会社の代表を社員による総選挙で決めるだなんて、夢があって良いなあ…と思う社畜生活も早20年超。。代表規模では無いにせよ、役職の椅子の取り合い的バトルや根回しなどは割と身近にあるあるなので、若干どんよりとするテーマだが、さすがの軽やかな津村節で悲壮感なく希望を残す読み心地だった。揺らぐ寂しい感情に付け込もうとする、刑罰に問われるかは微妙なラインの醜悪な悪意の描きかたなんて背筋がひやりとするほどなのに、うどん陣営の緩やかな団結というか、打算の無い純粋な誠実さに救われる。さくっと読めるのに深い作品だった。

会社の代表を社員による総選挙で決めるだなんて、夢があって良いなあ…と思う社畜生活も早20年超。。代表規模では無いにせよ、役職の椅子の取り合い的バトルや根回しなどは割と身近にあるあるなので、若干どんよりとするテーマだが、さすがの軽やかな津村節で悲壮感なく希望を残す読み心地だった。揺らぐ寂しい感情に付け込もうとする、刑罰に問われるかは微妙なラインの醜悪な悪意の描きかたなんて背筋がひやりとするほどなのに、うどん陣営の緩やかな団結というか、打算の無い純粋な誠実さに救われる。さくっと読めるのに深い作品だった。

なんと主役のエーレンデュルが行方不明のため終始不在につき、同僚エリンボルグによる実直で堅実な単独捜査がメインストーリー(時々オーリも参戦)。これはスピンオフ的位置付けになるのか？と思ったら、どうやら次作も引き続きエーレンデュルは消息不明でシグルデュル＝オーリが主役を務めるもよう。エーレンデュルの出番が無いのは寂しいが、エリンボルグの家庭の事情が分かり(オーリも夫婦仲が不穏な様子)更にシリーズに深みが出てきて、ますます続きが楽しみに。特捜部Qも大好きだが、より陰鬱なこのシリーズのほうがどちらかといえば好み。