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2024年3月の読書メーターまとめ

茶幸才斎
読んだ本
9
読んだページ
2710ページ
感想・レビュー
9
ナイス
122ナイス

2024年3月に読んだ本
9

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

茶幸才斎
1942年、独軍に村を蹂躙され、母を射殺された少女セラフィマは、直後、ソ連軍の攻撃により救出される。だが、軍の女性兵士イリーナは、母の遺体を焼き、思い出の写真を投げ捨てて問う。「戦いたいか、それとも死にたいか」セラフィマは、イリーナが教官を務める中央女性狙撃兵訓練学校分校で、同じ境遇の女性たちと過酷な訓練に臨み、非情な狙撃兵に成長し戦場を駆ける。戦場で人を支配するのは狂気である。その矛先はしばしば女性に向かう。この世に人道的な戦争など存在しない。ならば戦争は常に正しくない。戦争する指導者は常に正しくない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
9

茶幸才斎
何かを見て聞いて読んで、心に刹那に沸き起こる感想や所見などを、忘れないうちに手持ちのスマホに思考メモとして残そうと提案し、その意義と効用について解説している本。書きためたメモは、頻繁に見返すことで目下の課題の参考になるものを見つけたり、たまったメモを俯瞰し構造化して新たな知見を得たりして、知的生産に活かせると筆者は云う。自分が書いた文章を後から何度も見返して楽しめるか、つまり「オレってこんなこと考えてたんだぁ。むふふ。」と悦に入ることができるかどうかが、有効に実践していけるかを決めるキーポイントだと思う。
が「ナイス!」と言っています。
茶幸才斎
1942年、独軍に村を蹂躙され、母を射殺された少女セラフィマは、直後、ソ連軍の攻撃により救出される。だが、軍の女性兵士イリーナは、母の遺体を焼き、思い出の写真を投げ捨てて問う。「戦いたいか、それとも死にたいか」セラフィマは、イリーナが教官を務める中央女性狙撃兵訓練学校分校で、同じ境遇の女性たちと過酷な訓練に臨み、非情な狙撃兵に成長し戦場を駆ける。戦場で人を支配するのは狂気である。その矛先はしばしば女性に向かう。この世に人道的な戦争など存在しない。ならば戦争は常に正しくない。戦争する指導者は常に正しくない。
が「ナイス!」と言っています。
茶幸才斎
一目見て、えも言われぬ魅力の虜になったが最後、俄然欲しくなる。白昼堂々と、スイス・アーミー・ナイフ1本を使って、それを手に入れる。そして、母親と住む自宅の屋根裏部屋の自室にそれを飾る。満ち足りた気分になる。本書は、ステファヌ・ブライトヴィーザーが、恋人のアンヌ=カトリーヌとともに、欧州各地の美術館や博物館、教会などから、約8年間に250点以上の美術品窃盗を行った驚くべき記録とその後の顛末である。ある種数奇と云えば云える彼の生きざまを、どう表現すべきか。泥棒。遺憾なことにそれ以外の何者かにはなれなかった人。
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茶幸才斎
鬼がいるのだ。中村座の座元は語る。あの夜、台本読みに集まった歌舞伎役者は6人。灯りが落ち、役者らの輪の中に、馘が一つ落ちた。誰のだ。灯りを戻すと、6人はそこにいる。誰欠けることなく。鬼が、役者の一人を喰らい、そいつに成りすましたのだ。かつて名声を博し、だが両足を失い引退した元女形役者の白魚屋田村魚之助と、鳥売りの藤九郎が、探索を引き受け暴いたそれは、鬼の背中か、人の心底の闇か。人は存外、己の正気と外聞を保つために、知らず鬼を喰らい、肚の内におさめているのかもしれない。ばきり、ぼきり、ぢゅる、ぢゅるり、と。
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茶幸才斎
飢えと病と怪我に苦しむ目の前の人に手を差し伸べる。理由なく、否応なく、身体が勝手に動く。今ここが世界のすべて。そこに全身全霊をぶつける。兵舎病院の劣悪な環境を変える。軍部が物資を出し渋るなら、倉庫の扉をハンマーで叩き割る。政府の友人には医療現場を改善しろ、早くしろ、と怒涛の手紙攻勢をかける。そもそも彼女は白衣の天使ではない。纏っていたのは黒衣だ。かのナイチンゲールの生涯を、戦う看護ケアラーとして紹介した面白い本。今この状況で皆の知識と技術を結集してやれることをやる。チーム運営において見習うべき姿勢である。
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茶幸才斎
父が死んだ。電柱で頭を打って。かつて銃を手に山中を駆けたパルチザンであり、収監され出所した後も、社会主義者で唯物論者で合理主義者の革命家として誇り高く、それ故に娘である私にはその言動の一つひとつが冗談としか思えない、滑稽な生き方だった。弔問客は引きも切らず、彼らは面々に私の知らない父を語り、とうに忘れていた昔の父の記憶を呼び覚ます。今の自分のありようを因果論で究明しようとすれば、どうしても生来の父母との関係に行き着かざるを得ないのだが、そこで不平をたれ父母を恨み諦念に沈むのが前向きな生き方ではないだろう。
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茶幸才斎
関ヶ原の大戦で薩摩の島津義弘が西軍につくこととなった経緯について、戦場で島津勢がただ傍観したように見える理由について、西軍敗走の中で敵陣を突破し伊勢街道に至る決死の突撃の実像と、戦場離脱から帰国まで19日を要した「島津の退き口」の経路と過酷な実相について、そして島津義弘が是が非でも生き延び帰国しなければならなかった事情について、各種史料に当たり、ときに巷間に知られた通説や異説を検証しながら考察している本。日々を漫然と生きていると、生きることに強い意志と執念が必要だった時代があったことを、つい忘れてしまう。
が「ナイス!」と言っています。
茶幸才斎
米マイクロソフト社でプログラマーとして働く筆者が、職場の同僚らが発揮する驚くべき生産性の高さの秘訣は思考の習慣だとして、優秀な技術者が実践し、と云うより自然と身に付けている、前向きで風通しがよく細部にこだわらず潔い、何より仕事を自らコントロールし楽しんでいる仕方について解説している本。筆者が紹介するサーバントリーダーシップは、私が理想とするチーム運営の姿である。各メンバーが主体的に仕事に臨み、困りごとがあればメンバー間で気軽に相談し、相談されれば親身に応じ、成果は自然と積み上がる。仕事は楽しいのが一番だ。
が「ナイス!」と言っています。
茶幸才斎
東新宿高校定時制クラスには、年齢も生い立ちもさまざまな生徒が通う。文章を読むのが苦手な青年、柳田岳人。夫とフィリピン料理店を営む日比ハーフの越川アンジェラ。最前列の席で熱心にノートを取り質問する老人、長嶺省造。保健室登校しSF小説を読む名取佳純。4人は、いつも沈着冷静な数学・理科教師の藤竹に導かれ、部活動として科学部を立ち上げ、惑星物理の実験にはまり、やがてある目標を見出す。彼らは幸運だ。いっとき宙を見上げ、火星にまで思いを馳せ、だがすぐに卑近な現実の暮らしに戻る。宙と私の間には、どうも見えない壁がある。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/01/02(5231日経過)
記録初日
2008/04/26(5847日経過)
読んだ本
1346冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
421642ページ(1日平均72ページ)
感想・レビュー
1346件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
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