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2024年4月の読書メーターまとめ

しい太
読んだ本
11
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4283ページ
感想・レビュー
11
ナイス
96ナイス

2024年4月に読んだ本
11

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しい太
警察官の不正を調べる監察に配属された元捜査一課刑事の主人公が、身内に疎まれたり彼らを疑ったりしながら地道にひたすら行確を続ける話。設定や筋書きそのものは面白いんだけど、主人公の職務都合上どうしても「AがBについての(Cに何かしたという)噂の真偽をDに確認する」みたいな迂遠なやり取りが多く、若干ダルいなとは思った。漫画チックなキャラクターの上司がなかなか良く、シリーズとしての展望もきいていて好感触。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
11

しい太
警察官の不正を調べる監察に配属された元捜査一課刑事の主人公が、身内に疎まれたり彼らを疑ったりしながら地道にひたすら行確を続ける話。設定や筋書きそのものは面白いんだけど、主人公の職務都合上どうしても「AがBについての(Cに何かしたという)噂の真偽をDに確認する」みたいな迂遠なやり取りが多く、若干ダルいなとは思った。漫画チックなキャラクターの上司がなかなか良く、シリーズとしての展望もきいていて好感触。
が「ナイス!」と言っています。
しい太
想像していたより感傷的、メランコリーな作品が多かったのでぼんやり読んでいると「ブラッドベリだったかな?」ってなる。でも伊藤典夫は訳者後記で「甘い、甘い」と連呼しており、なんというか70年代あたりのSF観って今よりいかつかったんだろうな。伊藤氏直々のセレクトだけあって収録作品全部良くて、様々に変奏されたボーイミーツガールが楽しめる。表題作がやはり一番だけど、『リトル・ドッグ・ゴーン』も懐かしい優しさがあって好き。
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しい太
若いころならともかく、今は超常的な怪異が理不尽に殺戮を繰り返す様子を怖いと感じる回路が閉じているので、本編の大半で展開される「なんやかんやあって怪談を聞いた人の眼が破裂して死ぬ」くだりが退屈で(何度も何度も同じことの繰り返し)、かといって、怪異なりの理屈があってこういう現象が起きているのだという解明パートにも「駄洒落か?」と冷めきってしまったので、これはもう読んだのが間違いだったんだろう。
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しい太
ネタバレ小学校の頃、仲間五人で骨格標本の骨を埋めるために森へ行ったが、あれは本当は人骨だったのではないか? 大人になった面々の現況と回想を積み重ねて真相に近づいていく手堅いサスペンス。ミステリとして凝ってるわけではないが人間ドラマは丁寧で、相変わらず実直な物語の巧い人だなと思う。ただ、著者の名前を「凄い作家」として作中に出して、あまつさえ重要な役どころを任せてしまうノリはちょっとよくわからんかった。アナグラムに重要なメッセージ任すのもやめんか?
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しい太
長年同棲していた恋人が行方不明になってパニックのアダムが必死に彼女を捜す工程がメインで、害意はない筈なのになぜか周囲の人間をボロボロにしてしまうロマンの道行がサブラインとしてサスペンスを盛り上げている。終幕を切り取ったプロローグから一貫して読み手を引き付ける展開が巧く、「なぜそういう結果に至ったか」の部分が凝っていて最後まで面白かった。海洋法コワ。あとアダムもロマンも(他にもいるけど)根本的に独善的で、こうと決めたら超近視眼的、視野がめちゃくちゃ狭くなる感じがやたら怖かった。
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しい太
カバーイラストが良くて(トクマの特選!は大体良い)他は何も知らずに読んだが、プロローグで語られる「李蘭について語るには葉介のことに大半割かないと」という文言が全く嘘でなく、七割読み終えてもまだ李蘭が出てこない構成は今の感覚だと凄い勇気。葉介は少年期からたいがい無頼漢な生活なのだが心根が怖いほど誠実で、人の心を詮索しないし裏切らない。でもポーカーは強くて演技も得意。言ったらなんだけど昭和の男って感じじゃないし、李蘭もファムファタルというよりは情の深い人で、まあとにかく意外な情感のある作品だった。
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しい太
何となく通称731部隊を内部から描くものだと思い込んでいたので、読んでいくうちに「治療法のない細菌兵器を巡る情報戦」が主軸のサスペンスだとわかって「じゃあタイトルはそのまんまの意味か……」とはなった。登場人物の大半が正義と倫理で背筋が伸びており、故に人道に悖る細菌兵器研究に関して研究者としての魂が相克するところもきちんと描かれているのだが、なんというか史実に付け足したフィクション部分の面白味が薄いなーと思った。
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しい太
「イヴリン嬢」は特殊設定が厄介で面白さがやや飲み込みづらい作品だったが、こっちは大航海時代・悪魔に呪われた船・謎解き人(この時代名探偵はまだいない)とその助手……と興味深い要素を序盤からわかりやすく展開するのですごく世界に入りやすい。頭の片隅にオブラ・ディン号の帰還があるお陰で色々理解も早い。船の難破から先の展開は倫理と正義がぐちゃぐちゃになってラストには(感情が一周して)ニコニコしてしまった。この一作で作者のファンになったわ。次作待機。
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しい太
引っ込み思案の「名探偵」音野と、その推理を小説にしつつ音野の生活周りの面倒を見たり折衝を担当したりもする「助手」白瀬のシリーズ短編集。これより前、坂木司の引きこもり探偵シリーズも似たスタイルで御手洗潔オマージュがそこそこあったのを思い出す(あんまり好きじゃなかったが)。音野が嘘でしょというくらい縮こまっている一方で白瀬はむしろステロタイプな名探偵の佇まいを持っていて、バディというよりは完全にニコイチの印象。物理の北山らしいトリック満載で、なおかつなぜかほんわかした雰囲気があって良かった。なぜ?
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しい太
砂漠に電話ボックス、という中々傾いた始まりから、その状況の何故を解明するよりも、カットバックで入る主人公シロの過去のしんどさが上回って不気味な読み心地だった。シロが健気な好青年とか純粋な悪人ならまだよくて、こっちの同族嫌悪を喚起するじわじわと厭な奴だというのが厄介。一方で物語のカギを握る女性キリは一々作為的というか言うほど魅力的に思えず、クライマックスはなんか勝手に盛り上がられてしまったなあという印象になった。あと、話にそこまで関与しない上司のエピソードが良すぎる。
が「ナイス!」と言っています。
しい太
原書では一冊で出ていた短編集を三分割したうちの三冊目。エイダルフが一編も出てこなくて寂しくはあるが、そもそもこの三冊には出てこなかったか。どの作品もミステリ的にそんなに凝ってはいないが軽薄でもなく、フィデルマが思考も行動も電光石火なので気持ち良いペースで読める(どっかの作品の解説で田中芳樹が言ってた通り、めちゃくちゃ高圧的ではある)。「不吉なる僧院」は題材や情景的に長編でも全然良いのではと思った。不穏さが読了後もじわっと残る佳品。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/11/29(5654日経過)
記録初日
2000/01/01(8909日経過)
読んだ本
5474冊(1日平均0.61冊)
読んだページ
1800144ページ(1日平均202ページ)
感想・レビュー
1013件(投稿率18.5%)
本棚
0棚
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