気に掛かりつつ読む。やすにも周りの人にも大きな変化があった。十草屋の主人は驚くべき決心をした。家族思いもあるが、先見の明もあるに違いない。これは吉と出るだろう。やすは人生二度目の大きな決断を迫られたが、決めた後に迷いが残らずに本当によかった。いつもながら、やすが献立を考える過程が好きだ。客人の状況や季節や天気に思いを巡らせながら、なるほどと唸るような献立を思いつく。奉公人から通いの雇われ人と立場も変わり、この先に何が待つのか。最後の1行、安政七年三月三日、雪の朝。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/12/04(5261日経過)
記録初日
2009/12/04(5261日経過)
読んだ本
2101冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
619677ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
1481件(投稿率70.5%)
本棚
13棚
性別
現住所
東京都
自己紹介

昔は翻訳ミステリが多かったですが、最近はわりに何でも読む雑食系です。どちらかといえば小ぢんまりした話を好みます。

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