小説として読むとだいぶ「う〜ん」だけど、ゲームブックやTRPGのリプレイシナリオだと思うとけっこう楽しく読める。まあ小説ではないよね。一緒に考えるのを楽しむなぞなぞ本とか頭の体操に近い読み味で、こういう読み物も私は嫌いではない。

図書館。カビ、だいぶ高等な生き物。興味深い内容で面白く読んだけど、菌類の分類まわりが理解しにくかったな。接合菌類の接合胞子とか、148ページの解説を見てもわからず、77ページの写真でやっと理解。二つの菌糸が接合して胞子を作るという名前まんまの生態なんだけど、文字だけだと理解し難く、でもまんまだから理解している人にとっては説明不要に思えるのかもなあ。

馬車一つで旅するのも、見つけた土地に一から家を作るのもすごいけど、印象に残るのはやはりインディアンの話。土地を耕すのが大地のためという思想は、時代柄仕方ないとはいえなんとも傲慢……。インディアンに好意的なとうさんでさえ、インディアンの居住地を奪うことに抵抗がない。「野生の人間」という言葉のなんと恐ろしいことか。

ふと思い立って子供の時ぶりに読み返し。もっと牧歌的な話かと思っていたけど（実際描かれているのは牧歌的な生活ではあるけど）、アメリカ開拓時代の話だったんだなあ。食べ物の話が読んでいて楽しい。

ユーモアを楽しむと同時に、今の倫理観だと許されないよなあという思考もちょっと顔を覗かせる。

小説として読むとだいぶ「う〜ん」だけど、ゲームブックやTRPGのリプレイシナリオだと思うとけっこう楽しく読める。まあ小説ではないよね。一緒に考えるのを楽しむなぞなぞ本とか頭の体操に近い読み味で、こういう読み物も私は嫌いではない。