シェン国から帰国してからのお話。工作員時代の能力を使って暗号を解読したことでちょっとした出来事があったものの、大切な夫と娘と日々を送るビクトリアが幸せそうでよかった。

チカラを持つ三人衆と、お偉いさんとお話し合いをすることになる出来事がありましたが、それ以外はダンジョン探索したり比較的穏やかだったかな。お話し合いの場面では、あらためてリゼルの人脈の広さと、相手側からすると厄介な人物ばかりだなと面白く感じました。

勇者の成熟とはなにかが分かる最終巻。さすがカズハ、最後まで自分の欲望に忠実で突き通しちゃう様子は面白くも頼もしい。特典のモルダモーデのお話は、なんだか寂しい気持ちになりました。自分の子孫を見守りつつ、魔王のことも想っている姿は、彼が優しい人でもあったのだと感じました。個人的にはザギルの重い愛も好きでした。

壬氏襲撃事件解決から、ある意味吹っ切れて少し積極的に攻めるようになった壬氏。猫猫の顔がさらになめくじ顔に。2人のやりとりはやはり面白い。最後には新たなキャラが登場で続きも楽しみです。

悪役令嬢の兄ユリシスが前世の記憶を持つ側近イザークの助言をもとに、妹を改心させていくお話。主人公が転生者でもなく、悪役令嬢でもなく、というのが少し珍しいかな。キャラたちの会話は楽しめた。ヒロインには若干イラついたが終わり方はすっきりしました。読みやすい作品でした。