ネタバレなんて甘くて温かい作品なんだ。喫茶店のマーブル・カフェの店員の男性が出す一杯のココアから繋がる12編の物語。それは東京から海を越えてシドニーまで繋がる。登場人物たちの人生が直接的、時には間接的に繋がる物語の構成と、心温まるエピソードの数々に仕事の疲れも癒される。個人的には『半世紀ロマンス』が一番好き。そして、最後の話では、シドニーから東京へ。ココアよりも甘くて熱々なラスト1ページの締めくくりに思わずニヤリ。

ネタバレなんて甘くて温かい作品なんだ。喫茶店のマーブル・カフェの店員の男性が出す一杯のココアから繋がる12編の物語。それは東京から海を越えてシドニーまで繋がる。登場人物たちの人生が直接的、時には間接的に繋がる物語の構成と、心温まるエピソードの数々に仕事の疲れも癒される。個人的には『半世紀ロマンス』が一番好き。そして、最後の話では、シドニーから東京へ。ココアよりも甘くて熱々なラスト1ページの締めくくりに思わずニヤリ。

ネタバレ中学の図書室で漫画版をパラパラと見た覚えが。なんだか如何かわしい本だなぁと感じた記憶がほんのり。ナオミへ崇拝とも言える偏執的な愛情を注ぐ男と、魔性の女っぷりを発揮する自由奔放で掴みどころのないナオミの生活を描く本書。家出娘の幼いナオミを自分の思い通りにするために習い事や我儘を全て聞き入れた結果、ナオミは男の扱いに長けた美人へ成長し、他の男とも関係を持ってしまう。何という本末転倒。いや、主人公はこれでも幸せなのか。。2人の関係の顕著な変化を象徴するようにお馬さんごっこのシーンが印象的。

ネタバレ軽い気持ちで読むと、ぐさっと心に刺さる。普段意識することなく相手に対して下す評価。そこにある自分の価値観を大事にするが故の傲慢さに気付かない。外部要因に左右され、自分の意思決定ができない善良さ。凄く耳が痛い話なのにぐいぐい引き込まれる。個人の価値観が尊重される時代、少子化が加速して貧困化が進む時代に、どこまで傲慢さを捨てて、善良になりすぎずに意思決定できるだろうか。今後、心の中に残り続ける一冊。恋愛に悩んだらまた再読したい。