ネタバレ時代の転換の渦に飲み込まれる映画監督の卵の2人の話。あんまり映画には詳しくないので正直、尚吾の考えは古く感じられた。絋が抱えていた質と打ち出し頻度のバランスの問題は、同じ著者の「何者」でも語られていたことだったけれど、創作物が溢れかえる今の時代に沿ってより深く考えられている。良い作品の何たるかについての言及もあって、何か作る時には参考にしたいと思った。終盤の尚吾と千紗の会話で「騙す」と表現された事については、良い物を提供しているならそれは詐欺ではなくマーケティング的演出なので胸を張るべきだ。

ネタバレ今まで読んだ本の中で1番読むのが辛かった。誰にも真実をわかって貰えない辛さがキツかった。読後感が良いという口コミを希望に読み進めたけれどその通りで安心した。2人が末永く幸せに一緒に暮らせることを願わずにはいられない。色々な報道があるけど、多くは自分には関係ないのだから一歩下がって見る姿勢が大事なのかな。思い込みで当事者に迷惑をかけるのは良くない。あと彼氏は慎重に選ぶべきだと思った。

ネタバレ発達障害を扱った物語だった。その人のせいじゃないのはそうだけど、ADHDの人はどうしたって働くのに向いてないし、ディスレクシアの人が初等教育でつまづき落ちこぼれるのは理解が広がってない現在以前の環境では仕方の無いことだと思う。品川さんはこの後ちゃんと働いていけるのかな。清瀬は正しい理解を示していけるのかな。

ネタバレ鈴木田吾作気持ち悪い。自分と近いのに関係ないところで大きな事件が起きると「なんか凄い」もっと言うと「面白い」と思ってしまうの、とても不謹慎なんだろうけど共感してしまった。山手線を爆破しまくるテロとか、簡単に出来てしまうんじゃないかと思うけれど、誰もやらない現実でよかった。もし本当に起こって、テレビでそれを見たりしたら「なんか凄い」と思ってしまうのだと思う。

ネタバレここで終わり！？もっと読んでいたかった。恋愛や友情の括りだけでは考えられない2人の関係性と、出会っては別れを繰り返す切なさに引き込まれた。それはそうと果遠と水人の離婚は良くないと思った。瀬々の為には絶対ならないと思う。結珠の夫となった藤野さんは理解がありすぎる。こんな聖人は現実にはいないと思う。自分にも結珠と果遠のような友人が、藤野さんのような頼れる人がいたらいいのにと思った。