澤村さんのはなんか普通でした。窃視障害というマイナーメジャーな性癖を女性サイドに設定するのはうまいと思えど……なんかその上手さのノリだけで適当に書いちゃってるなー感が、なんか……醜形恐怖だから窃視障害になった、このルートなら女性でもあり得るぞ！感があるというかなんというか。うぬぬ、性は難しいっすね！

いやちょっと待って！？澤村さんのはひょっとして、窃視障害によって醜形恐怖を克服、というより迂回し、性の喜びを初めて知った、というより、他人の体を見ることによって、想像することによって、自分の体を取り戻した、体を発見した、そういうことだったひょっとして！？

いや、待てよ、人間としての作者を想像できない読者、という点だったのひょっとしてコアは！？多くの現代人がコンビニの店員を「機能」としてしか捉えていないように、クソレビュアーもまた、作者を作品が出てくるスイッチかなにかとしか思っていない、と！？スムーズに暮らしていくためには自己も他者も機能として考えることが求められる現代社会の病理、的な！？だとするやっぱりそれは双方向、ますますクソレビュアー側の物語が必要になりません！？

確率で砂糖水が出てくるスイッチを押し続けてるモルモットやないかワシらみんな……！という深読みおじさんからもわかるようにやっぱり、読者側の、読書の物語もやっぱり必要なんじゃないスカね……！？

いや、なんかあのー、ミステリの作法とかはでんでん知らないっすけど、えーと、なんつーか、笑いが先に来てしまうというかなんというか……いや設定上の納得点テーマに絡めるにはそれ以外にない着地点なんだろうけどその、オモシロじゃないまず……？いやキモイキモイホラーなんだろうけど、まず笑いが先に来てしまわないこれ……？

でもあれなんすね、因習村の日本的ドロドロを現代日本社会(特に都市部)持ってきたら、毒親だのスクールカーストだの男女差別だのになるよ、と、そういうこと……なんすかね。

そもそもこういう人だしね

「わたしが人間の盲目的で悲惨な境遇を見るとき、また全宇宙の暗愚さを見、人間が何の光もなしに、宇宙のこの隅にあたかも置き去りにされているかのような姿を見るとき、そして誰が人間をそこに置いたのか、人間は何をするべくここへ来たのか、死後どうなるのかなども知らず、何も知ることができないのを見るとき、わたしは、あたかも眠っているうちにどこか恐ろしい土地に連れて行かれ、目覚めても逃亡の手段とてない人のように、恐怖に突き動かされる。そして、そのような悲惨な境遇が人間を絶望に突き落とさないことに驚く」

澤村さんのはなんか普通でした。窃視障害というマイナーメジャーな性癖を女性サイドに設定するのはうまいと思えど……なんかその上手さのノリだけで適当に書いちゃってるなー感が、なんか……醜形恐怖だから窃視障害になった、このルートなら女性でもあり得るぞ！感があるというかなんというか。うぬぬ、性は難しいっすね！

いやちょっと待って！？澤村さんのはひょっとして、窃視障害によって醜形恐怖を克服、というより迂回し、性の喜びを初めて知った、というより、他人の体を見ることによって、想像することによって、自分の体を取り戻した、体を発見した、そういうことだったひょっとして！？

あ、あなたの脳の話はこれを読んだら読まなくても大丈夫でした。

心も意識も意思も何もかも、さながらニコ動のタグか、あるいは二つ名、はたまた声優さん方につけられるあだ名でしかなく、それをいじくり回すのは自然科学ではなく人文学……と、言い切ってしまうと「戦争が科学を進歩させるのさ」としたり顔で言う自称変わり者の中学２年生感が拭えないので、だから脳やってる人たちって言わないの……？

「新興宗教の勧誘を論破してみたｗｗ」的な本でない、しっかりとした学と誠実さのある本であることはたしかだが、そりゃまああのファッキンオレンジが大統領になっちまうわな、という本でもある。良書。

まあでも単に、テクノロジーは日進月歩で発展してんのに、国民国家、資本主義、民主主義、そういうのにアップデートかかんねーもんだから、セキュリティホールスイスチーズ状態でハッカー天国になってるだけじゃねーのか、って本でもありました。可能な共産主義ため世界同時革命バンザイ！生協を全世界に！

地下にはもちろん、なにもない。だが地下になにかがある、と思っている人間は、地下をいっぱいにできるぐらいいる。