ネタバレとても面白かった！高校時代「暗黒の中世」と習った記憶があるけどウン十年たって肉付けされた感じ。社会背景やトピックの面白さもあるが一番はやはり集団の人間模様だろう。幾人かの視点を行き来する構成が生きている。ガブリエル、アンヌ、レイモン、ベルトラン、ドミニク、カドック‥‥みんな面白い。読後ふと気付く、エティエンヌは？空っぽ、空虚。ただそこにある。児童演劇用に考案されたそうで、そのためか皆川さんにしては描写少なめで残念。

ネタバレ派手さはないが人の心情に寄り添う（ソーシャルワーカーのように）ペレスが好きになった。ミステリーにありがちな、探偵が居丈高に犯罪を暴き犯人を断罪する謎解きシーンが苦手だ。しかし、このシリーズは毎回魅力的な登場人物が死ぬ！こんな非情な作者はいない！厳しく容赦のない男になるのか？わたしが好きになった警部とはもう会えないのか？だとしたら、クリーヴス、この設定は失敗だ！次のシリーズで確かめよう。

ネタバレ毎度ながら、こいつが犯人なら納得だよ！というやつがハズレで、残念で悲しい結末。今回ははずす男サンディが敬愛する祖母の事件に覚醒、大活躍！しかし、個人的に読みどころと思うのは女性たちの思惑と活躍がそれぞれいきいきと濃密に描かれていること。なのに結末が残念で悲しいのは何がいけなかったの？シェトランドは昔ながらの保守的な男性中心のコミュニティのようだ。心の声をフォントを変えるのは好きじゃない。