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2024年4月の読書メーターまとめ

yoneyama
読んだ本
3
読んだページ
768ページ
感想・レビュー
3
ナイス
41ナイス

2024年4月に読んだ本
3

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

yoneyama
重病と生きる文芸紹介家、頭木さんのエッセイ集。タイトル編を始め、一つ一つが面白く、気付きが多い。とことんひどい病気と生きる人の考えることは、これまで視界に入っていなかった。カフカが病気でもないのにその域にいた話が印象的だ。著者の文体は逡巡し読者に語りかけるようだ。自分の狭い世界が広げられたという思いがする。言葉にできるのは箸でつまめる具だけであり、スープの部分は、ことばにならない。本当に大切なものはそこにもある。という「口の立たない部分」を知るのは、魅力あり時間もかかる。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
3

yoneyama
友人が表題の大賞を受賞した。短編ながら文章のノリに優れ、地域の史実の空白をうまく構成した物語。私が甲府に住み昇仙峡や金峯山の修験道コースを通った頃を思い返す。現地を足で歩いた人には更に味わい深いのではないかな。地域の史実を膨らませて魅力ある結末にしている歴史小説の手法がお見事。広重という有名人の、芸にこだわる内面も強く描かれている。天保、安政年間といえばチョンマゲ時代なのに御維新はすぐそこ。今はやや哀愁の観光地だけど昇仙峡渓谷の魔性は今もある。現代への連続性も感じる。こんな作品を書ける人だったなんてなあ。
が「ナイス!」と言っています。
yoneyama
社会学者の著者は、自身は探検家ではなく、日本社会の中での探検受けとめ史研究の書。多様な書籍からの引用が的確に並び、アカデミックに面白いまとめになっている。官営探検、山岳会、自由化、小田実、堀江謙一、植村直己、三浦雄一郎、川口浩、猿岩石、栗木史多、イモトアヤコ、山野井泰史、角幡唯介と。探検史ではなく、メディア、社会の人々との関係の変遷史。よくまとまっている。あれこれの書や同時代的雰囲気を思い返す。栗木には驚いたものだ。今のところ、トリは角幡唯介。
が「ナイス!」と言っています。
yoneyama
重病と生きる文芸紹介家、頭木さんのエッセイ集。タイトル編を始め、一つ一つが面白く、気付きが多い。とことんひどい病気と生きる人の考えることは、これまで視界に入っていなかった。カフカが病気でもないのにその域にいた話が印象的だ。著者の文体は逡巡し読者に語りかけるようだ。自分の狭い世界が広げられたという思いがする。言葉にできるのは箸でつまめる具だけであり、スープの部分は、ことばにならない。本当に大切なものはそこにもある。という「口の立たない部分」を知るのは、魅力あり時間もかかる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/06/24(3246日経過)
記録初日
1995/11/05(10417日経過)
読んだ本
630冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
162296ページ(1日平均15ページ)
感想・レビュー
611件(投稿率97.0%)
本棚
3棚
性別
現住所
長野県
URL/ブログ
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/xc/modules/AACHBlog/index.php?cid=7
自己紹介

40年来、登山愛好家です。
焚き火とイグルーでの冬季長期山行。夏は地下足袋で長期沢山行。
道具に依らず身体能力を高めて昔の人みたいに山に登りたい。
なるべく初めての山を、いちばん天然で無垢のルートから、
ふさわしい季節に、ふさわしい苦労をして登りたいです。

読書分野は探検、民俗、むかし、戦国、近代史、郷土史、先住民、外国語、文字、家事の心得、DIYなど。小説はたまに。
戦前の山岳古書が多数あり、感想をおいおいこの場にまとめたいです。

著書/冒険登山のすすめ(ちくまプリマー新書) 

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