アルツハイマー病の妻を手に掛けた元警察官。理由は嘱託殺人。殺人から自首までの空白の2日間をめぐって警察、検察、弁護人、報道陣、裁判官、刑務所の観点からそれぞれ描かれて一つの物語となっている。梶さんのような澄んだ人が殺人を起こさざるを得ない社会が、そしてそれがまかり通ってしまう環境がとても心苦しかった。けれど少年の存在が読み手の私にとっても救いであった。梶さんにはどうか長生きして欲しいと願ってしまう。

アルツハイマー病の妻を手に掛けた元警察官。理由は嘱託殺人。殺人から自首までの空白の2日間をめぐって警察、検察、弁護人、報道陣、裁判官、刑務所の観点からそれぞれ描かれて一つの物語となっている。梶さんのような澄んだ人が殺人を起こさざるを得ない社会が、そしてそれがまかり通ってしまう環境がとても心苦しかった。けれど少年の存在が読み手の私にとっても救いであった。梶さんにはどうか長生きして欲しいと願ってしまう。

ロースクール時代と弁護士時代との二部構成。法律用語や法の解釈も比較的分かりやすく述べてあったので読みやすかったが、各々の関係性をもう少し深く描写して欲しかったなと····。終盤に向けて隠されている事実が多く、各々の登場人物たちも皆誰かを擁護してばかりで少し置いてけぼり感が否めなかった。それでもメフィスト賞を受賞するくらいには面白かった。墓荒らしの人は一周回って好感でした。

驚愕の厚さとは裏腹に延々と読んでいられる構成でとても良い読書時間になった。世間の誰からも認知されていないお寺で次々と起こる僧侶の殺害に京極堂一同が挑むストーリー。僧侶って勝手に自分の中で神格化していたけれど、同じ人間なのだなと痛感する。宗教系の話なので自分に読めるか不安であったが、宗教に理解の無い登場人物がいることで読み手にも分かるようになっているのは流石だと感じた。きっと全てを理解はしていないけれど笑。姑獲鳥、魍魎、狂骨とも紐づいているのも面白さの一つかな。