★4　父親の立場から読むと、貴代美の思考回路は到底正常とは思えないのですが、これは母親の立場で読むと一登の方がおかしいんでしょうか？貴代美の現実逃避的な考え方には賛同できません。そもそも前提として、殺人犯か死んでいるか、の両極端な意見しか持てない夫婦に違和感を感じる。何かの事情で逃げざるを得ないが生きている、という最善の結末を信じて然るべきだ、と思う。一登も一登で、貴代美の意見を「なるほど、そういう見方もあるね」と言ってあげられないのか。度量が狭いものだ。→続く

★5　鈴木と美代子に過去の枷がのしかかり、それは今が幸せになればなるほど重さを増す。二人の距離が近付く度に、私の心を不安で満たし悲しい結末しか想像できない。登場人物は等身大の小人物ばかりで「自分なんじゃないか」と思える人ばかりでページをめくるたびにどんどん苦しくなる。誰もが正面から向き合うことができない、目をそらしたい過去を一つは持っていると思うが、誤魔化しながら生きている。こんなに苦しくて、読む手が止まらない本は他にない。

★5　鈴木と美代子に過去の枷がのしかかり、それは今が幸せになればなるほど重さを増す。二人の距離が近付く度に、私の心を不安で満たし悲しい結末しか想像できない。登場人物は等身大の小人物ばかりで「自分なんじゃないか」と思える人ばかりでページをめくるたびにどんどん苦しくなる。誰もが正面から向き合うことができない、目をそらしたい過去を一つは持っていると思うが、誤魔化しながら生きている。こんなに苦しくて、読む手が止まらない本は他にない。

★5　ひかりの浅はかで無知で幼稚な思考に悲しみを覚え、周囲の自己中心的な言動に腹が立つ。しかしこれは誰の身にも起き得る身近な出来事。人の親である我が身を省みれば、ひかりの親となんら変わりのない意識しか持ち合わせていない事に愕然とする。家庭での性教育は必要とは解っていながらも、いざ実際は口に出すのが憚られてしまうが、横断歩道を青で渡るのと同じくらい大事なことだと思った。

★4　なんとも悲しいストーリー。主人公の夏目は、何度も普通の人なら復讐の鬼に成り下がってもおかしくないようなシチュエーションに立ち会っても、ぐっと歯を食いしばり自分を保つ。敢えて自分に刑事の立場という枠を嵌め、無理矢理にそうしているように思えてならない。そうしていないと堕ちてしまう事をわかっているのだろう。我が子の命はそれほどかけがえのないものだから。

★4　優しい世界。一見能天気に赤字の商売を続けているだけの3人。探偵を夢見たカササギ君がわざわざ引き寄せる事件を、見事に？協力して？解決してみせる。登場人物たちのさりげない優しさが暖かく、ホッとする1冊。

★5　歴史経済小説？なのかな？？商才を持つ主人公と才気あふれる殿様との物語。武士の気概と商人の才能を持っている人材と身分を問わず採用する殿様が揃って、初めて黒字の藩経営ができるのだろう。面白い中にもなかなか学びの多い本。

★4　自称真面目だが、周囲からは底の浅い腹黒さを見透かされ、根が善人なために悪事はできず、口に出さなくても良い事をつい口走ってしまう。時代と立場にそぐわない機転と損得勘定のうまさから、何かと便利に使われてしまう。なんだか現代、私の身の周りに居てもなんらおかしくない、そんな至って普通な主人公にとても親近感が湧く。上手いこと使ってくれる上司（殿様）に巡り会えたあなたはとても幸せなんだよ？と、主人公に伝えてあげたい。

★3　大団円。色々な伏線回収も済み、五鈴屋これからの100年の繁栄に繋げたい幸の気持ちが溢れる。きっと幸の気持ちを繋ぐ人材が後を継いでいくことだろう。