どの章も別れが訪れることを知っているからかちょっぴり切ない。ラストでじんわり。爽やかな素敵な作品だった。

わかりやすい構成。時代とともに変わる考え方、興味深い視点、ロジカルと対局にありそうな恋愛をロジカルに考えるのが面白い。

Instagramで密かにファンだった方の出版。素直じゃないし、ひねくれていて、ちょっとめんどくさい人だなと思う。愛がなくても〜というくせに、それを誰よりも求めていて、信じているのだと思う。バシバシにシンパシーを感じてるわたしがそうだから。ひとつひとつの言葉が刺さるのは、真っ直ぐな言葉で、意味や想いを煮詰めて煮詰めて紡いでいるから。p47『愛に正しさなんかない。』の表現に魅せられた。そんなこと色んな人が言っているけど、こんな表現は初めてだった。また眠れない夜に開いて、封じ込めた思い出たちにふれたい。

どの章も別れが訪れることを知っているからかちょっぴり切ない。ラストでじんわり。爽やかな素敵な作品だった。

なにも共感できる設定はないのだけど、なぜか懐かしい気持ちになる。風景とか会話とかが自分の生活の一部みたいに入ってくる。どの話も少し胸がヒリヒリして、ほんのり切ない感じ。山本史緒さん、もう新刊が読めないことがさみしいなと改めて思った。