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2024年3月の読書メーターまとめ

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読んだ本
4
読んだページ
1052ページ
感想・レビュー
3
ナイス
15ナイス

2024年3月に読んだ本
4

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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筑摩書房の月刊誌「ちくま」にて1989年から21回にわたって連載された作品。著者63歳頃の作品だが内容は20年以上前の元夫との離婚及びその死を元にしている。 実質随筆なのだが、わざわざタイトルに「小説」と入れているのはフィクションとすることで書かれている内容と自分の間に距離をとり、自分の心を守っているのかな、と思う。(法的な意味もあるのかもしれない。) 萩尾望都『一度きりの大泉の話』もそうだけれど、傷つき体験を語れるようになるまでにかかる時間、時間を経てなお失われない体験の生々しさにため息が出る。
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2024/03/15 17:56

タイトルを「捨てていく話」としているが、そこに反語的なニュアンスを感じて切ない。そして本書は亡き夫への鎮魂の書でもあって、そこに人生や心のあり方の複雑さを感じる。 『自伝 じょうちゃん』は私の祖母と一歳違いで同じ高等女学校に通っていたということから興味を持って手に取ったが、『小説 捨てていく話』は人生の苦しい時間にどのように耐えたのか、苦しみをどのように表現するのかという興味から手に取った。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
3

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1942年の3月に5年制の高等女学校を卒業した女性が小学校の教員となるにはどのようなルートがあったのかを調べており、何かヒントになればと思い手に取った。 高等女学校を卒業して「すぐに」小学校教員になる者は少なく、また時代と共に減少し、なったとしても(おそらく)正教員ではないので給与が低い。教員を目指すなら卒業後更に師範学校第二部に進学して正教員になる、もしくは女子専門学校(現在の女子医大や女子美など)や女子高等師範学校、臨時教員養成所に進学して中等教員になった方が給与も良いし社会的な身分も保障される。
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2024/04/22 15:26

小学校教員は本書で示される卒業後の進路の1つでしかないので、複雑怪奇な戦前の小学校教員免許制度を理解するためには当たり前だが別の資料が必要。しかし、国や世間が彼女たちに何を望み、または何を望まず、狭い選択肢の中で実際に彼女たちが何を選択したのかが網羅的に統計で示されており(分析はほとんどないが)とても参考になった。 「良妻賢母として許容される範囲内でのこと」ではあるが、高等女学校に行くことで「進学や就職という形で女性により多様な生き方がもたらされ」た(p.315)

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2024/04/22 15:27

ちなみに教育史の分野で研究が進んでいる、講習会や養成所経由で小学校教員免許を取得するルートがあるのだが、「進学」でも「就職」でも無いためか本書では扱われていない。特に戦時下では男性教員不足からそこそこの人数がいたようなので、このルートを含めれば卒業後の進路の「その他」の内訳として考えられている「結婚準備」が減るのではないかと思った。 【メモ】 役に立ちそうな資料 『文部省年報』 『明治以降教育制度発達史』 『高等女学校諸調査』

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筑摩書房の月刊誌「ちくま」にて1989年から21回にわたって連載された作品。著者63歳頃の作品だが内容は20年以上前の元夫との離婚及びその死を元にしている。 実質随筆なのだが、わざわざタイトルに「小説」と入れているのはフィクションとすることで書かれている内容と自分の間に距離をとり、自分の心を守っているのかな、と思う。(法的な意味もあるのかもしれない。) 萩尾望都『一度きりの大泉の話』もそうだけれど、傷つき体験を語れるようになるまでにかかる時間、時間を経てなお失われない体験の生々しさにため息が出る。
6呎5吋es
2024/03/15 17:56

タイトルを「捨てていく話」としているが、そこに反語的なニュアンスを感じて切ない。そして本書は亡き夫への鎮魂の書でもあって、そこに人生や心のあり方の複雑さを感じる。 『自伝 じょうちゃん』は私の祖母と一歳違いで同じ高等女学校に通っていたということから興味を持って手に取ったが、『小説 捨てていく話』は人生の苦しい時間にどのように耐えたのか、苦しみをどのように表現するのかという興味から手に取った。

が「ナイス!」と言っています。
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「第2部日本編ー第1章日本映画の問題の傾向と対策」を中心に。 戦前の映画を民衆(特に1925〜1945年の池袋周辺の)がどのように消費していたのか知りたくて。 著者によると戦前の映画に関する資料はそれほど残っていないという。それは戦災や保存しようという意志の欠如によるそうだ。 見世物、演劇など元々存在したエンターテイメントと地続きに消費され、やがて映画それ自体のコンテンツの魅力が確立するに従って内容や観客に多様性が生じてくる…という概観は掴めたので、今後もう少しミクロな情報を集めたいと思う。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/30(3377日経過)
記録初日
1996/02/29(10287日経過)
読んだ本
1002冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
271579ページ(1日平均26ページ)
感想・レビュー
529件(投稿率52.8%)
本棚
2棚
自己紹介

自分の感じたことや思ったことを文章にすること、それを他の人に見せることが、苦手だけれどやってみたいことでもあるので、まずは本の感想で練習したいと思い登録してみました。

かなり遡って記録できるようなので、昔読んだ本も思い出しながら記録していきたいです。

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