主人公のマストアイテムが、BB弾の銃とおもちゃの剣というところからして大好き。30代女性は持ち歩かないであろうそれらを武器に「邪悪なもの」と戦うなんて話が、不思議と説得力をもってハートフルに描かれる。褒められもせず見返りもないのだから、見えないふりをすればずっと生きやすいのに、「見える」ことで苦しんだ過去があるから、「足が滑りそうな端っこを歩かなくちゃならない人」を放っておけないのだろう。悪態つきながらボロボロになって戦うその原動力が、こんな世の中ではあまりに軽んじられている「親切心」というのも最高だ。

＜おまえさんらだって、虫やミミズをくうのにいちいち念仏をとなえてきたか。＞感謝も弔いもせず日々鈍感に様々な生きものの命を食べて生きているくせに、思い出したように弱肉強食という自然の摂理を嘆くことはエゴでしかないと突きつけられる。＜誰よりも幸福にながく生きていたい、と思うことは、誰かを身代りにすることかもしれません。＞そのことを悲しんだり残酷だと批判するのではなく、その重さを知ってよろこびとする、生きとし生きるものへの讃歌。

主人公のマストアイテムが、BB弾の銃とおもちゃの剣というところからして大好き。30代女性は持ち歩かないであろうそれらを武器に「邪悪なもの」と戦うなんて話が、不思議と説得力をもってハートフルに描かれる。褒められもせず見返りもないのだから、見えないふりをすればずっと生きやすいのに、「見える」ことで苦しんだ過去があるから、「足が滑りそうな端っこを歩かなくちゃならない人」を放っておけないのだろう。悪態つきながらボロボロになって戦うその原動力が、こんな世の中ではあまりに軽んじられている「親切心」というのも最高だ。