今はすっかりおなじみになったガリレオこと湯川先生シリーズ第二作目。もう２０年以上前の作品なんですね。今作は５つの話から成る短編集。どの話も亡霊、怪奇現象、幽体離脱やポルターガイスト現象など最近ではあまり聞かなくなった「オカルト」的ミステリー。しかし、探偵ガリレオは見事に科学のロジックで全ての謎を解き明かす。さすが湯川先生……というか東野圭吾先生！

今はすっかりおなじみになったガリレオこと湯川先生シリーズ第二作目。もう２０年以上前の作品なんですね。今作は５つの話から成る短編集。どの話も亡霊、怪奇現象、幽体離脱やポルターガイスト現象など最近ではあまり聞かなくなった「オカルト」的ミステリー。しかし、探偵ガリレオは見事に科学のロジックで全ての謎を解き明かす。さすが湯川先生……というか東野圭吾先生！

今回は殺害された元教師の娘が、元マジシャンの叔父と2人で自らの手で犯人を見つけるという話。舞台はコロナ禍のある地方の「名もなき町」。キーワードは同窓会。警察は全く情報をくれないが、そこはマジシャンのテクニックを使い、また彼の巧みな会話術？でいろいろな情報を掴んでいくところが面白かった。最近このブラックショーマンの新作が出たから、シリーズ化するのかな？ プロローグの「サムライ·ゼン」のステージ（マジック）がオー！！という感じで、この話の導入にピッタリ。絶対何かのヒントだぞという思いで読み始めた。

名探偵はかつて小学校の校長でかなり聡明で人望厚かった「祖父」。しかし現在はレビー小体型認知症。それでもミステリー好きな孫の楓が身の回りで起こった事件や謎を祖父に相談すると、見事に謎を解き明かす。その謎解きが他のミステリーと異なり、物語を紡ぐという手法（？）。国内外のミステリー作品や文芸作品などがたくさん出てきて、この著者の本に対する知識の豊富さを感じた。