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2024年4月の読書メーターまとめ

電波時計
読んだ本
11
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3691ページ
感想・レビュー
11
ナイス
181ナイス

2024年4月に読んだ本
11

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

電波時計
ネタバレ江戸末期の浮世絵師、歌川広重の半生を描いた作品。浮世絵師として40歳近くまで鳴かず飛ばずだった広重は、当時高価な舶来絵の具だったベルリン藍(ベロ藍)を用いた『東海道五十三次』によって成功の階段を歩み始める。多くの人たちとの出会いと別れの中で、広重晩年には「安政の大地震」が起こる。養女・お辰に震災前の美しい江戸を残したい、被災者を励ましたいという思いで描かれた『名所江戸百景』。とても爽やかな読後感で最後まで面白く読むことができた。作品集も見たい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
11

電波時計
4年前に読了した『魔の山』だが、積み残し感というかモヤモヤした感じを残したままの読書となってしまったのは覚えている。本書は「100分de名著」テキストであり、初読時に自分のなかで積み残した箇所がピンポイントで丁寧に解説されており、目から鱗が落ちる思いがした。本書を読むことで、はじめて『魔の山』の魅力の一端に触れることができたように思う。フランス文学やロシア文学の有名作品と比べ て、『魔の山』の解説書は少ないので、本書の存在はとてもありがたかった。
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電波時計
ベルリン3部作の2作目である本作品は、前作から2年後の1938年夏のベルリンが物語の舞台となる。私立探偵である主人公グンターは、ある事情で不承不承古巣の警察に警部として復帰することになる。前作同様、やはりナチス絡みの事件の様相を呈していくのだが、個人的には前作よりも面白かった。ナチスの大物人物をゲスト出演させているのが、物語になんとも言えない迫真性を増しているように思う。
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電波時計
約一年ぶりに再読した。多くの人間に裏切られたルソーだが、心のなかでは「人間を信じることをあきらめたくない」という思いもあるように感じた。他人との贈与関係について、独自のこだわりのあるルソー。ルソー自身の自己弁解と思えなくもない箇所もあるが、人生や幸福について静かな感動を与えてくれ、色々と考えさせてくれる一冊だと思う。折に触れて読み返したい。
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電波時計
1936年のオリンピックを間近に控えたベルリンが舞台のハードボイルド物である。主人公は、探偵としては反権力的、減らず口とユーモア、タフネスぶりといった定番の資質を備えており、事件の依頼内容も極めてオーソドックスなものだった。しかしやはり、ナチ政権下ならではの事情に影響されるうちに事件はあらぬ方向へと動き始める。先日読了したクラウス・コルドン「ベルリン3部作」で当時の雰囲気を掴むことで、結果的に本書を読む楽しさが増したように思う。次作で探偵稼業は続けられるのか。
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電波時計
本書は主に博士号取得までの5年間のオックスフォード大学マートン・カレッジでの留学記が、飾らない文体で丁寧に綴られている。以前読んだ『テムズとともに』同様に、とても魅力的なエッセイだった。海外の一流大学で学位を取得することはここまで大変なのかと驚くばかりで、世界ランキングで日本の大学が上位にランキングされないのも納得してしまう。このような海外の一流大学での学位取得者を有効活用できない、日本の学閥主義のようなものはなんとかならないものか。
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電波時計
(1/2)有名な弥次郎兵衛と北八もの。あまり旅心は刺激されないが、滑稽本として面白く読んだ。多くの狂言や小咄を参考にして話に滑稽味を出しているが、具体的にどこが面白いのか丁寧な注釈がなされている。随所に飛び出してくる挿画や狂歌も素晴らしい。「発端」では小悪人に思えた二人だが、旅が進むにつれて滑稽な喜劇的人物に思えてくる。毎度バカバカしいイタズラをしでかす二人だが、どうせまた失敗するのだろう(成功するわけがない)という妙な安心感がある。関西人のいけずぶりも面白い。
電波時計
2024/04/17 18:53

(2/2)旅を続ける弥次郎兵衛と北八だが、彼らが月代を剃るシーンがないことに対して、一九に対してケチを付けた読者がいたようだ(当時は数日に一度は剃るのが当たり前だったようだ)。そのクレームを受けて続編において律儀に月代を剃るシーンを面白おかしく書き入れる一九。昔も今もどうでもいいことにケチをつける読者がいたようだ。

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電波時計
97年5月発行(2刷)。お茶漬けのおまけでおなじみの広重作品。有名な「東海道五拾三次」、実は保永堂版・行書版・隷書版と三種類あることを先日読んだ『広重ぶるう』で初めて知った。本書はこの三種類に加えて「東海道張交図会(はりまぜずえ)」、渓斎英泉「東海木曽両道中懐宝図鑑」が収録されている。雪景色がとても良い。解説も大変に読み応えがあり、旅心が刺激され満足のいく1冊だった。
電波時計
2024/04/15 18:30

「東海道五拾三次」「東海道張交図会」は東海銀行(現三菱UFJ銀行)所有、「東海木曽両道中懐宝図鑑」は人文社所有。

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電波時計
ネタバレ江戸末期の浮世絵師、歌川広重の半生を描いた作品。浮世絵師として40歳近くまで鳴かず飛ばずだった広重は、当時高価な舶来絵の具だったベルリン藍(ベロ藍)を用いた『東海道五十三次』によって成功の階段を歩み始める。多くの人たちとの出会いと別れの中で、広重晩年には「安政の大地震」が起こる。養女・お辰に震災前の美しい江戸を残したい、被災者を励ましたいという思いで描かれた『名所江戸百景』。とても爽やかな読後感で最後まで面白く読むことができた。作品集も見たい。
が「ナイス!」と言っています。
電波時計
ネタバレもともと北前船について興味があり本書を読み始めたが、主人公・工楽松右衛門が『菜の花の沖』で有名な高田屋嘉兵衛に匹敵する海商であることことを初めて知った。その松右衛門、「松右衛門帆」を筆頭に江戸後期の海運業に多大な貢献をしたが、道民としては択捉島の埠頭建設、箱館のドック築造といった北海道開発のほうに興味が行ってしまう。そしてのちにこれらの地所を高田屋嘉兵衛に譲渡するという粋な計らい。嘉兵衛に比べると知名度は低いように思うが、なかなか魅力的な人物だった。
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電波時計
(1/2)『イエスの生涯』『キリストの誕生』の合本。著者の遠藤氏が聖書を相当深く読み込んでいることがよく分かる1冊で、わかりにくかった聖書の行間を埋めるように、遠藤氏独自の見解というか大胆な仮説が展開されていく。学問的に正しいかどうかは知らないが、とにかく滅法面白くいちいち腑に落ちるので、先が楽しみでワクワクしながら読むことができた。
電波時計
2024/04/06 19:14

(2/2)本書を読む前はイエス・キリストという人物について、全く身近には感じなかった。読了後は、弱さ・欠点も含めてイエス・キリストの様々な一面を感じることができ、わたしの中で〈イエス・キリスト〉が何となく身近な存在に感じられるようになった。信者にとっては、永遠の同伴者となる心強い存在なのだろうと思う。

が「ナイス!」と言っています。
電波時計
ネタバレ1976年4月に創刊された『本の雑誌』。この創刊当時の話は、椎名誠『本の雑誌血風録』『新宿熱風どかどか団』が有名だが、椎名の本が90年代後半に書かれたのに対し、こちらの本は創刊から10年後の1985年5月に発行されている。また本書は編集の裏話よりも、創刊から行っている直販の配本部隊10年の歩みに重きが置かれている。椎名のような熱量の感じさせる文体ではないが、配本部隊を務める学生たち(助っ 人)に対する目黒考二の兄のような教師のような優しい眼差しが印象的な作品。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/09/12(4981日経過)
記録初日
2010/09/13(4980日経過)
読んだ本
1478冊(1日平均0.30冊)
読んだページ
524035ページ(1日平均105ページ)
感想・レビュー
1414件(投稿率95.7%)
本棚
0棚
性別
現住所
北海道
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