日本女子フィギアスケート界に2人の天才少女が現れた！世界ではロシアの少女が上位を独占して久しいが、2人ともロシア勢を凌駕する実力がある。1人は自分にも他人にも厳しく、傲慢で高飛車な瑠璃。もう1人は無邪気で自由奔放だが、4回転ジャンプを武器にするひばり。勝手気侭な天才少女たちを、2人を取り巻く振付師とコーチの視点から描いていく。 冬季オリンピックの代表枠は残る1人。最後の椅子を掛けて2人は全日本選手権で激突する。 最後の着地が実に見事で、胸が熱くなる！フィギュアスケート好きに是非読んでもらいたい。Ａ－評価

『他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶが、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか？』 御大の別名による本格ミステリ大賞受賞作。この年齢でこれだけの作品が生み出せるのは驚きだ。▼ 第二次大戦の末期。本庄究は画家の娘・朋音に恋をする。その頃、横暴を繰り返すアメリカ人が刺殺される事件が起こる。究の人生の中で起こる3つの殺人事件。そのどれもが密室や時間軸などを基にしたトリック。ラストの探偵が登場する件でようやく仕掛けに気がつくが、切ない余韻が残る。Ｃ評価

第1回『このミス大賞』の最終候補作。 旅行で山奥の温泉地を訪れた2人の女子大生。そこは古い因習が残る怪しい村だった。 次々に襲う恐怖の事件。今すぐ脱出しなけれは『生き神』として一生座敷牢に監禁される。　2人は生きて逃げ出すことができるのか…。 前半はホラー感万歳のスリラー、後半は少々ふざけたノリになっているが、全体的にはテンポもよく、誰を信じたらいいのか分からない展開や危機迫る選択、ハラハラ感が良かった。 B級ホラー映画感満載。Ｃ＋評価

犯人だけでなく、タイトルの〇〇〇〇〇〇〇〇に入る諺を当てる変則的なミステリ。早坂吝さんらしい。 『史上最もＨな探偵』が登場するというだけあって、なかなか過激な描写が多いけど、それが伏線になっているとは恐れ入る。 そして、本作最大の仕掛けが判明したときは、衝撃とともに、笑ってしまった！ 基本的にはバカミスだけれど、堂々とした本格ミステリでもある。そんな不思議な作品。 仲の良い読友さんには決しておススメできないけど。Ｂ＋評価

上海郊外の湖のほとりに佇む洋館を舞台に、連続密室殺人事件が起こる。警察も頭を抱える難事件に、人気漫画家である名探偵が、声優のヒロインと一緒に事件を解決へと導いていく…。▼華文ミステリなるものを初めて読んだ。『密室の王』と呼ばれる中国人が書くミステリって、どんなだろうと思っていたが、意外に日本のミステリに近い。ていうか、日本のサブカル愛が凄い！全体的に『金田一少年の事件簿』の雰囲気を醸し出しているが、バカミスに近い力技の物理トリックは、島田荘司を彷彿とさせる。やや大味で雑なところが難点。Ｃ＋評価

短気だけど、お節介で人情味がある落語家・今昔亭三つ葉。ひょんなことから始めた落語教室に、話し方に悩みを抱えた生徒が集まってくる。吃音で対人恐怖症のテニスコーチ、口下手な美人劇団員、関西弁でクラスに馴染めない小学生、あがり症で解説が苦手な元プロ野球選手。落語の世界を通じて、皆んなの悩みが優しく語られる。悩みが完全に解決することはないけど、挫折を繰り返しながら、頑張っている登場人物たちを思わず応援したくなる。 『肝心なのは自分で自分を良しと納得すること』心温まる穏やかな読後感だ。Ｂ評価

日本女子フィギアスケート界に2人の天才少女が現れた！世界ではロシアの少女が上位を独占して久しいが、2人ともロシア勢を凌駕する実力がある。1人は自分にも他人にも厳しく、傲慢で高飛車な瑠璃。もう1人は無邪気で自由奔放だが、4回転ジャンプを武器にするひばり。勝手気侭な天才少女たちを、2人を取り巻く振付師とコーチの視点から描いていく。 冬季オリンピックの代表枠は残る1人。最後の椅子を掛けて2人は全日本選手権で激突する。 最後の着地が実に見事で、胸が熱くなる！フィギュアスケート好きに是非読んでもらいたい。Ａ－評価