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2024年3月の読書メーターまとめ

HANA
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感想・レビュー
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2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入られ登録
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

HANA
永久保存版といっても過言ではない。隅から隅まで横溝正史が詰まったファンにとっては堪らない一冊。伝記から始まるのだが、これはファンにとっては全て既知。ただ凄いのは末の娘さんによる当時の回想と作品の思い出が付いており、これがそれぞれの時代の一家の置かれた空気と作品執筆時の背景がありありとわかる文となっている。ブームに戸惑いつつ喜ぶ先生良いなあ。他にも作品紹介、こちらは図版多数でどのような形の本があったかが良くわかるし、ミステリ作家等が語る横溝作品への思い入れもまた良し。何かの折に繰り返し読みたい本でした。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

HANA

2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:18冊 読んだページ数:5291ページ ナイス数:1318ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/50468/summary/monthly/2024/2

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2024年3月の感想・レビュー一覧
20

HANA
読友さんの感想で気になって読む。怪談・ホラーというより奇妙な味の短編といった趣が濃い一冊。昔のSFマガジンが初出の話が多いというので、何となく納得させられるなあ。日常という小さな物語と戦争や怪異といった大きな物語への接続がそう感じさせられるのかな。その一方で白眉中の白眉「屋上の老人たち」は日常が恐怖に変わる様を描いた大傑作となっているし。乱歩の某名作を思い出させるな。表題作も独白がだんだん嫌な感じに変わって来るし。ポストアポカリプスから人間変容、奇妙な風俗とバラエティに富んだ、どこか懐かしい作品集でした。
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HANA
相変わらずハーンの描く明治日本は穏やかで細部に神が宿り、幻想と童話が地続きの理想郷みたい。出雲旅行が中心となっていた前巻に引き続いて、今回も出雲を巡る旅が多めとなっている。それでも惹き付けられたのは旅行という非日常以外の部分、「盆市」や「狐」「二つの珍しい祭日」といった日常を描いた所かなあ。日常、どこにでもあるようなありふれた一日がハーンの筆にかかると、それはフェアリーランドに一変してしまう。巻末に「思い出の記」、久々に読み返したが、これらの文章がハーンの人柄と不即不離にあるのだなと納得させられた。
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HANA
実話怪談集。墓に関連する話が中心となっている。著者にしては割と穏やかな怪談が多いな。と思って読み進めていたのだが、表題作が嫌すぎる。怪談には多い曰く付きの土地がテーマなのだが、それが理不尽すぎて訪れた人間に無差別に呪いが降りかかる某映画を連想させられてしまう。あと著者独自の体験談も今回は楽しいなあ。病気の話は我が身の事も考えさせられ違うベクトルで嫌なのだが、こういうサイキックウォーズ的な話は好み。こういうの大上段から書ける作家って現在だと著者くらいだし。表題作だけでも読んだ価値ありと思える一冊でした。
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HANA
永久保存版といっても過言ではない。隅から隅まで横溝正史が詰まったファンにとっては堪らない一冊。伝記から始まるのだが、これはファンにとっては全て既知。ただ凄いのは末の娘さんによる当時の回想と作品の思い出が付いており、これがそれぞれの時代の一家の置かれた空気と作品執筆時の背景がありありとわかる文となっている。ブームに戸惑いつつ喜ぶ先生良いなあ。他にも作品紹介、こちらは図版多数でどのような形の本があったかが良くわかるし、ミステリ作家等が語る横溝作品への思い入れもまた良し。何かの折に繰り返し読みたい本でした。
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HANA
著者長編第一作らしいが、極めて王道のミステリ。前半で事件の内容が全て描かれ、後半で足の刑事の捜査によって事件の全貌が明らかになる構成。その為わかる人は前半で全て明察できるようになっているのが凄い。私?私は目星は簡単についたものの、トリックは見破れませんでした。アリバイ崩しと凶器の二つの壁が立ちはだかるのだが、双方ともにいくら考えてもびくともせず。凶器の方は思いついた方法が直後に否定される始末だし、もう一つの方の動機がいくら考えても…。という風にミステリの楽しみが、これでもかというくらい詰まった一冊でした。
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HANA
相変わらず構成が上手いなあ。奈良山中で暮らす共同体を取材するルポライター。一見穏やかな村なのだが徐々にライターの真意と村に隠された秘密が明らかになってきて…。という粗筋から横溝テイストな話を連想させますが、そこは流石の著者、一癖も二癖もある造りになっています。読んでいる間どこか違和感を感じるもそれがどういうわけなのかはっきりせず、読み終えてようやく腑に落ちるシステム。最初にある誌の意味はすぐに分かったが、まさかそこに落ち着くとは…。あと「ろろる」の意味は結局わからず、謎解きサイト見てようやくわかりました。
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HANA
素晴らしい。錬金術というと泰西の錬金術師が密室に籠って編み出したものを解説する本が大半だが、本書はそれだけに非ず中国の練丹術から始まり西洋の錬金術のあらまし、余談としての本邦のものまで、その全体像を概説として味わえる一冊となっている。それもそれぞれの原材料や行う方法だけではなく、後世に与えた影響まで広く扱われている。西洋の錬金術が科学への道を開いたのに対して、中国が何故魔術で終わってしまったのかを追求するのは圧巻。特にそれぞれのその後を分けた原因として、ガラスの容器が注目されたのは目から鱗であった。
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HANA
ホラー短編集。なのだが恐怖劇だけではなく悲劇や喜劇等、一風変わった作品も多く読んでいて非常に楽しい。特に喜劇に秀作が多く、一種の文明批評みたいな「H・P」、何となく筒井康隆「原始人」を思い出した。や作家が作品を書くことによって引き起こされる珍騒動を描く「職業上の秘密」等は特に楽しいなあ。一方で恐怖劇も一癖ある物が多く、ある物をテーマにしているのだがその極北とでもいうべき表題作や、王道のストーリーを行く「鉛の指輪」、悲惨極まりない「パンジーの母」等どれも一気に読ませられる。兎に角編者の眼が冴える一冊でした。
あたびー
2024/04/05 13:34

わー!積んであるんですよ。楽しみだー!

HANA
2024/04/05 13:39

どの話も一捻りがありました。感想楽しみにしてます。

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HANA
「俊徳丸」「小栗判官」「山椒大夫」「愛宕若」「隅田川」の五編を収録。いずれも高貴な身が落魄し悲惨な目に遭うが、やがてその地位を回復するという大筋は共通している。違うのは前者三篇はハッピーエンドに終わるのだが、後者二編は悲劇のまま幕を閉じる点か。ただどの話も運命の転変というものを感じさせて、どこかギリシア悲劇を連想させられるなあ。あと折口信夫がこれらを指して「貴種流離譚」と評したけど、その言葉の意味が実際読むとしみじみと納得できた。それはそれとして話自体も面白いので、何百年も民衆に愛されていたのも納得。
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HANA
実話怪談集。収録されているのは十一話と実話怪談にしては長めの話が多いが、どれも読み応えがあって冗長さは感じられない。ただ実話怪談としての性質上か、プツンと切れているような話が多いような。著者が自分で語っているように物語性が強いから一早々感じられるのかな。特に「可哀相な井戸」等は登場人物による謎解きみたいなのが始まってさあこれから盛り上がるぞ、という所で終わっているし、表題作もここで終わり?という感が強い。ただ小説としてではなく怪談として見た場合、それが不安定感を感じさせ非常に強力な武器となっているなあ。
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HANA
井上靖の随筆の中から山に関連したものを抜き出した一冊。幼年時代の伊豆山中の思い出から、月見をしに穂高に上ったのをきっかけに『氷壁』を書いた話、エベレスト山麓遊歩から日本の自然についてまでが美しい文章で目に浮かぶように語られている。登山の目的の一つに自然の美を愛でるという事がありそうだが、本書は伊豆山中に浮かぶ雲や穂高で見た荒涼たる月、梓川の清冽な流れやヒマラヤ山麓で祈りと共に生きる人というように、文章で見事にそれを表している。自分も一度穂高に上りたいな。著者は五十を越えて上ったんだから行けるかなあ。
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HANA
倒叙ミステリシリーズ五作目。短編四編が収録されているが、それぞれ違った趣向が凝らされていて非常に読み応えのあるものばかり。特に面白かったのは「東京発6時00分のぞみ1号博多行き」かな。偶然犯人と同じ列車に乗り合わせた福家警部補が京都に着くまでというタイムリミットの中で真相に迫るという構成が実に面白い。外部との限られた情報の遣り取りも警察という組織の長所を見事に生かしている。それにしても福家警部補、シリーズが進むにつれてますます人間味が薄れていくなあ。デウスエクスマキナか中世欧羅巴の舞台劇の運命みたい。
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HANA
実話怪談集。テーマは屋敷という事で、建物に絡んだ怪談が収録されている。昨今の実話怪談に多いあった事を淡々と記述している作風なのだが、その「あった事」があまりにも異様で読んでいるうちにこちらの認識までもが狂わされてくるよう。存在しない同居人「あがたさん」とか、家族がいつの間にかいなくなり同名のホームレスがいつの間にか住んでいた話等、虚実が曖昧になるというか居ないはずのものが居たり、いつの間にか何かが別のものにすり替わっている話が多いように思う。こういう混乱させられるような話は嫌いじゃないので面白く読めた。
鷺@みんさー
2024/03/16 13:20

ふむふむ。それは私も好みですね。いただいてゆきます☺️

HANA
2024/03/16 20:23

是非是非。

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HANA
「江戸」というと武張った割にはどことなく粋で駘蕩としたイメージがあるが、著者の書いたものはまさにそのイメージぴったり。無論現実は現在と同じく苦そのものだったんだろうけど、本書を読んでいると何処か理想の仙境を覗いているみたいで、昼湯に浸かっているようないい気分になってくる。特に「蕎麦」の章などはそれが特に顕著で、どこかそこらの蕎麦屋に入って昼酒を楽しみたくなる。あと本書で紹介されている黄表紙集。文庫で復刊されたので、読むのが楽しみ。漫画とエッセイで無何有郷へ連れて行ってくれる、何とも言えない一冊でした。
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HANA
建物はそこに在るだけなのに、異様な相を持つものも存在する。本書はそんな異様な存在感を持つ建物を収集した一冊。とりあえず第一冊目ということで廃墟から神社仏閣まで巨大な建築物が大盤振る舞いされている。頁を捲るだけで圧を感じさせられるようである。色々紹介されているけど、個人的に気に入ったのは廃墟と全国のタコ滑り台を紹介したもの。昔どこかで見た事あった気がするが、全国にこれほど存在するのね。中に人が住むはずのものが、「建築物」という一つの概念になってる様。昔流行した「トマソン」を何となく思い出しながら読みました。
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HANA
ヤクザから五億円持ち逃げした男が軽井沢に潜伏。それを巡って血で血を洗う争いが勃発する。兎に角人が死ぬ、頁を捲る度に次から次へと死んでいく。ノンストップバイオレンスアクションという感じで、最初から最後まで血が流れっぱなしである。一方で引退したにも拘らずその事件の渦中に巻き込まれていく伝説のヤクザである主人公や現金を追うヤクザ、事件を追う刑事などのキャラもしっかり立っていて、この辺りの関係は目が離せない。その他のキャラはほとんどが登場早々、長く出ても数十頁で死んでいくけど。吹き荒れる暴力の旋風を楽しめました。
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HANA
地方都市の病院建設計画が医師会の反対にあい頓挫、その際治療拒否により妻子を失った男は医師会長の娘を誘拐し全貌を明らかにするよう迫るのだが…。巨大権力に一人復讐のために戦う男というのは浪漫溢れるものがあるが、今回は復讐対象も被害者の側面を持っているため、全体的に悲劇的なトーンが強い。先に読んだ『地獄坂の闇を撃て』だと対象が全面的な悪なため、存分にカタルシスを開放できるのだが…。それでも先方が雇ったヤクザや刺客との死闘や入り乱れる人間模様等、ツボは外さないのは著者の力量か。復讐のコンゲーム、楽しめました。
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HANA
著者の古本に関するエッセイ集成。筑摩から出た本を纏めた物なので重複注意。いやホント古本に纏わる文章って読んでいるだけで心が豊かになる気がするなあ。内容は著者の古本彷徨記から古本屋指南、買った本に纏わるアレコレや2008年から2023年までの出版界古本界隈の動向等となっている。『蟹工船』ブームとかあったなあ。とあれ隅から隅まで古本愛のたっぷり詰まった本なので、古本者だけではなく読書に関心のある人間なら是非とも読むべき一冊だと思う。私も読んでいるとまたあちこちの古本屋、古本市を訪ね歩きたくなるなあ。
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HANA
病院に下宿する事となった主人公兄妹。ところが引っ越し早々院長の義母が殺され入院患者が行方不明となる事件が勃発し…。内容は極めて正統的なパズラー。事件直後現場からの抜け穴が発覚するのであるが、その抜け穴の使い方が実に上手い。コレの通行化と不可によって犯人とそのトリックが判明する部分は、ミステリ好きの血を騒がせるものがあるなあ。病院に下宿とか防空壕とか時代を感じさせる部分も良し。陰惨な事件を扱いながらも主人公たちの存在によって内容自体は明るく、著者が「日本のクリスティー」と呼ばれる理由が分かった気がします。
亀太郎
2024/03/05 13:16

Wikiで確認しましたら、昭和33年5月公開(大映)でありました。ワイが小4のときでありました。66年前かー。

HANA
2024/03/06 13:46

そんな昔のなら配信も無理そうですね。見てみたかったですが。

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HANA
中編二編を収録。「妖精さんたちの、ちいさながっこう」では、衰退真っ最中の人類が学校を作るという話だが、学校が伝承でしか残っていないのでモンペに問題行動をする子供たちと、現実を拡大し戯画化する内容となってるなあ。子供たちを追うシーンは何かの暗示なのか元ネタがあるのか、よくわからない。後半「人間流の、さえたやりかた」はこちら完全に好み。記憶を失った「わたし」そして壊滅したクスノキの里と危機的状況から、詳しくは書けないがあるトリックを使ってそこに落とし込んだのは良いなあ。このトリック好きなので余分にそう感じる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/01/31(5201日経過)
記録初日
2010/01/31(5201日経過)
読んだ本
3639冊(1日平均0.70冊)
読んだページ
1088109ページ(1日平均209ページ)
感想・レビュー
3613件(投稿率99.3%)
本棚
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