結婚詐欺事件を主軸に始まったストーリー。展開が遅々として進まず、事件的にはドキドキするようなものでなく、地味～に進んだ印象。ラスト近くの新たな展開で、結構ハラハラしたし、ギュっと心をつかまれた。本作ではこれまでほど、息子や義母の話はあまり登場しないな、と思っていたら、最後の息子との会話がなんともいえず泣きそうになった。父と息子、接する時間は少ないはずなのに、なんて良い子に育っているんだろう、と感動。

ラストを飾るにふさわしく、とても面白かった作品。加害者と被害者になる理由をつきつめると、それが逆の立場かもしれない、と思えるような事件は現実にもある。この作品の事件も複雑な動機や理由を考えると、純粋に法だけで裁くことが正しいのかどうか、と気持ちが落ちる。ラスト近くで犯人が叫ぶ場面、声が聞こえるようで心が揺さぶられた。こういう犯罪は小説であっても気が滅入る。それを打ち消してくれるような優斗の成長、優しさがなんとも心地よく、大友さんとともに親気分を味わった。

結婚詐欺事件を主軸に始まったストーリー。展開が遅々として進まず、事件的にはドキドキするようなものでなく、地味～に進んだ印象。ラスト近くの新たな展開で、結構ハラハラしたし、ギュっと心をつかまれた。本作ではこれまでほど、息子や義母の話はあまり登場しないな、と思っていたら、最後の息子との会話がなんともいえず泣きそうになった。父と息子、接する時間は少ないはずなのに、なんて良い子に育っているんだろう、と感動。