そして一年ぶりくらいになる出町ふたばさん。天気悪いし、そんなに並ばなくても済むかな?と思ったけど全然並んでた。季節限定の桜だんごも桜餅も売り切れていたのは残念ながら、不動のツートップがどえりゃ〜うみゃ〜ので問題はなし。空いてる電車内でいただくわ。昨日の疲れも残ってるし、明るいうちにさっさと帰ろう。
悪徳軍人によって母を殺された少年が村に伝わる伝説の巨神像の力で復讐しようとするが、逆に巨神像を奪われてしまう。そこに居合わせた主人公たちと力を合わせ、もう一つの巨神像で立ち向かうのはいいとして、巨神像てか巨大ロボというのはアヴァタールの新解釈か。ガネーシャはともかく、サラスヴァティ(日本では弁天さん)は武闘派のイメージ無いけどなぁ。ヒンドゥーの戦女神だったらドゥルガーとかカーリーの方が圧倒的にヤバいだろうに。
ナゾトキ冒険漫画としては小学校低学年くらい向けかな。紹介文によると、『ナゾトキ・ハンター』シリーズはエンターテインメントであるだけでなく読者の脳を限界まで発展させるエクササイズでもあり、歴史や伝承の正しい知識を学んでもらいたいそうな。漫画はフルカラーでテンポよく、激情型のキャラたちが血管浮かびあがらせて怒鳴りあったり、巨神像にブッ飛ばされたネコ少女が豪快に血反吐吐いたりするのが妙にインド映画ぽかったり。しかしカーストについてはジャーティとヴァルナくらいはちゃんと説明してほしかった。
どのエピソードもリコリコらしくアサウラらしくとても楽しかったのだけれど、本編がせいぜい数ヶ月間で小説はその合間合間の出来事ということは、彼女たちの日常の非日常ぶりはとんでもない密度だわ。もちろんちさたきもあるにせよ、千束は全方位ぶっ壊れスペックだからどちらかと言うとたきちさの方がてぇてぇと思う。てかたきなって精密射撃が得意な黒髪ぱっつんロングの生真面目クール系だけどちょいちょいクソデカ感情が溢れてしまうかんじがフェルンママと似てますね。胸部装甲の厚さは完敗でも格闘や機動力なら勝てるはず。
ラノベらしい痛快コミカルなエンタメというだけでなく、テンポよく読ませながら構成の巧さでも楽しませてくれるアサウラ節は今回も見事だった。文章だけでなくいみぎむるさんのイラストも含めて、繰り返しと対比(入れ替わり)でニヤリとさせられるパターンも多い。主役二人のやりとりだけでなく、脇役にもちゃんと光が当てられるのもいい。ホラー映画でカップルが生き残るパターンも無くはないけど、盛ったバカップルは逆に真っ先に死ぬから気をつけた方がいいぜ。アニメの2期ではみんな大好きな先生のかわいいとセクシーをもっとください。
もちろん歌やダンスもあるものの、全体的にハードな展開でバイオレンス描写もけっこう激しいから「とにかくみんなハッピーになれるマサラ映画」とは言えないだろう。前半は、生まれ変わったサティヤが『仕事人』ばりに悪党どもを一人ずつ始末してゆく復讐劇の中で『ヤマドンガ』『ブリンダーヴァナム』にも出てきたクセつよオモシロおじさんことブラフマーナンダムのダサコミカルなシーンが何度も入るけど、現地の観客はどんな顔して観ていたのだろう。自分はちょっと感情のフットワークがついていかなかったよ。
どうにか復讐が完遂されたと思ったら急展開、からのインターバルで「ま、まだ半分なのか……」と思わせてくれるインドクオリティ。後半はチャラン顔の元の持ち主であるチャラン(←役名)のことを知らされたサティヤがチャランの遺志を受け継ぎ、暴君のように振る舞うギャングに民衆とひとつになって立ち向かう。本作でも、無双系主人公を中心に据えつつ厳しいリアルも俎上に乗っけてしまうインド映画の度量に驚かされる。チャランの恋人を演じたシュルティはプラバース主演の新作『サラール』で再会出来るのを楽しみにしたい。
デビューからしばらくは、偉大なるシニアNTRの七光りに頼りがちで演技も体型もだらしなかったというジュニアを名実ともにトリウッドを代表するスターへと押し上げた我らがラージャマウリ監督の『RRR』のあとでは、それ以前のインド映画がいかにも「古臭いインド映画」と感じる部分が多いのは仕方ない。むしろ、インド映画を色々と観ているうちにそのクセつよな様式や役者たちがやみつきになってくるのだ。ドヤ感を出そうとしてやたらグイングインするカメラワーク、『カメ止め』の撮影助手ちゃんなら好きそうだけどマジでうざいよ(笑)
とにかく血縁主義が物を言うインドの厳しいリアルを背景にしつつ、神の化身のような主人公がひたすら無双する痛快エンタメでもあるという振り幅の大きさ。これだけ何本も観ているとさすがに知った人に出会う率が上がってきた。ヒロインは『マガディーラ』のカージャルと『ランガスタラム』のサマンタ、二人ともチャランとジュニアの両方と恋人役で共演したことになるのか。どこまでもハチャメチャが続く物語のラスト、さしもの主人公も「なんとかしてよクリえも〜ん」とばかりに泣きつくのは……やっぱりシニアじゃん!
そうそう、『マラコット深海』というのもありました。内容を忘れていたのでネットで確認したら、こちらはチャレンジャー教授ではなくマラコット博士が登場します。 ちなみに『地球最後の日』は『毒ガス帯』(創元推理文庫)の題で読みました。
そういえば恵文社さんには何度かお邪魔してるけど誠光社さんはまだ行ったことがないので、今度の京ブラコースに入れておこう。誠光社さんから歩いて河原へ出たら、普通は賀茂川ではなく鴨川エリアだと思うのだけれどどうなんだ。単純に校正ミスなのか、それともそういう不思議空間なのか。
サブジャンルベストのフォロー率も低い低い。漫画もアニメもゲームもすっかり縁遠くなっちまったなぁ。その代わり映画はそこそこ。トロ監督、超良かった『ピノッキオ』の次は『フランケンシュタイン』らしいのでこちらも超楽しみ。本書の本命は出版社、作家からの今後の予定かな。うぶちん『アノニマス9』は大変そうだから年内に間に合えば御の字、と思ってたら劉慈欣まつりの真っ最中の5月に来るのか。てか完結するの?野尻さんとげんげんは結局去年出なかったから今年は頑張って!上田さんのオーシャンクロニクルはゆっくり待ちます。
あと外せないのは小川さんの『ツインスター〜』と、池澤春菜さんの短編集あたりかな。そしてSF界隈で今一番ホットなのは、やはり生成AIだろう。時代が「野良コンピュータが勝手に生きてる世界や、リビドーを開放するAIはすでに何十年も前に書いた」という神林御大に追いつくことはできるのか。それはそうと、毎回けっこう楽しみにしてたSF関連DVD目録がえらくショボくなってるのはDVD自体がオワコンだから?
まずは表題作。天文学的災厄から逃れるには地球ごと逃げるしかない!というネタはSF好きなら誰しもやってみたくなるものか。山本弘先生の『地球移動作戦』も傑作だったけど、大劉クオリティの短編だとスケールとビジュアルとドラマの密度が異常。これは映画を先に観た方が良かったかも。マクロの次はミクロとばかりに「小っちゃいってことは便利だねっ」そう、女神さまも言っていた『ミクロ紀元』は筒井康隆御大もイチ推しだとか。やっぱSFは人類が滅んでナンボですよね!?
『円』に収録された『詩雲』の前日譚にあたる『呑食者』も超ド級のイマジネーションが炸裂。モラルを語ることが無意味だとしても、責務に忠実であった戦士はほむべきかな。著者本人も登場する『呪い5.0』は単なるブラックコメディに留まらず、科幻小説としての成立を考えるとさらに笑える……のかどうか。そして『中国太陽』、自分はこういう話に弱い。現実がどれほど厳しくとも、素晴らしいフィクションを語ることは出来る。最後の『山』もいきなり地球滅亡の危機だけど、実は「お話ししてみたかっただけ」てなんかかわいいな。
本作は、ダンサー兼コリオグラファー(振付師)としてキャリアをスタートしたレモ・デソウザ監督のライフワークとも言えそうな『ABCD(Any Body Can Dance)』シリーズの第3弾らしい。ダンスの得意な役者というより現役バリバリのダンサーが数多く出演し、二つのグループを繋ぐベテラン役は実際にマイケル・ジャクソンのコンサートに参加したこともあるレジェンド。世界のダンスシーンでもトップレベルにあるという彼らのダンスは、あまり興味のない自分でも率直に「かっけー!体幹やべー!」と思えるCoolなものだった。
青春ダンスバトルとしてスタンダードな物語に、インド系移民のリアルが絶妙に絡んでドラマに深みを与える。インドとパキスタン。宗教的抑圧。出稼ぎ労働者と不法移民問題。バラバラだった人たちが想いをひとつにして挑むクライマックスにはベタだけど感動させられた。しかし残念ながら、大いなる融和を謳った物語でありながらスタッフ、キャストにパキスタン人はいないようだ。あと、知ってる人いないかな……と思ってたら、厳しめの松尾伴内顔のお巡りさん、先日の『ザ・フェイス』にも出てたよ!
ここまで読んでいると著者の特性が大体なんとなく掴めてくるだけでなく、周辺の人達の特性も気になってくる。ひたすらしゃべり続ける担当さんも、著者のことを理解出来なかったり著者に理解してもらえなくても気にしてなさそうな旦那さんもなかなかのアレっぽいし、今回数々の武勇伝を披露された父親に関しては完全にアレだろう。要するに人は誰しも特性が異なる、ということだと思う。それでも、社会生活に深刻な問題が生じない程度にやっていくにはそれなりの工夫が必要だし、それぞれの特性がうまく噛み合えばそれはとても幸福なことだ。
何かにつけて極論に走り、やたら「八方塞がり」と「無限ループ」に囚われて社会適応しづらい発達障害者にとって、自身の特性を踏まえた上での振り返りはとても重要。直接生身の人間と関わることはとてつもないストレスになりがちだけど、本や映画という形なら安心して色々試すことが出来るのでとてもありがたい。健全な自己肯定感は必要にせよ、過剰に肥大化して歪んだ自意識はむしろ生きづらさに繋がり、周囲にも深刻な悪影響をもたらす。自分はサタニズムとサティヤーグラハのいいとこ取りでやっていこうと思う。つまりネコはかわいい。
徒然なるままに関西を徘徊する
野良サタニスト。
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〈 読メ開始 2014.10 〉
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