ネタバレ2019年9月27日初版。原題"The Word Is Murder"(2017)。ダニエル・ホーソーンというロンドン警視庁顧問の元刑事をホームズ役に、ホロヴィッツ自身をワトスン役に据えたシリーズ物の第一作。自らの葬儀の手配をした日に、資産家の老婦人が殺害される。ホロヴィッツはドラマ『インジャスティス』の脚本協力で知り合ったホーソーンから、事件を捜査する自分を本にしないかという話を持ちかけられる。この作家自身がレガシーの一部であろうイギリス刑事ドラマの魅力に満ちている。途中で出てくる映画関係者にびっくり。
ネタバレ2020年9月11日初版18日再版。原題"The Sentence is Death"(2018)。題名に文法用語を用いた探偵シリーズの二作目。離婚弁護士の殺害事件をホーソーンとホロヴィッツが調査する。まだ単品ミステリーとしての面白さを保ってはいるが、被害者の人格が発端となった過去の事件でだけ描写が変わるのはフェアプレイと言えるのだろうか。ともあれ、作中に登場する純文学と大衆ファンタジー小説の関係は魅力的だし、自分をあれだけ間抜けに描くホーソーンの諧謔精神も見上げたもの。ドラマ撮影の舞台裏物としても出色。
ネタバレ2022年9月9日初版10月7日再版。原題"A Line to Kill"(2021)。チャンネル諸島の実在する小島オルダニー島(Alderney)が舞台。ダニエル・ホーソーンを探偵役、著者ホロヴィッツを助手役とし、文法用語を題名に使ったシリーズの第三弾。販促活動のため文芸フェスを訪れた二人が、フェス中に発生した殺人事件解明に乗り出す。ホーソーンの素性や過去の方が本編の謎よりも魅力的なのが難点。しかし暗い過去やトラウマを持つが並外れた捜査能力を持つ刑事というのは、イギリスの刑事ドラマの王道パタンではある。
ネタバレ2019年9月27日初版。原題"The Word Is Murder"(2017)。ダニエル・ホーソーンというロンドン警視庁顧問の元刑事をホームズ役に、ホロヴィッツ自身をワトスン役に据えたシリーズ物の第一作。自らの葬儀の手配をした日に、資産家の老婦人が殺害される。ホロヴィッツはドラマ『インジャスティス』の脚本協力で知り合ったホーソーンから、事件を捜査する自分を本にしないかという話を持ちかけられる。この作家自身がレガシーの一部であろうイギリス刑事ドラマの魅力に満ちている。途中で出てくる映画関係者にびっくり。