ネタバレ図書館本。「詐欺」で纏められた一冊は、どの話もありふれた日常の中で心に付け入る優しい言葉からの物語。コロナ禍で閉塞した大学生、次男の中学受験、そして漫画に入れ込むあまりの出来事。当人だけは大丈夫と思う側からずるずる深みに嵌まるやるせなさと罪悪感、そして後悔。そこに至るまでの繊細な心の機微が痛々しいほどですが、不思議と読後感は爽やか。チヨダコーキは何処にでも出現可能wと思い知りつつ、何処か身近でありふれた日常との境界線の物語を堪能です。

ネタバレBL。シリーズ15冊目は書き下ろし「紅蓮の竜にくびったけ」に加えて同人誌やペーパーから収録した短編を集めた甘い甘い一冊w　ご馳走様としか言えないw　甘々を楽しみながら読了。

ネタバレBL。辛い過去から霊を視る力を得て「心中屋」と呼ばれる伏原と、度々同じ案件に係るクラッシャーな「死神」吉岡のお話は、ちょっとホラーな悪霊退治を仕事にする二人の温度差のある恋模様。誰にも心を開かず生活力皆無の伏原、そんな伏原に構いまくる吉岡、悪霊に対する姿勢は正反対の彼等が、それでも共に過ごすうちに心を通わす彼等の想いは特殊設定だからこそ手放し難い唯一のもの。その後の彼等の物語が読みたいと心から思いつつ、楽しく読了。

ネタバレBL。シリーズ15冊目は、人誑しの弟・尚人に触発された雅紀のターン。とは言え加々美やタカアキなど脇の人々にも頁を割いているため物足りない感も。新たなステージを目指す雅紀のこれからが楽しみ。さらりと楽しく読了。

ネタバレBL。オメガバース。18歳でオメガと判明した男爵家の次男ルークが、訳あり呪い持ちの公爵ウィリアムにつがいとして迎えられるお話は、狼のもふもふと溺愛が甘い展開。ただ何と言うか全てウィリアム都合よねwと醒めた想いが拭えない（失礼w）少々もやつく想いを抱えつつ読了。

ネタバレBL。シリーズ2冊目は漸く結婚話が纏まったエルフィン達に嘯く不穏な企みが中々キモい展開。前作もそうでしたが、言葉の通じない善意ともつかない行為に翻弄される彼等が本当にお気の毒。前王の悪政の尻拭いに翻弄されるリュシフォード、庶民故に対応しきれないエルフィン、彼等の結婚迄の経緯よりも、番外編の方が楽しめたのは内緒w　さらりと楽しく読了。

ネタバレBL。シリーズ22冊めも安定のファミリー愛溢れる展開。漸く３家族同居の道筋がつき、トレーラーハウスでのわくわく体験を楽しむ兎田ファミリーがほのぼの。会社絡みでの小さな諍いや幼稚園のモンペなどが加わり、恋愛面はほんのちょっとw　さらりと楽しく読了。

ネタバレ図書館本。俳句をタイトルにした短編小説を集めた一冊は、この俳句からこのお話になるのかwと意外性溢れるお話ばかり。ありふれた日常のひとコマを切り取ったお話は、何処かほろ苦く寒々とした想いが多いものの、それだけでは終わらないのが宮部作品の妙。俳句を読んだ印象を裏切られる短編の粋、この先も続くと嬉しいです。楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ6冊目は、寒さ厳しい後宮で相次ぐ凍死に端を成すお話。帝の伯母の訃報がもたらす謎は、これまで検死を行なってきた桃花の予想外の展開に。前巻終盤で明らかになった延明と桃花の関係性はそのままに、新たな係累が火種となる。続きがとても気になります。楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ11冊目は、フェレス、ブランカに続きクロ（九官鳥型希少獣）が新たにシウの家族に加わる展開。聖獣の王や変人教師に振り回され、狩人の里で彼等の過去を知り、ハイエルフ対策に余念が無いシウの日々は、相変わらず自重とは無縁のやりたい放題w　可愛いチビ達に癒やされつつ、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ10冊目は一冊丸ごと税務調査w　経理の方々の大変さ、それに増して調査する国税局の細かさwに圧倒されつつ、不穏な空気感の元振り回された森若さん達にエールを。そして少ない出番ながらきっちり決めた太陽も善きw　次巻は次のステージでしょうか、楽しみです。楽しく読了。

ネタバレBL。web発の初読み作家様。姉の忘れ形見である甥と二人で暮らすエルフィンの元に、国王リュシフォードが訪れた事から始まるお話は、前世の記憶を持つエルフィンをひたすら甘やかすリュシフォードの溺愛もの。甘味成分はたっぷりですが、立場上断れないエルフィンに迫るリュシフォードがどうもなぁ。前世の知識はパンや料理作りに発揮のようですが、前世の記憶持ちにしては幼いエルフィンに、この設定いるのか?と疑問も。続きに期待しつつ読了。

ネタバレBL。古代中華風ファンタジーは思ったよりも本格派。事情があって悪鬼退治に全てを捧げる道士・羅と、大きな質屋の一人息子・優瑶のお話は、孤独に生きる羅に何時しか心を寄せる優瑶の恋心と、素直になれない羅のヘタレwぶりが混ざり合い、読み応え有りの一冊。肉親の悪行に心痛め嘆きながらも愛おしい気持ちを捨てられない彼等のお話は、閨も含めて思い切りファンタジーな展開。彼等の永い時を寿ぎながら楽しく読了。

ネタバレBL。web発の初読み作家様。天涯孤独の蒼太の異世界転移のお話は、理由もわからず騎士団長レオナードと副団長リアから溺愛される恋物語。自分に出来ることを、と寮長を志願するもその職は騎士団長と副団長の伴侶になるお約束がw　男しかいない世界観で理由も解らず溺愛されるお話は、訳ありな彼等の過去と怒涛の陰謀はこれからの展開らしくこれ一冊では何が何だかw　甘めのお話ではありますが、物足りない感を抱えて読了。

ネタバレBL。突然の異世界に戸惑う同僚同士の綾瀬と遠野のお話は、ゲーム世界への転生もの。厳しい祖母の躾でゲームの理を理解出来ない綾瀬と、やり込んだゲーマーの遠野が時に反発し時に助け合うバディな異世界探訪のうちに芽生える恋模様を楽しみながらも、これは異世界での吊り橋効果では?wと身も蓋もない事を思ってしまう。現実世界のお話が有れば良かったような気もします、さらりと読了。

ネタバレBL。麗しいイラストに惹かれて挑戦の初読み作家様。アラブ風味の後宮ものは、獅子帝と称される皇帝ラシッドと、彼に仕える宦官長イルハリムのお話。精力絶倫で巨大wなラシッドの情けを受け、本来の仕事とは異なる閨での日々に溺れるイルハリムの、濃い目の密室シーンと共に多数から酷い目に合うイルハリムのあれやこれやでお腹いっぱいw　ある意味似合いの彼等よりも、追放された彼のその後が気になる所。濃い目のｴﾛにお腹いっぱいwさらりと読了。

ネタバレBL。『ずっとここできみと』スピンオフのお話は、恋愛から逃げ腰の作家・晴樹と、明るい持ち味の俳優・鼓太郎の恋模様。傷ついた過去から人を好きになりたくないと頑な晴樹、そんな彼の心にするりと入り込む鼓太郎、優しく気遣う彼等の恋は臆病で戸惑いながらも素直に心を明け渡す、そんな恋。お互いへの尊敬と愛情をひしひしと感じる優しい恋模様、ほっこり楽しく読了。

ネタバレBL。古代中華風の時代観、何故か白虎に惹かれる尚国の太子リーレンと、隣国の獣人国・琅の王ガイルのお話は、ずっと待ち続けていた一途な想いが切ない恋模様。叶えられなかった想いを悔やみながら千年の時を待ち続けたガイル、ちょっと天然寄りの前向きなリーレン、神仙が存在する世界観ならではの恋模様は雄大で一途。壮大な設定なのに彼等だけで完結する恋模様が勿体ないとは思いつつも、永い時を捧げた愛の物語、さらりと楽しく読了。

ネタバレBL。持病の喘息発作で倒れた悠斗と、彼を助けたキッチンワゴンの店員（後に飲食店経営と判明）高際のお話は、エロトーク満載の高際の台詞が目を滑り苦戦。色々残念な攻様の良さを実感出来ないまま、さらりと軽めに読了。

ネタバレ図書館本。文芸ジャンルに挑戦された凪良先生の軌跡ともいうべき一冊は、作家さん達との対談や担当編集さん達の座談会、そして17年の全著作を振り返ったロングインタビューを収録。榎田先生との現在のBL業界を憂う対談、『闇を呼ぶ声』のまさかの真実w、担当さん達の熱いエールなど、長らく愛読している作家さんの意外な一面と本に対する真摯な想いがとても楽しい一冊でした。ちょっと一般文芸寄りの昨今ですが、BLも期待してお待ちしておりますw

ネタバレBL。旧版既読ですが短編「ありがとう」初収録とお聞きして手にした一冊。不幸な生い立ちから小さな家が欲しいと嘯く詐欺師の蓮と、恋愛下手でお人好しの医者の加賀谷、不器用な彼等の恋模様は今回もしみじみ響く。生まれも育ちも違う彼等が、一度は途切れた縁を再び紡ぎ合わせる優しい恋模様。突き放せない心、ますます好きになる一途な想い、そして暖かな家庭。『お菓子の家』の彼等もちらっと登場し、どちらも寂しい想いを抱えた話だと再確認。不器用な彼等の幸せを祈りつつ、今回もしみじみ読了。

ネタバレ永らく積んでいた一冊を遂に読了w公式だけあって盛り沢山な内容がひたすら懐かしい。アニメだけでなくフィギュアスケート基礎用語やリアルスケーター達のコメントもあって読み応え充分。満足度高しw　楽しく読了。

ネタバレBL。『イエスかノーか』の番外続編も3冊目。同人誌やペーパーなどから綴られる計達のお話は、甘い中にもピリリと辛口風味も加わり、大変満足な一冊。『恋敵と虹彩』と『Color Bar』直後の話もあって本編を再履修したのも嬉しい時間w　出会った頃の話や両親の話、そして仕事に向ける想いなど彼等を様々な面から改めて知った気がします。一穂先生のBLが好きだなぁと改めて思いつつ、とても楽しく読了。

ネタバレBL。魔女狩りにあった幾多の魔女の願いを受けて100年の眠りに就いたシオンと、彼を利用しようと眠りを妨げた第二王子リカルドの大人の為の御伽風味のお話。故国を滅ぼす約束の元、共犯関係の彼等が次第に心を通わす様子と、悪趣味装身具wから来るｴﾛを楽しむものの、魔女達の名誉回復も無いまま利用しようとしたリカルドに少々不信感があってのめり込むには至らず。さらりと流したエピソードも多々有り、もう少し頁数が欲しかったと思いつつ読了。

ネタバレBL。結婚相談所勤務の信彦と、強面な利用者・黒川のお話は、担当と利用者の垣根を飛び越えた二人の初な恋模様が優しい読み心地。結婚に何の希望も持っていない黒川を案ずる余り個人的に関りを持った信彦の人の良さ、これまで人との係わりを持たずに来た黒川の戸惑い、異なる家庭環境で育った二人が距離を縮める事で新たな関係に戸惑う恋模様は、肉親との係わりや社会的なカムアウトも含めて中々難しい問題も。それでも素直な気持ちで相手に対峙する彼等が好印象。彼等の幸せを祈りつつ、ほっこり読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ10冊目。休暇明けのシウの相変わらず自重の無い日々wと、卵石から待望の小さな「ブランカ」の誕生。割と感情の起伏の少ないシウの話は淡々と業務報告のような態を取るものの、随所に彼らしい気遣いと小さな者への愛情が微笑ましい。今回はブランカ誕生に揺れる周りの人々の優しさが好印象。聖獣の王「シュヴィークザーム」との初会見、書き下ろしのプルヴィア視点の掌編も収録、今回もほっこり楽しく読了。

ネタバレ図書館本。染織家の祖母を偲ばせる家で、同じく染織家を営む叔母と同居する槐の元に、事故で大怪我を負った従弟の綸を預かる事になった事から始まるお話は、川越を舞台にした手仕事シリーズw　偉大な祖母や叔母と同じ道を歩く事も生きがいを持つ訳でもない、何処か空虚な心持ちで生きる槐、事故の後大学に通えない綸、若い二人が糸を染め紬を織る事で生きる意味を見つめ直すお話は、手間暇かかる手仕事の意味を問い直す物語でもある。染色や機織りの大変さ、それでも何かを作り上げたい魅力、積み上げていく大切さに魅了されながらしみじみ読了。

ネタバレ図書館本。大正時代、由緒正しき神の力を継承する家同士のいざこざと、運命に翻弄された人々の想いが印象的なお話。許嫁に拒絶された菖蒲を中心に、因縁に囚われた旧家の人々の様々な想いが積み重なったサスペンス且つ恋愛モード。一途な想いは印象的ですが、拒絶されても居座る彼女に共感は薄め、さらりと読了。

ネタバレ図書館本。古代中華風ファンタジー。重い過去を背負い妓楼で働く隼夫〈ホスト〉の怜景が、世間知らずで美貌の蒼薇と知り合った事から始まるお話は、この街で起こる不審な出来事に共に対峙するバディな物語。ホストとしては無能ながら祓霊師として異能を発揮する蒼薇、人当たりの良い陰で誰にも言えない過去を背負う怜景、不可思議と因縁が絡み合う世界で知り合った二人の息のあったやり取りを楽しみ、非情に肩を落とす人々に寄り添う優しさに安堵する。続編を強く希望しながら、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。霊や死期が視える伯爵家の次女・ジャンヌが、窮地に陥った姉の女伯爵マリーズを救う為に奮闘するオカルト風味のお話。過去の振る舞いから修道院に押し込められた歴史や死体好きなジャンヌ、女伯爵として奔放な道を歩むマリーズ、そしてマリーズの元彼ながらジャンヌに叶わぬ想いを抱くオーガスティン、そしてストーカー男w　当たり前の幸せを拒み、自分らしく生きたいと願う彼女達の逞しさを眩しく思いつつもお下がりはどうなの？と思う自分も居ますw　さらりと楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ3冊目は花菱家本邸のある淡路島が舞台。癖の強い大叔父、好意的な従兄達などの血縁関係者が揃い、淡路の君の祓いに悩む一方、この地の怪異に力を尽くす展開。両親の死の顛末や兄の想い、そして淡路の君の来し方などこの地ならではの収穫もあり、孝冬と鈴子の仲は一層睦まじく、怪異にあっても互いへの想いが微笑ましいばかりw　謎は一向に解明されないけれど、彼等の仲の良さにまだまだ続いて欲しいと心から思いつつ、楽しく読了。

ネタバレBL。シリーズ3冊目でも危険がいっぱいw　SアルファとSオメガの黒瀬と春、二人の望みは子供達との平穏な日々だけ、しかし諦めない組織からの陰謀で再び危機に。オメガの巣作りや子供達主催の結婚式などの彼等の幸せと対して、今度の試練も中々。どんな危機にも互いを信じて愛を貫く彼等の想いが今回も熱い。彼等の幸せを心から祈りつつ、楽しく読了。

ネタバレBL。連続殺人事件の捜査の陣頭指揮を取る管理官の木浦と、交通課の下っ端・立浪のお話は、厳しい捜査の中で真摯な相手に寄せる恋模様。捜査には厳しく真面目な木浦、そんな木浦の事を気遣う立浪、何時しか恋を自覚する彼等の恋模様は、それにしてもちょっと急ぎ過ぎでは?w　刑事ものとしては少々物足りない感はありますが、互いを気遣うキャリアと巡査の恋模様は微笑ましくも大変そうw　さらりと楽しく読了。

ネタバレBL漫画。田舎暮らしの幼馴染み達の恋模様の4コマ漫画がひたすら尊いw　互いに好き過ぎて余所見なんて論外な想い、そして好きな気持ちに溺れそうな若い彼等のやり場の無い熱情が、移り変わる四季と共に鮮やかな印象。親も将来も友達さえも凌駕する彼等の初々しい恋模様が眩しく、彼等のやり取りがずっと続いて欲しいと心から思う。善きものを読ませて貰いました。「なっちゃんやさん」に撃ち抜かれましたw　お気に入り。

ネタバレBL。清らかな神子・紫蘭と、彼を見初めた王弟・吉祥のお話は、安定のｴﾛ多めの溺愛もの。これまで二度妻に逃げられ、見初めた紫蘭を逃がしたくない吉祥、彼の気遣いに何時しかときめく紫蘭、絶倫ながらご無体も無くひたすら熱い彼等の恋模様は甘々。国王のやらかしで別離の危機にも彼等の気持ちは揺るがない。ｴﾛこそ多めですが甘さは充分な恋物語を堪能です。

ネタバレBL。オメガバース。教師の資格を得る為にオメガの為の修道院に住み込む事にしたジョエルが、嘗ての同級生のレスターと再会した事から始まるお話は、嘗ての想いを忘れず一途な恋模様。オメガが迫害される社会で教師の職を得る為に厳しい修道院での暮らしを選んだジョエルの災難、彼を救う為にベータと偽るレスター、閉塞的な修道院の真実や裏切りなど見せ場はたっぷりw　ちょっと昔のジュネっぽい空気を感じながらさらりと読了。

ネタバレBL。辺境の地をこよなく愛するカピバラ獣人のリュカと、年下の黑狼王子クライスのお話は、王宮暮らしを拒絶する荒ぶる小心者なカピバラと無自覚高慢自信家変人王子（リュカの言葉ですが当たってるw）の焦れったい恋模様。小心者ではあるけれど自分の気持ちを大切に地道に頑張るリュカと、上から目線ながらリュカを大切に思うクライス、恋に堕ちた二人のぎごちなくも微笑ましい恋模様を楽しみ、まったり湯に浸かるカピバラを愛でるw　愛されカピバラと強引黑狼の恋模様、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。父の海外赴任の為に祖母のアパートで暮らし始めた中学生の花南子が、近所に住む同級生の根尾と共にご近所で起こる不可思議な事件に巻き込まれ、若しくは首を突っ込むw連作短編集。それなりに節度ある、しかし若さ故に突っ走る彼等を無愛想な調査事務所勤務の調査員・今津が支え、大人の現実を見つめる事になる春休みのひとコマは、しかし終盤で思いも寄らない顛末に唖然呆然w　爽やかな読み心地の陰に大人の裏事情が透けて見えるほろ苦さを楽しみながら、しみじみ読了。

ネタバレ図書館本。大手化粧品メーカーの総務部に勤める詩央が社長から隠密の役目を押し付けられたお話は、聞き上手から社員からの相談役として地蔵と呼ばれ慕われる彼女の奮闘の物語。とんでも案件に悩みつつも彼女らしい気配りで情報を集めるうちに、上辺では解らない人々の真実と、会社に対する想いを新たにする展開を楽しむものの、妹の貯金を使い込む兄の存在が不安でしか無いw　イケメンだらけですが色恋抜きなお仕事小説、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。元彼を追って歩道橋の一番上から落ちた女子大生・南海が辿る予想外なお話は、ほのぼの系のふりしたSF調。街に溢れた赤い靄を壊滅しようと有名企業の常務・板橋と南海の二人だけで事に当たるお話は、も少し壮大な展開になるのではとの期待を裏切りこじんまりとしたほのぼの仕様。変わらない素子節を楽しむものの、オチは一体?と思いながらさらりと読了。

ネタバレ図書館本。傾国の悪女として断罪された運命を覆すべく、やり直しの人生を与えられた汪玲枝のお話は、男尊女卑も著しい中華風の世界観。素直に応える事しか許されない女の生き方を押し付けられた彼女が、自分の尊厳と国の未来を掛けて運命に抗うものの、少し運命を変えれば大きな反動が来る険しい道程に思わず同情。愛しい夫を守る為に挫けそうな心を奮い立たせる彼女を応援しつつも、報われない役目を全うした彼の存在にもほろりと。権力に阿る事無く自らの尊厳を賭けて生きた彼女の物語、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。雑居ビルのテナントの主達の持ち込む風変わりな謎を解決する連作短編集は、謎解きと共にそれに係る人々の裏事情も明らかになる凝った設定。探偵役の無愛想な芹が解明する謎は、人の死なないライトな事柄ばかりだけど、その後の人生模様もあって二度美味しい読み心地w　彼等のその先もあったら嬉しいと思いながら、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。『2.43　清陰高校男子バレー部』にも登場した彼等のお話も有ると知り、若い彼等の眩しい高校生活を楽しむ。男子バレー部、陸上部、柔道部の若人達の葛藤と仄かな想いが入り混じったアオハルな連作短編集は、懐かしく眩しい読み心地。今その時しか無い青春のひとコマに懐かしい想いを蘇えさせながら楽しく読了。

ネタバレ図書館本。「詐欺」で纏められた一冊は、どの話もありふれた日常の中で心に付け入る優しい言葉からの物語。コロナ禍で閉塞した大学生、次男の中学受験、そして漫画に入れ込むあまりの出来事。当人だけは大丈夫と思う側からずるずる深みに嵌まるやるせなさと罪悪感、そして後悔。そこに至るまでの繊細な心の機微が痛々しいほどですが、不思議と読後感は爽やか。チヨダコーキは何処にでも出現可能wと思い知りつつ、何処か身近でありふれた日常との境界線の物語を堪能です。

ネタバレ図書館本。web発の初読み作家様。大国に交換留学として赴いた小国の姫（前世の記憶有り）が、誕生祝いとしてキッチンを貰った事から大人達の胃袋を掴む物語は、若干６歳で孤独な人質生活の不憫な始まりながら徐々に味方を増やしていく食は全てを凌駕するwお話。スローライフと言うにはご飯を作るだけのような気もしますw　さらりと軽めに読了。

ネタバレ図書館本。web発の初読み作家様。世界最高峰の魔法学園「アルストロメリア学園」を舞台に、魔女志望生と彼女達を支える魔呪盛装を作る仕立て師達の新しい日々の物語は此処から。魔女志望のクロエとペアを組む仕立て師志望の蒼司郎が、魔法を助けるドレスを作る為に力を合わせて事に当たる学園モノは、世界各国の華麗なドレスと合わせて力を発揮する魔法の力が夢々しい。此処では登場人物紹介といった一年度の終了迄、続きはwebらしいので覗いてみます。爽やかな読後感を楽しみつつ読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ2冊目はコキリの失踪から始まる物語。仲間の危機に不安を覚える感九郎達がたどりつくのは、敵対する組織との柵とコキリの出生。ざわつく心を宥める為にメリヤス編みを手にする感九郎、荒れるコキリ、そして感九郎が見つめた自身の過去。思いがけない壮大な設定に驚きながらも、無心に編み物をする侍の物語、今回も楽しく読了。

ネタバレBL漫画。恋が成就したその先のお話は、何処かほろ苦くも切ない展開。両思いに舞い上がる自分に嫌悪感を抱き、自分達のその先に思い悩む野末、彼の気持ちを理解しつつも距離をおく事に憮然となる外川。男同士の閉じた関係に戸惑う彼等のお話は、甘いばかりでいられない現実の傍らで恋しい気持ちを抑えきれないままならなさが切ない。ハッピーエンドのその先を見つめた物語、しみじみ読了。お気に入り。

ネタバレBL漫画。初読み作家様。同じ会社の39歳上司と29歳部下の関係だった筈の彼等の物語、とても良かったです。人受けは良いものの日々の暮らしに憂う事の多い野末、そんな彼を強引に外に誘い新たな経験を共に重ねる外川。隣に居る事の幸せと踏み込めない臆病が入り乱れる彼等の恋模様は、焦れったい迄にゆっくりと。一度は諦めようと思う側から諦めきれない胸の内が切ない。長らく積んでいた事を後悔しつつ、臆病な大人の恋模様を堪能です。お気に入り。

ネタバレBL。シリーズ5冊目は新婚旅行編。前巻で完結したとばかり思ってましたw　色々想定外の新婚旅行はやっぱり甘いだけでは終わらない。地方の民の苦境に立ち上がるタクミ一行のお話は、立ち回りこそ無かったものの彼等らしい行動力が好印象。しかし改心が早すぎw　糖分過多な溺愛が爆裂した旅行編、さらりと軽めに読了。

ネタバレBL。シリーズ最終。魔王から譲り受けた魔力で元の世界に帰る事も可能になったタクミを巡るお話は、それでも引き止めたいガゼルとフェリクスの溺愛が相変わらず甘々w　テーマ的にも少し壮大な物語にもなり得た筈の彼等のお話は、恋愛重視の甘くて軽い恋物語になってしまったのが少々残念。ともあれ三人での生き方を選んだ彼等の恋物語、さらりと軽めに読了。

ネタバレBL。シリーズ3冊目も誤解と願望が渦巻く展開w　封印された魔王の過去にほろりとなるものの、相変わらず思惑がすれ違いながらも三人で過ごすひとときを手放し難く思う彼等の恋模様の甘さに唖然w　物事を双視点から語る手法も3冊目ともなれば少々飽きる事も。も少し何かが欲しいと思いつつ読了。

ネタバレBL。番外編再録集も『はるならい』に続き2冊目。懐かしいメンバーのその後や新たな出会いなど既刊ファンには堪らない一冊。ご贔屓の慈英と臣の裏話やミッフィーを好き過ぎる照映など、どのカップルも相変わらず愛情深くて何よりw　思わず既刊を押入れ奥から掘り出したいwと心から思いつつ、ほっこり楽しく読了。

ネタバレBL。シリーズ2冊目。ゲームの世界に転生したタクミが、自分の存在がゲーム世界を変えた事に責任感を覚える展開は、惑えるタクミの内心とは裏腹に全て良い方に転換する安心設定w　タクミの言葉にしない内心を誤解を重ねながら溺愛する団長・副団長の愛はひたすら重く、他にも転がされている男の数々w　愛憎面よりもこの先の運命が気になる所です。

ネタバレBL。シリーズスピンオフは、コウキに仕えていたリアンと、彼を見初めた将軍ライナスのお話。本編の裏で彼等の過ごした日々を追いかける展開は、不憫なリアンの戸惑いと、一目惚れのライナスの熱量が微笑ましい。表題作の他にエドガーとコウキの小旅行や、リアンの失われた故郷の掌編もあって読み応え充分。甘いばかりでは無いものの、彼等が積み上げた幸せが心地良い読後感、楽しく読了。

ネタバレBL。続編を読む為に再読。やり込んだゲームの世界に転生したオタク気質のタクミが、与えられた運命を翻そうと頑張るお話は此処から。お世話になった人々を救う為にゲームの知識を酷使し生き残る道を模索するタクミ、その内心を知る術も無く憂いに満ちた彼に誤解を重ねるガゼルとフェリクスの両名、彼等が誤解と思い込みから始める恋模様は、身体先行ながら甘い溺愛もの。も少し書き込みが欲しい所ですが、これも又良きw　続きいきます!

ネタバレBL。シリーズ2冊目はセンチネルの白慈の巻。特定のガイドを持たない事で度々危機に陥る白慈に無理矢理付けられたガイドの宗玄、彼等のバディとなる迄の葛藤と逡巡がドラマチック。素直になれない白慈、凄腕ながら他人に心を明け渡せない宗玄、喧嘩ップルのような彼等のやり取りを楽しみ、白慈の抱えた心の傷の深さにほろりと。組織の抱えた秘密も気になるので続編を希望しつつ楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ12冊目。幼い娘からの縁結び祈願、南蛮人の茶に合う菓子選び、禁煙を促す菓子、そして芸者のお披露目の菓子。どの話も菓子に込める想いと、それを受け止める牡丹堂の面々の拘りが好印象。ただそろそろ何かが欲しい気もします。ふんわり読了。

ネタバレ図書館本。初読み作家様。大正時代、デビュー前の江戸川乱歩が弟二人で営む古書店「三人書房」を舞台に、その時代の著名人が登場する不可思議な事件に挑む短編集。多彩な才能の持ち主・乱歩を探偵役に振り、この時代の空気感と謎を追い求める彼の個性が際立つ印象。ただ独特の世界観を堪能しつつも、表題作の井上の扱いにもやつく思いが拭えないまま読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ番外編の今回は幻想古書店との大胆コラボ。あちらを読んでいないと少々解らないのでは?と思うものの、人とあやかしの共に生きる社会、そして本屋さんを応援するスタンスは是迄とは変わらない。本屋さんのエプロン騒動を楽しみ、猫を愛でる天使に共感し、本屋として生きる事を選んだヨモギの好奇心と商魂を応援しつつ、シリーズ通してほっこり読了。

ネタバレ図書館本。笠井先生の表紙に惹かれて挑戦の初読み作家様。芝居一座の看板役者・龍意が思いがけない出生の秘密によって巻き込まれる中華風味の後宮ものは宝塚をオマージュした私的にはドストライクな物語w。皇帝役を押し付けられた龍意が女性だけの歌劇団の人気男役の星羅と共に、宮中に巣食う悪と対峙する冒険活劇風なお話は、庶民な代理皇帝と男前な男装の麗人のバディ風味な物語。彼等のその後も気になるので続編を願いつつ、さらりと楽しく読了。

ネタバレ図書館本。『結婚物語』から続く正彦くんと陽子さんご夫婦のお話も遂に定年w　同世代なので（旦那は正彦と同じ歳w）加齢に係る様々な事にひたすら共感を覚え、コロナ禍ならではの過ごし方に懐かしさすら思う。保険証や老化、健康問題など前期高齢者らしいお話に、定年後の正彦の趣味への眼差しなど夫婦として培ってきた年月を伺わせるお話などひたすら頷きながら一気読み。若い頃から変わらない語尾には少々戸惑いも有りますが、小さな幸せを積み重ねた物語は優しい読後感、楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シウの猫型騎獣フェレスのスピンオフ。幼い頃から愛される事を自然に受け止め、天真爛漫に育ったフェレスのちょっとお馬鹿な愛されキャラの作り方wと、シウ仕込の物怖じしない行動力が圧巻w　ほっこり楽しく読了。

ネタバレ図書館本。シリーズ9冊目は、短い休暇をリュカ達とシュタイバーンで過ごすシウが又しても巻き込まれる騒動。キリクとシウの年の離れた友情、又してもスタンピードへの参戦、そして魔法使いとしてのこだわりが楽しいものの、作者お気に入りのヒルデガルドのやらかしに唖然。最近シウが無双過ぎて、安定感を通り越してまったりw　出番の無かったククールスは書き下ろしで参加。彼の複雑な胸の内に同情しつつ、今回も楽しく読了。