「自分と他人を幸福にする言葉以外は禁止」 それ以外の言葉は忘れてさせられる刑務所っていう設定があって、最初にバベルの塔の話があったので、「言葉」とカタストロフの話かなと思ったが、建築論みたいにもなって…、ああ、建築も言葉も同じように考えてるんだ…と思ったけど、そんな理路整然でもなくて、“この小説自体が、言葉の意味を無効化してる”のかなとも思った。言葉が不適切になることを恐れて、コミュニケーションが無くなる世界みたいな事を言ってるし。

「自分と他人を幸福にする言葉以外は禁止」 それ以外の言葉は忘れてさせられる刑務所っていう設定があって、最初にバベルの塔の話があったので、「言葉」とカタストロフの話かなと思ったが、建築論みたいにもなって…、ああ、建築も言葉も同じように考えてるんだ…と思ったけど、そんな理路整然でもなくて、“この小説自体が、言葉の意味を無効化してる”のかなとも思った。言葉が不適切になることを恐れて、コミュニケーションが無くなる世界みたいな事を言ってるし。

フランス料理史的な読み物、成長譚、成功譚としても面白い。更に、「あの娘の実の父親は…！？」とか放火とか、きな臭いサスペンス要素もあって楽しんで読めました。 訳もいいと思います。「フランスの小説はセックスシーンがアンチロマンティックで身も蓋もない」説を個人的に唱えていますが、そんなサービスシーンもありました。

スカトロの話じゃなかったけど、どの篇もキツイ話だ。 小説家である主人公が“創作”やら“偽物”やら“盗作”やら…について書いた連作短編集。 僕も一応、オリジナルな音楽の表現をしようとがむばっている人間であり、その“オリジナル志向”がイタいことも分かってる。 この本のある篇で、主人公が街を歩いているとき、「全部クソだ」と、つい独り言を言い、恥ずかしくなるシーンがある。 わかる。 僕はいつもそうだし、現実にしばしば声に出しちゃってる。 ＯＫ、分かった。何も言わなくていい。 ただ、もう

面白くタメになる。皆さんに読んで欲しい。

面白い。 ロシアの思想家ドゥーギンについての記述あり。

人情、成長満載のイイ話の予感だったので、緩く続くなら途中でやめようかなとも思ったけど最後まで止められず、2日で読んだ。 いい本だ。読んでる途中、蕎麦屋に飛び込んだ。 読んで損はない。

面白い。 チャンドラー的ではない。悩んでいるが、もっとウエット。東海岸だからか。 トラブル解決物としてのミステリー。読みやすい。

誰かの文に似てるような、少しくどい感じの説明の長いセンテンスを、主観と客観を自然に紛らせて綴る日記。 面白い。才能に溢れている。悲劇であり悲劇。読んでよかった。

「難しい」、「よく分からない」のレビューが多かったが、まぁ読めるだろうとたかを括り読み始める。…が、難しいな、と。 だけど、言葉の魔力を、言葉で現実（の認識）が変えられるという事が自然に信じられている事が、マルケスを3年間読み続けたエピソードで理解できる。

翻訳物の、ストレンジな物語を読んだ時、馬鹿の一つ覚えみたいに言うが、“ケリー・リンクみたい”。 だけど、そんな感じが好きだ。親しみの持てない湿った森。親しみの持てないカタカナの名前。理解の出来ない思考。斜め下のオチ。 なんて素晴らしいんだろう。