読書メーター KADOKAWA Group

2024年6月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
124
読んだページ
37927ページ
感想・レビュー
124
ナイス
4841ナイス

2024年6月に読んだ本
124

2024年6月のお気に入られ登録
6

  • 六文銭
  • いちご
  • るる
  • 夜市よい
  • 遠宮にけ❤️nilce
  • 葛城騰成

2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
献身的に夫を支えていたのに、突然夫から離婚を切り出された沙也加。理由を隠す夫の浮気を疑い、頻繁に夫が立ち寄る定食屋「雑」を偵察し、そこで働き始める定食屋物語。大雑把で濃い味付けの料理を出すその店には、愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女ぞうさん〟魅入られるように定食屋「雑」でアルバイトをすることになり、ぞうさんを支えてそこに居着いてしまう沙也加。年齢も性格も違う2人でしたけど、一緒に働く中でぞうさんに少しずつ認められ育まれてゆく絆があって、かけがえのない居場所となってゆく結末がなかなか良かったですね。
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2024年6月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年5月の読書メーター 読んだ本の数:134冊 読んだページ数:39962ページ ナイス数:5180ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/5

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2024年6月の感想・レビュー一覧
124

よっち
地球人と異星人の間に発生したトラブルを解決する調停者・畦倉拓夢が、銀髪の来訪者・メリノエと共に事件を解決する近未来バディアクション。2002年6月5日、東京と呼ばれていた都市の一部分が消滅した地を調査することになった拓夢たち。あの時から止まったままの世界でループを繰り返す船室で、期せずして再会する拓夢がずっと忘れることがなかった夜空先輩。そして現地で協力してくれた同業者・柊豪十郎の存在。この現象を調べていくうちに、解決することの意味を知った拓夢の決意が印象的でしたけど、この物語の続きが早く読みたいですね。
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よっち
オベロンたち大妖精に留まらず、伝説の魔龍クロウにも懐かれた魔女アイリ。思いのほか強大な魔法生物たちを従えてしまったアイリが、王都で再出発する第2弾。その偉業を称えられるものの全く実感が湧かないまま、若き魔女ジュディスの診療所で働くことになるアイリ。町の人に慕われるジュディスに憧れる一方、悪魔憑きが急増するなど王都に漂うよからぬ気配に、大妖精たちの力を借りながら原因を特定した学園に潜入する展開でしたけど、妹は相変わず元気いっぱいで、危機的状況でも見守っているメンツが凄すぎてもはや安心感すらありますね(苦笑)
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よっち
引っ越しより鎖錠ヒトリの傍にいることを選んだものの、気恥ずかしさから距離が空いてしまった日向リヒト。何とか気持ちの整理をつけヒトリの家を訪問した彼が妹のマイと再会する第2弾。ヒトリがリヒトの妹の部屋に引っ越し、理由も分からぬまま始まった三人での同棲生活。ヒトリとの関係も改善に向かう一方で、妹のマイもベタベタ甘えてくるなどらしくもない行動をとってくる理由。ヒトリの母との邂逅もあって、なぜか先生を交えた三者面談に同席する事態もありましたけど、背景が明かされたヒトリが覚悟を定めて変わろうとする姿が印象的でした。
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よっち
赤崎晴也への恋心を自覚してますます魅力的になっていく沙羅と結奈。今度は文化祭の実行委員に指名されて小日向凜と忙しい日々を送る第3弾。クラスの文化祭実行委員に立候補した凜に指名されて、一緒参加にさせられることになった晴也。クラスの出し物を決めたり定例会に出席したりと、忙しい日々を送る中で意外な一面を垣間見せる凜と、彼女に悪意を抱く中学時代の同級生に遭遇した二人。輝きを増す沙羅と結奈に焦燥を募らせる凜の過去も明らかになってゆく中で、彼女を支えて悪意から守り背中を押す晴也のフォローがいい感じに効いていましたね。
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よっち
猫が集まる宮毛町に住む猫大好きな女子高生・奈爪一歌。眼の前で交通事故に遭ったはずの幼馴染・祭原牧が突然消えて、猫耳を生やして相談しに来る幼馴染小説。大切な幼馴染だけれど、仲違いしてもう一年以上口を聞けずにいて、同じクラスになったものの相変わらず疎遠な日々。そんな牧が突然一歌の家に相談にやってくる展開で、白猫と同化してしまったらしい牧に、モフモフ心を刺激される一歌には苦笑いでしたけど、どんどん同化が進んでいく牧のために、ツッコミどころ満載の神主・生水にアドバイスされながら奔走した結末はなかなか良かったです。
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よっち
天文部夏休み合宿をやりたいと突然、天文部の部長・清水愛から合宿計画を提案された大輝と妹の圭たち。合宿費を稼ぐため、彼らは愛に紹介されたお店でそれぞれアルバイトをする第3弾。カフェで一緒に働き始めて、元会長の歌穂にからかわれ、アドバイスされる清水さんと大輝。大輝の妹・輝乃と愛の策略で、大輝と一緒に水着や浴衣を選ぶことになった圭が口では何だかんだ言いながらもチョロくて微笑ましかったですけど、花火に海とベタなイベントの2人も良かったですし、陽介と愛、瀬戸と松岡といったそれぞれの恋模様もなかなかいい感じでしたね。
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よっち
感覚を同期させた《竜》に乗り、空の戦場を駆ける竜騎のエースパイロット・ロナード。最後の出撃で戦友を失い、彼が就任するはずだった士官学校に左遷されてしまうファンタジー。学校の先生という新たな立場に戸惑いながらも、女子生徒・シエルらを教えていくうちに少しずつ変わっていく心境。一方で竜を戦いの道具として使うことに反対する宗教団体のテロリストや思わぬ陰謀に否が応でも巻き込まれていく展開で、読めば読むほど全ての元凶に思えてくる黒幕の陰謀を阻止するため、過去を乗り越えて立ち向かっていく熱い展開はなかなか良かったです。
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よっち
かつて中二病の少女メアをサポートして、アイドルとしてデビューさせた来栖玲緒。高校に進学した彼がかつてメアだったクラス委員長の十七夜凪と再会する青春ラブコメ。ふとしたきっかけから芸能界を引退したメアの正体を知ってしまい、芸能界引退の条件である生徒会長当選を目指す凪をプロデュースすることになった玲緒。中二病を卒業してすっかりコミュ障陰キャ属性キャラになっていた凪の激変っぷりには前途多難でしたけど、難敵相手に駆け引きを繰り広げながら、かつてを知るがゆえの葛藤を乗り越えてみせた2人のコンビっぷりが光っていました。
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よっち
ハズレスキル【開錠】しか持たない冒険者ロッド。夢を叶えるために迷宮に潜る彼が騙されて転移罠により最下層へと飛ばされ、そこで迷宮神に出会うファンタジー。解散寸前だった憧れのギルド【勇なる御手】復活のため、馬鹿にされながらも迷宮へ潜るロッドが直面する悪意。しかし最下層で迷宮神ラヴィに出会い、受け継いだ能力を工夫して上手く活用する術を見出したことで飛躍的に強くなり、レイナとともに迷宮攻略に挑む展開で、明らかになっていく様々な過去に対する因縁も彼ららしい決着で、新たな希望を感じさせる結末がなかなか印象的でしたね。
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よっち
今日も教室で同志達とオタク話にいそしむ高校生・風見鳳理。彼と同居中で恋人同士で義妹のモデルもこなすクラスの人気者香月桜の秘密の関係を描く青春ラブコメ。学校ではトップカースト組として鳳理とは適度な距離を保ちながら、家ではアニメを見たり、コスプレをしたり、鳳理の手料理を食べたりと彼に甘える桜。両親の海外転勤で二人暮らしという状況で、秘密の関係と言いながらついつい絡みにいったりうっかりをやらかしたりする桜や、隣の二人組とのエピソードも良かったからこそ、思わぬ展開から改めて向き合う2人の思いもまた効いていました。
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よっち
他人の気持ちが分からないことが悩みの理系大学生・谷原豊。曾祖母の死をきっかけに、謎の霊媒師・鵜沼ハルと出会う少し不思議な青春ミステリ。自称大正生まれのハルが幽霊が見えず存在を信じていない理屈っぽい理系大学生の豊に依頼する、奇妙な慰霊のアルバイト。そんな中でハルと一緒に取り組む戦前病気で死んだ女性の慰霊、鵜沼サクラが説明する彼女の母とハルの奇妙な関係。やや人の機微に疎い合理的な豊のちょっと変わった言動や、文学部の高野先輩の存在も効いていて、埋蔵金のエピソードが思わぬところに繋がっていく結末も面白かったです。
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よっち
2021年に登場した会員制読書クラブ・メフィストリーダーズクラブで好評だった5人の小説家による書評連載を書籍化した1冊。もともとはLINEで配信していた青崎有吾、阿津川辰海、伊吹亜門、似鳥鶏、真下みことの5人が1人15回で計75回分のミステリー書評企画で、著者さんたちが考えた質問と選択肢から選ばれた書評を書くという構成。読んでいるとそもそも質問や選択肢の時点で著者さんの好みが色濃く出ていて、その選評もまたそれぞれに著者さんらしさ全開で、ブックガイドとしてだけでなく読み物としてもなかなか楽しめる1冊でした。
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よっち
温暖化する気候変動と資源問題、相次ぐパンデミック。そして止むことのない紛争と戦乱。22人のSF作家が地球と生命をテーマに寄稿する書き下ろしアンソロジー。それぞれの作家さんが思い描く地球と人類の未来とその結末は、これだけの数の物語があるとどうしても玉石混交感があるのは否めませんでしたけど、同じ地球上という舞台でも作家さんによってこんなに変わるんだなという独創性を楽しむことができました。個人的に壮大だった春暮康一さんの「竜は災いに棲みつく」、ブラックユーモアが効いていた「一万年後のお楽しみ」 が良かったです。
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よっち
自称世界一話しかけられやすい書店員が、さまざまな悩みを抱えてやってくるお客様に、ぴったりの本をすすめまくる、笑いあり涙ありの書店エッセイ。プロポーズするとき指輪と一緒に本を贈りたい、歴史マニアの彼と旅行に行くことになったが私は歴史に詳しくない、単身赴任中の夫に料理をしてもらうには?疲れすぎて本も読めなくなったら…といった書店にやってくる悩めるお客さんに本を勧めていく構成になっていて、毎回おすすめ本が紹介されているのもいいですね。こういういろいろ紹介してくれる書店員さんがいる書店なら行ってみたくなりますね。
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よっち
霞山大学の法学部から、同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成。自称助手の経済学部四年戸賀夏倫と、法学部四年矢野綾芽を加えて持ち込まれた事件を解決する第2弾。密室状況にある模擬法廷の証言台の前で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件。そこから繋がる2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎。官庁訪問会場で綾芽が相談された雪山での遭難事件。だいぶキャラ同士の関係性も馴染んできて、夏倫と綾芽の進路も気になりますが、ストーカーじみた顛末はあれでしたけど、今回の謎解きも軽妙で面白かったです。
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よっち
引退した刑事・三ツ輪勝也が殺され、誘拐された孫娘の楓花。身内を巻き込んだ犯罪に鳥越恭一郎も捜査へと駆り出される第3弾。事件現場となったかつて三ツ輪が追いかけていた、未解決の少女殺害事件が起きた胎岳村。『十雪会』と名乗る新興宗教の拠点で警察と軋轢もある閉鎖的な村を舞台に、過去の事件も絡めながら事件解決に挑む展開で、どうしても閉鎖的な村で怪しい教義が当たり前になっていくと、身内に対して甘く、そうでなくなった相手には厳しいとなりがちですが、後味の悪い事件でしたね…弟の光嗣もどうなっているのか気になるところです。
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よっち
怪しい何でも屋でアルバイトをする古賀晴海が、恋人の平澤翠に婚約者として無理やり連れていかれた実家のある山奥に立つ霊是一族の天狗屋敷で陰惨な事件に遭遇するミステリ。巻き込まれ体質のちょっとうさんくさい主人公が直面する、失踪した当主の遺言状開封、莫大な山林を巡る遺産争い、棺から忽然と消えた遺体。犬神家状態のイメージが先行したせいか、そこまで複雑というわけでもなく、分かりやすいキャラや関係性の中で繰り広げられるストーリーは意外と読みやすかったです。この主人公だとこういう娘とは結婚できないなとは思いました(苦笑)
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よっち
日常に潜む何かがおかしい。その違和感が浮き彫りになって衝撃の結末へと繋がる五つの連作短編ミステリ。家庭教師の派遣サービスに従事する大学生が母子に抱いた違和感、女の子をホテルに連れ込んだ男の真の目的、精子提供によって生まれた自分の娘と会ったことで気づいてしまった思わぬ真実、リモート飲み会から始まる浮気発覚騒動の顛末、ある事件をきっかけに島の人々がやけによそよそしくなった理由。感じた違和感は何だったのか?そこから導き出される真相と、そこからさらに一捻りして導かれる意外な結末にはなかなかインパクトがありました。
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よっち
とある事情から無気力な日々を送る高校二年生の樋口悠。久々に登校した教室で、休んでいる別の生徒のもののはずの空席に座る転校生の有馬帆花と出会う青春小説。どこかクラスで浮いている彼女を不思議に思いつつも、次第に打ち解けていく二人。ある日、姿を消していた樋口の幼馴染・水瀬凛が教室に現れて、それと入れ換わるように消えた帆花。決して交わらない2人と交錯する3人の想いが、やがて1つの事実に繋がる展開にはなかなか来るものがありましたけど、向き合えた彼が最後に得たかけがえのないものがとても印象に残る物語になっていました。
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よっち
義妹の悠羽を辛い日々から救い出し、同居生活を始めた六郎。家族として再び仲を深めていく2人が、夏休みにかつて六郎が住んでいた女蛇村を訪れる第2弾。出迎えてくれた元気潑剌な美少女加苅美涼と六郎の親しげな様子を見て、自分の気持ちに戸惑う悠羽。美涼の長い片思いが明らかになっていく中で、六郎と血が繋がらないことを知らない悠羽が、彼を改めて意識するようになっていくもどかしさがあって、ままならない環境の中でもお互いを大切に思う気落ちが感じられる関係を読んでいると、彼らの状況が好転してくれることを願わずにはいられません。
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よっち
異世界から現代に帰ってきて2年遅れで復学した陽南飛鳥と文月咲耶。異世界で敵として戦った勇者と魔女が、同級生として高校生をやり直し始める青春小説。かつての同級生で異世界では宿敵として戦い、どうにか一緒に帰ってきた何とも複雑な関係。窓から部屋にやってくる彼女の飛鳥への執着と、不器用に友人関係となった2人が知ってゆくお互いが抱える秘密、そして会いに来ていた本当の理由。役割を演じることしかできない不器用な咲耶と彼女を気に掛ける飛鳥の閉じた関係、それに彼を取り巻く周囲の人間関係を絡めた構図がなかなか良かったですね。
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よっち
18年前に迷宮が出現し若者を中心に攻略配信が流行する新宿。社畜サラリーマンの佐藤蛍太が、ストレス発散のためにダンジョンで無双する無自覚成り上がりファンタジー。密かに夜な夜な金属バットを片手に単身で深層階に潜り込み、凶暴なモンスターをかっ飛ばしていた蛍太。同居する姪っ子の光莉がその戦闘動画をこっそり配信したことで、そのありえない強さがバズリ注目を集める展開で、主人公の普段の孤立重視で生きたいのに、困った人を放っておけない性格がダンジョンでも出ていて、でも人気配信者スイレンへの反応の薄さに笑ってしまいました。
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よっち
社会現象になるほどの人気を誇っていた歌姫Arielの突然の死。歌姫を推して視聴するだけだった普通の少女・七音が、彼女の代役を探すオーディションに招待されるサバイバル。もしかしたら受かるかも、会場で推しに会えるかもといった軽い気持ちで応募した結果、文字通り生き残りを賭けた死のオーディションに否が応でも巻き込まれていく七音。それぞれに思いを抱えて参加した強烈な個性を持つ少女たちとのサバイバルゲームはなかなか壮絶で、最後の究極の選択もなかなか来るものがありましたけど、その結末もまた印象的な物語になっていました。
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よっち
少女でありながら男装して科挙合格を目指す受験生・雷雪蓮。彼女が試験会場でどう見ても女の子の受験生・耿梨玉を発見してしまう二人の男装令嬢が逆境に挑む中華試験譚。腐敗したこの世の中を変えるため、男性のみ受験可能で性別バレは即・失格、難問の科挙に挑む過程で知り合った2人。彼女たちを中心に協力して試験に挑む仲間もできる一方で、試験の1位の受験生を狙った連続殺人やカンニング疑惑に協力して挑む展開で、試験に対するそれぞれの思いも描いていきながら、合格を目指して奔走する彼女たちが迎える結末がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
復活したはずなのに知らないうちに消え去っていた魔人フェアレディ。そんな状況に戸惑うヒイロが、真実を探る暇もなく学園の寮長たちから次々と呼び出しを受ける第5弾。一大イベント「三寮戦」に向けて揃ってヒイロに転寮を勧めてくる寮長たち。その中で他の寮長たちよりも明らかに実力で見劣りするフラーウムの寮長ミュールの葛藤と、彼女を狙うアイズベルト家の「法殺鬼」こと劉悠然。ミュールのために奔走して、乗り込んだ彼女の実家アイズベルト家の掘り下げも進みましたけど、師匠も劉悠然も敵に回る中で始まる三寮戦がどうなるか楽しみです。
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よっち
唐代を生きた女性の華やかな服装ファッションを、発掘調査で見つかった唐代の遺物をもとに、今に伝わる史料や出土した古書遺物の記述と照らし合わせて再現した1冊。高祖から高宗までの時代の初唐、則天武后の時代、玄宗の時代から安史の乱までの盛唐、文宗までの中唐、武宗から最後の哀帝までの晩唐の5つの時代に分けて装束やアクセサリ、ヘアメイク、化粧などにどんな変遷があったのか、奈良時代の服装への影響も解説していて、ファッショントレンドが世相を色濃く反映して当時の社会や文化の雰囲気と同様に変化していく様子が興味深かったです。
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よっち
青森県の地方紙「陸奥新報」に連載中の人気エッセイ「図書館ウォーカー」から、未掲載分、書き下ろしやコラムも加えて単行本化した第2弾。車は運転できないので公共交通機関のみということで、今回も62の図書館の内と外も含めたあれこれに思いを巡らせる旅になっていましたが、県立・市立合築のオーテピア高知図書館など話題の図書館もあるものの、訪れた多くの図書館は本当に普通のありふれた場所も多くて、特にその図書館について熱く解説するわけではなく、その図書館を取り巻く周辺も描いているそのゆるさが逆に味があっていいのかもですね。
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よっち
「陰陽師は河童になったんです」一見、不可思議に思われる新説を唱えた民俗学者・桜咲竜司。「災害伝承」を専門とする彼が、その知識と考察でさまざまな問題を解決する第4弾。江戸の鬼門に位置する土地を巡る旧家の遺産相続争いの行方。小学生が見つけた藁人形に隠された恐るべき真相。今回も様々な民俗学的内容が語られていて、住んでいる近くの地名の由来も取り上げられていたりとなかなか興味深く読みましたが、謎を推測してゆく桜咲准教授をフォローする椎名さんの気配りも効いていましたね。藁人形の真相はやるせなかったですけど次巻に期待。
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よっち
四季折々の植物が生い茂り、猫が訪れる古民家で隆司と暮らしはじめた七穂。抜群の家事能力を生かして立ち上げた家事代行サービス「KAJINANA」に依頼が舞い込んでくる第2弾。七穂のもとにもたらされる対等で完璧な折半を目指す共働き夫婦、幼い娘のために亡くなった妻のカレーの味を再現してほしいという夫。最初の依頼者でもあった雑誌副編集長からの取材依頼もあったりと、彼女が始めた仕事も少しずつ軌道に乗り始めたのかなという展開で、相変わらず仕事に理解のなかった母との関係も、今回をきっかけに少しは変われそうで良かったです。
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よっち
伝説の魔王を倒して実力を大陸中に知らしめたユージン。その活躍を耳にした父から帰省を促され、恋人のスミレやサラと共に帝国へ赴く第3弾。帝国で再会した幼馴染で元婚約者の皇女アイリの複雑な想い。時を同じくして封印が解けてしまう百年前に帝都を半壊させた伝説の大魔獣。周囲と連携しながら討伐に臨むなかなか熱い展開でしたけど、白魔法しか使えないユージンの背景が明らかになったり、英雄となったユージンに対する各国の駆け引きが繰り広げられる中で、絆を深めたスミレやサラに対して、アイリとの関係がどうなるのか気になるところです。
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よっち
運命シリーズの十八番【月】ルルナを手に入れた桐谷駿。公安との協力作戦でオラクル旧研究施設の調査に向かった彼が、思わぬ罠に陥る第3弾。隙を突かれてカードの所有権を強制解除するリセットスタンプを打ち込まれてしまい、ミラたちは何とか逃したものの、気を失ってしまいオラクルの本拠地に囚われてしまう駿。所有カードを全て失った駿の元に現れるずっと探し求めていた妹・凜音。お互いの主張が噛み合わない彼女とはどこまでも平行線な印象でしたけど、仲間たちとともに彼を助けに現れたミラとの絆を感じさせる関係はなかなか良かったですね。
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よっち
ツインズとの対決を乗り越えたミルフィーユスターズの三人たちの提案で、クリスマスライブのあとパーティーを開催する第6弾。共同生活を送る彼女たちのためにパーティーの準備を進めたり、プレゼントを考えたりする凛太郎に対して、凛太郎のために何ができるのか密かにあれこれ画策するミルスタの3人。メンバーとデートしたりする一方で、風邪を引いた凛太郎をそれぞれ看病する3人という構図もある中で、取り巻く人々の意見を聞いたりしながら、ようやく自身が彼女たちとこれからどうしたいのかを考える凛太郎の大きな成長が伺えて良かったです。
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よっち
大司教ヨハンの未来予知を攻略して北部反乱を平定し、教会本部から呼び出しを受けたエルメスたち。意を決して向かった教会本部で、行方不明だった第二王女ライラと再会する第7弾。中立派への仲介を条件として持ちかけられた大司教討伐作戦に身を投じる中、教会内部で創成魔法の真実や、王家争いを裏で操る『組織』の全貌が徐々に明らかになる展開で、上手くいきすぎでは…と感じていたところに、ここに来て状況を根底から揺さぶるような真実を突きつけられ、盤面を全てひっくり返された感がありますね…ここからどう再び立ち上がるのか続巻に期待。
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よっち
剣聖を目指す主人ロザレナに頼まれ一緒に聖騎士養成学校に通うことになった美少女メイド・アネット。しかしロザレナが入学早々名家の令嬢に絡まれる第2弾。同級生のジェシカや監督生のオリヴィアといった個性豊かな寮の仲間と親交を深める一方で、ロザレナが級長任命に異を唱えて決闘を申し込む名家の令嬢ルナティエ。勝つためには手段を選ばないルナティエには苦笑いでしたが、剣に関して初心者のロザレナに鬼特訓で鍛える一方、妨害工作にも手を打って主従で見事打ち破ってみせた熱い展開によって事態もいろいろ動き出しそうで今後が楽しみです。
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よっち
けん玉が得意なだけの平凡な高校生・久住優斗。彼の飼っているインコ・ピーちゃんに想いを暴露されて高嶺の花・橘凜緒先輩と付き合い始める青春ラブコメ。努力家だけれどとんでもなくポンコツな上に、作った料理が化学兵器とかいう凜緒先輩との初々しい恋人関係。それになぜか行く先々の店売でバイトをしている彼の姉、彼の親友の二階堂や凜緒のファンクラブ会長の後輩・絹原、貧乏風紀委員の風駒はるといった濃いキャラたちを絡めながら、そこになぜか神出鬼没なピーちゃんの暴言が巻き起こしていくドタバタっぷりがなかなかカオスでしたね(苦笑)
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よっち
京都の底辺高校と呼ばれる女子校で底辺の扱いを受けてきたオタク女子三人。そんな彼女たちの前に東京から転校してきた息を呑むほど美しい少女・蛍が現れるミステリ。生物部に入部してそれぞれの趣味に没頭する三人に近づき、絆を深めつつあった蛍はなぜ線路に身を投じてしまったのか。親友と無邪気に言う彼女と接するうちに抱いてゆく複雑な心情、辛い中でも大切なものを奪われかけた先にあった悲劇。取り戻せない後悔に今も絡め取られ続ける彼女たちの絶望、一見単純に見えていた構図の中から見えてくるそれぞれの深遠な真実が印象的な物語でした。
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よっち
夏の沖縄でまたもや決定的な機会を逃した龍斗。秋から冬に向かう中、忙くて月愛と2人きりの時間をなかなか取れずにいた彼が周囲の恋愛模様に次々と巻き込まれていく第8弾。イッチーと谷北の環境激変、龍斗が取り持った海愛と久慈林の進まない関係、前に進みたい蓮と笑琉の悩ましい関係、そして月愛の姉綺麗と逃げ出した同棲相手との関係修復。自身も月愛とのもどかしい状況が続いているのに周囲に振り回され、奔走するあたりが龍斗らしいかなと苦笑いでしたけど、ようやく乗り越えてもまた新たな難関が出てきて、これはなかなか悩ましいですね…。
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よっち
千影・光莉と付き合い始めて、初めての夏休み。海と山に囲まれた別荘へ3人だけの旅行に出発する第3弾。猫と双子の伝説にまつわる町・双子子へ向かう行きの電車で両肩に頭を乗せて寝入る双子だったり、彼とお風呂に一緒に入ろうとする双子にドキドキさせられながら、3人で猫いっぱいの街を満喫する中で猫が苦手な様子を垣間見せる千影。咲人の幼馴染・柚月や真鳥先輩との思わぬ再会や、彼女たちと一緒に猫耳姿でバイトを手伝う様子も微笑ましかったですけど、千影の過去を掘り下げながら意外な相手と仲良くなっていく展開もなかなか良かったです。
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よっち
禁域指定のダンジョン踏破という歴史的な偉業を成し遂げたティア。最強の聖女先生の指導を受け3人の弟子たちは急速な成長を遂げる一方、ティアが王都に招集される第2弾。その規格外な行動が王都で大問題となり、ティアを糾弾する声も上がる中で国中の禁域指定ダンジョン攻略という前代未聞の試みを打ち出すティア。そんな彼女の存在を面白く思わない王太子や王女リリアリスの暗躍で窮地に陥るティアたち。けれど今回は弟子たちやかつての学友たちも一緒で、エミーの成長もあって、孤独ではなかったからこそ乗り越えられたその結末が印象的でした。
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よっち
帝都に蔓延る悪性兵器・學天則を駆逐するため、戦い続ける夏目漱石。禰子と秘密結社『幻影の盾』の活動に務める漱石に森鴎外より衝撃的な一報が入る第2弾。漱石が英国留学時代に友誼を結んだコナン・ドイルの失踪。新型學天則を巡る戦いの中、再び現れた野口英世と北里柴三郎の過去。そして囚われた禰子を取り戻すために野口英世と共闘関係を結び、再び北里柴三郎と対峙する漱石。そこに文豪で医者でもある森鴎外も介入するカオスな展開で、マッドサイエンティストで仲人業の北里柴三郎には笑いましたけど、今回も斜め上の展開で面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辺境伯に大出世したのもつかの間、今度はフラッドが隣国の教皇を死に追いやった元凶として討伐軍に攻められ、命を失ってしまうという未来を予知する第2弾。従者エトナ&使い魔ディーに、道中で侍娘リンドウを新たに仲間に加えて、教皇アリスを救い破滅を回避すべく神聖ベルクラント教国に向かうフラッド。幼女教皇アリスに懐かれながら、野盗を率いて国家滅亡を目論む元枢機卿や結局止められなかった魔力災害、さらには思ってもみなかった反乱に直面しながら、それでも仲間たちを信じて最後まで諦めなかったフラッドの奮闘がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
クラスメイトで際立った存在感を見せる孤高の地雷系女子・三浦美来が、舞園賢誠の家にやってきて世話を焼いてくれる青春ラブコメ。雨に濡れていた彼女を助けたことをきっかけに、事故で両親を亡くした賢誠とありさのお世話をしてくれるようになった美来。一方で彼女はなぜ頑なに地雷系スタイルを貫いているのかという疑問。その事情を知って彼女のあり方を守るために、脅威を排除する覚悟を決める賢誠には驚かされましたけど、面倒見が良くて時に子供っぽく、可愛らしい所がたくさんある美来との距離が縮まっていく甘い日々はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王を斃す次世代の勇者を決める勇者選抜試験に集められた一〇〇人の勇者候補生。女性ばかりの中で勇者ブルムの弟子を名乗る勇者候補生唯一の男性イフ・アイドラが試験に挑むファンタジー。魔王を斃すためには、魔王以上の残虐性と冷酷さを併せ持つ勇者を作り出すしかないという意図のもと、試験官として絶望する候補生たちを次々と惨殺していく勇者ブルムの凶行を止めたイフ。候補生がどんどん死んでいく勇者ゲームを、押しかけ弟子のイデアとともにクリアしていく中で、殺伐とした物語の構図も明らかになったからこそ今後の展開が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学校一の美少女で開校以来の才媛と言われる神騙かがり。そんな彼女が陰キャぼっちな凪宇良邑楽の隣になった途端、突然「前世の妻」を自称して迫ってくる青春ラブコメ。戸惑いを隠せない邑楽にぐいぐい迫ってきて、突然腕に抱き着いてきたり、手料理を食べさせてくれたり、流れで放課後デートへ繰り出すかがり。最初は突然距離を詰めてきた彼女を頭おかしいと思っていたのに、いつの間にか一緒にいることに違和感がなくなっていって、ぎくしゃくしていた今の家族関係を変えるきっかけをくれた彼女に着々と籠絡されていく邑楽が微笑ましかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
貧乏ぼっちでバイトに明け暮れる高校生・京坂京が、ふとしたきっかけから皆が憧れる「校内三大美女」烏丸千景、小野司、醍醐桜子と印象的な出会いを果たすハーレムラブコメ。自分たちを変な目で見たり、強引に口説いてこない京が、襲われそうになった危機を身体を張って守ってくれたことで、俄然彼に興味を持っていく三人。働き詰めの彼と接点を増やすため、自分たちのネット活動をサポートする時給5000円の仕事を用意する展開で、出会いはややあっさりめですけど、妹思いで献身的な彼といざというときの行動力のギャップが効いていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小学校の時に転校してきて幼馴染として一緒に育ってきた一ノ瀬ユウナ。17歳の時、水難事故で死んだはずの彼女が当時の姿のまま、大地の目の前に現れる青春小説。ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、大地にしか見えない彼女が姿を現す不思議な現象。ユウナに会うために伝えていない気持ちを抱えながら何度も線香花火に火をつける大地。そのまま大人になれば結ばれたんだろうな…ともう叶わない未来をつい想像してしまう2人がとても切なくて、だからこそそのあっけない幕切れには呆然としてしまいましたけど、最後がまた印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現代日本や近未来、異世界といった様々な舞台で描かれてゆく絶望。この物語に救いの「カミサマ」はいるのか。見たくない、しかし目をそらせない人間の本性をあぶり出す7つの連作短編集。実家に帰ったはずの友人、無人の遊園地で見た死体の正体、見張り塔での過酷な任務の真相、ストーカーvs盗撮魔、海面上昇後の世界と海賊ラジオなど、つい目をそらしてしまいたくなる人の嫌らしい一面を突きつけられる一方、SFっぽい短編にはまた違った趣もあったりで、良くも悪くもタイトルの意味を改めて考えてしまう絶望と希望が入り混じった短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
友人も少なく他人に興味を抱いたり、気持ちを推しはかるのが苦手な大学一年生・海松子が、親に言われて一人暮らしを始める物語。趣味は凧揚げで特技は周囲の人に脳内で(ちょっと失礼な)あだ名をつけること。間合いが独特過ぎてなかなか友達ができないのも分かるような彼女と、高校時代の友人だった萌音は何だかんだで息が合う存在で、彼女が気になる同い年の幼馴染や父の教え子たちにモテモテになったことをきっかけに、両親に愛されて育ってきた海松子も少しずつつ変わっていって、幸せを感じる積み重ねの先にあった結末が印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
殺人鬼「真夜中の解体魔」に婚約者を殺され、悲しみからようやく復帰した救急医の秋穂。搬送されてきた美少年・涼介が「真夜中の解体魔」の容疑者だと知ってしまうクライム・サスペンス。涼介に復讐しようとする秋穂に、涙を流して無実を訴える涼介。無実に思える証拠を見せられ、ためらいながらも涼介と真犯人を探す秋穂。真逆の証言が積み重ねられて二転三転する涼介の印象、そして散々振り回された先に待っていた思ってもみない事件の決着。何だか釈然としない幕引きと感じながら終盤読んでいましたが、最後に待っていた結末に見事やられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
1年前、ずっと片想いしていた律に好きな人ができたと振られた千鶴。しかし彼はその期間の記憶を取り戻すこともないまま、夏休み直前の海で花火をした日に告白される青春小説。過干渉な母親と過ごしてきた華美と、人の死にトラウマを抱える月村の運命的な出会い。想いを交わした華美の転校と1年後の再会の約束。直後に階段から落ちて記憶を失い、それを思い出せないまま千鶴と付き合った経緯を思えば、千鶴の複雑な想いも華美のショックも分かる再会でしたけど、でもなるようにしかならない事態にそれぞれが向き合った結末は思いの外良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
開湯六百年を迎えたおやしろ温泉最古の宿『三澄荘』。十年ぶりに戻ってきた新当主・貴司が「小町様」と呼ばれる宿の守り神・千代と結婚する物語。ご神体の木彫り人形と三澄家当主が結婚する風習が何百年も続く中、その正体として三十回目の再婚をすることになった千代。彼女の姿は幼い頃しか見えず、普通なら存在も忘れていくはずなのに、なぜか姿も見えて昔遊んだ記憶もある貴司が幼い頃からずっと募らせてきた想い。彼女を諦めきれない貴司の奮闘で、千代も過去の呪縛から解き放って彼女との幸せを引き寄せてみせた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇太子の婚約者として幼少から徹底した王妃教育を受けてきた貴族令嬢ルクレツィア。しかし夫シメオンは愛する下働きの娘マリーを側室に迎え、突如として隣国の侵攻を受けるファンタジー。指一本触れられないままマリーが懐妊して、居場所も生きる意味も見失いかけていた矢先の王都陥落。側室と息子と一緒に自害した王に代わり、一人残された王妃として覚悟を決めるルクレツィア。いろいろ自覚の足りない王がなかなかあれでしたけど、敵国皇太子の息子メルヴィンが意外に健気で、波乱万丈な展開に翻弄された彼女が掴んだ幸せな結末には救われました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
信じる予言を成就させるため綜志郎を連れ去った恭司。それを止めるためにこれまで出会ってきた人々の力も借りて、真緒が宮中に踏み込む第6弾。恭司や志貴、綜志郎の思惑と覚悟、そして悔恨を抱えたまま命が消えつつある帝に向き合う中、ただの機織だからこそできることがあると信じる真緒が、ついに見つけ出した悪しきものの原因。何か具体的な解決策があったわけではなかったですけど、真緒がこれまでの縁を紡いだからこそ向き合えたすれ違いがあって、皆の力も借りて危機を乗り越えて大切なものを取り戻してみせた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小説紹介クリエイターけんごがミステリー・恋愛・ホラー・SFなど、88冊の多種多様な小説を紹介した一冊。「胸が締めつけられる物語」「背筋が凍る物語」「言葉を失う物語」「脳裏に焼きつく物語」「魂が揺さぶられる物語」という4つのテーマをもとに、古典作品から最近の新刊、受賞作品から新人作家のデビュー作まで幅広い作品をチョイスした構成になっていて、本を読むきっかけとなった「白夜行」の東野圭吾さんとのメールインタビューや凪良ゆうさんとの対談もあり、読みたい本を探している人向けのブックガイドとしては悪くない印象でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
仕事と趣味が両立できない苦しみは、いかにして生まれたのか。労働と読書の歴史をひもといて、日本人の仕事と読書のあり方の変遷を辿る1冊。ベストセラーという観点から明治時代の自己啓発書、大正時代の立身出世本、戦前戦中の円本ブーム、戦後の紙の高騰による全集・文庫ブームとサラリーマン小説、司馬遼太郎の流行、女性とカルチャーセンター、行動と経済の時代への転換といった時代の変遷を解説していて、その分析を興味深く読みましたし、半身で働くくらいの気持ちの余裕がないと本も読めなくて、他のこともなかなかできないとは感じますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新しいMVが思いもよらない方向でバズり、困惑を隠せないまひるたち。だが、それをきっかけに「JELEE」のSNSフォロワーは一気に増えていく第2弾。爆発的に増えたコメントの中で、イラストに対する辛辣な意見を見つけてしまうまひる。永遠の銀河系アイドルの卵プロデュースと娘の物語、キウイと花音がバイク免許合宿で知り合った少女、一周年記念で仮装ライブ開催を目指す少女たちを襲う匿名の暴力。様々な人たちと出会い、上手くいくことばかりではなけれど、迷いながらも助け合って乗り越えていく彼女たちの姿がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
咲馬の衝撃的な告白から、以前よりも二人で過ごす時間が増え、その関係をより深いものにしていく咲馬と汐。巧みな話術で周囲を翻弄する世良の思惑に振り回されながら修学旅行を迎える第5弾。時折周囲の無神経な言動に心をざわつかせながらも、夏休みを満喫する2人。咲馬の価値観を揺るがすような事態に巻き込む世良の思惑、そして初の北海道への修学旅行で思わぬ展開が待っていましたが、お互いにとってかけがえのない存在で、周囲の理解してくれる人たちに支えられ、価値観の違いを擦り合わせながら関係を築いていく結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『彼の想いは偽物だ』というロビンの言葉に揺れるローザ。そんな折、セオドアの母フレヤが青薔薇骨董店に押しかけ、ローザとセオドアが恋仲だと勘違いする第4弾。無事に誤解は解けたものの、複雑な想いを改めて自覚するローザとアルヴィン。時を同じくしてアルヴィンの生家グレイ領周辺で子供が次々に失踪する事件が起きる中、幼少期の謎に向き合うことになるアルヴィン。両親のすれ違いや鍵を握るエインのことが明らかになっていく一方で、乗り越えた2人の関係も変化の兆しを見せていただけに、思わぬ急展開でどうなるのか続巻が気になります…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
砲兵部隊へと紛れ込んで戦果も挙げたエリザベス。しかし人間の命が無残に散っていく戦場の真の怖さを目の当たりにして、衝撃を受けた彼女の成長を描く第2弾。自分を救うために散っていった兵たちの多くは名前も知らず、彼らにも残された家族がいることに動揺するエリザベス。部隊を再編しながら必要なものの調達に動く中、有翼騎兵フッサリアの故国ヴラジド大公国のことや、エレンと姉妹になった経緯など実家エピソードも描かれる展開でしたけど、葛藤に向き合って乗り越えたエリザベスの覚悟や部下となった新キャラ・リサの奮闘も効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
愛する牡との充実した幸福感に包まれる日々を送り、水面下でじわじわと準備を進め牙を研いでいたオルクセンが、ついにエルフィンドに宣戦布告を行う第2弾。グスタフとの関係を深めていく黒エルフの氏族長ディネルースが見せた矜持。仮想敵として定めてから長らく水面下で準備を進めてきたオルクセンが、ついに手に入れたまたとない好機。様々な視点から語られてゆく彼の国に対する複雑な思いだったり、妥協を是としないこれまでの試行錯誤がこれでもかとばかりに描かれていましたが、その積み重ねの先にある開戦がどんなものになるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
テトラの吸血衝動を一緒になんとか乗り越えた史郎。甘えたいけれど恥ずかしがり屋な吸血鬼お嬢様とのもどかしい関係が描かれる第2弾。吸血鬼としての本能を抑えられないテトラを受け入れることで信頼を深めたものの、お互い素直に言葉で伝えられずもどこかしい日々を送る2人。史郎の親友を称するまいやメイド・メルのサポートでナイトプールで史郎を水着で誘惑したり一緒にお風呂に入ったり、普段以上に積極的なテトラが空回りしたり、間が悪くてすれ違う展開もありましたけど、それを乗り越えた2人の甘く微笑ましい結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
1920年代、合衆国屈指の大都市ブローケナーク。大切な妹を失い自暴自棄となった少年サンガが、真紅と名乗るマフィアの男と出会うダーティーファンタジー。禁酒法が定着し違法薬シャンティが流通する街で、貧乏ながらも身の丈に合った日々を送っていたサンガを襲った悲劇。妹の復讐に燃えるサンガをなだめて、マフィア白蛇堂の一員とした真紅。そんな日々に馴染んでいくことや、お前には殺せないと評され葛藤するサンガの結末はむしろあっけなかったですけど、彼と共に過ごし淡々として一見掴みどころのない真紅の垣間見える心情が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
私立麗秀高校で知らない者はいない完璧美少女で一年生にもかかわらず生徒会長に就任した十神撫子。しかし実は彼女がポンコツであることが露呈していく生徒会青春小説。入学直後に不運でつまづき、留年の危機を回避するために半強制的に生徒会役員にさせられた郡上貴樹が、実は十神が不器用なポンコツキャラであることを偶然知ってしまう展開で、ポンコツな彼女をいろいろフォローしたり、彼を気に掛ける幼馴染の愛梨澄や意外と武闘派な鳳来先輩といった生徒会役員たちと、もたらされた問題を解決して絆を深めていく展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
離れ離れになっていた義妹三姉妹と大学入学で再会した遊斗。すっかり美人になり独占欲を見せる三姉妹たちにぐいぐい迫られてゆく第2弾。再会したことが嬉しくて、もっと遊斗と一緒にいたいと思うようになっていく花宮真白、美結、心々乃。さらに三姉妹の住む家にお泊まりすることが決まり、いつも以上に距離の近い三人からのアプローチだけでなく、しまいには便利だからという理由で同居を迫られる遊斗。三姉妹は遊斗を慕い、彼も大切な存在なのが感じられる微笑ましい展開でしたけど、これが兄妹愛なのか恋なのかは気になるところではあります…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
やり込んでいたRPG世界のモブ悪役奴隷商人に転生した主人公カイ。成り行きで捕われていたヒロインたちを助け出したことで誤解が広がっていく転生ハーレムファンタジー。シナリオ通り進めば破滅する運命を回避するため、ヒロインたちを助け出して転生前にため込んでいたアイテムを使いながら街に送り届けたカイ。有力者たちが誘拐された娘を助け出しただけでなく、高価な回復薬も惜しみなく使ったカイを探し始め、さらに思わせぶりな言動がハマって誤解が深まっていく展開には苦笑いでしたけど、ここから物語がどう動いていくのか続巻に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
付き合いはじめて約2ヶ月。甘々おとなりさん生活を満喫する大学2回生になった相楽とハルコ。しかしハルコの誕生日で自信のなさから空回りした2人が、すれ違いを起こしてしまう第2弾。もっと仲良くなりたいと空回りして、学業も疎かになってしまったハルコ。そんな彼女を心配する一方で自分に自信を持てずに距離を縮められない相楽。経験不足もあって前に進めない2人の前に相楽の義妹JK一花が現れたことで結果的に背中を押される展開でしたけど、自分たちのペースでけれど外堀はしっかり埋まってゆく2人の関係がとてもらしくて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
歩夢に敗れて初めての失冠を経験して、一つの想いを固めて自らの意思で銀子の元を訪れた八一。一方、天衣との激闘を何とか制したあいの苦悩が描かれる第19弾。覚悟を持って銀子の元を訪れて勝負を挑んだ八一の覚悟。一方、将棋を続けられることになったものの深刻なダメージから回復できず追い詰められるあい。物語がどこに向かうのか、それぞれの覚悟や不屈なヒロインたちの熱い思いも描かれる中、タイトルの意味も含めて方向性が見えてきた今回の展開でしたけど、相手の将棋観をぶち壊すような将棋をする創多もまた八一好き過ぎでしたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
手作りで太陽系の果てを観測する天文台を建てるため、秦野市に帰ってきたスイ子こと山際彗子。28年ぶりの再会を果たしたかつての仲間たちがその計画に力を貸す物語。四十半ばの行き詰まった日々を過ごす高校時代の同級生たちが、彼女のチャレンジに協力する中で思い出してゆく高校時代の制作活動。若き日の思い出は必ずしもいいことばかりでもなくて、けれど歳を重ねてきた今だからこそ分かることやできることもうまく活かしながら、天文台づくりに協力して再び育んだ絆の中で、それぞれが希望を見出して新たな一歩を踏み出す印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わった高校1年の坂平陸。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決める青春小説。しかし現実はそう簡単には元に戻れるわけもなく、坂平陸としてそつなく生きるまなみと、上手く水村まなみになりきれず戸惑う陸。迷いや不安を抱えながら卒業し、その後も人生を歩む中でかつての家族に対する複雑な思いも自覚して、時には衝突しながら、人生の転機を経験して様々なことが変わっていっても、かけがえのない絆を再確認する二人がなかなか印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻した荒木村重は、有岡城内で起きる難事件に翻弄され、土牢の囚人にして黒田官兵衛に謎を解くよう求める歴史ミステリ。使者としてやってきた官兵衛を帰すわけにはいかないと捕らえて囚人としていたものの、次々と起こる難しい事件を放置して城内を動揺させるわけにもいかず、仕方なく官兵衛に解決を依頼する村重。なぜ立て続けに城という巨大な密室で事件が起きたのか、登場人物たちそれぞれの思惑や、戦と推理の果てに探偵役の村重や官兵衛が何を企んでいたのか、そんな駆け引きも含めてなかなか面白く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
誰にも言えない秘密を抱える人気作家・二階堂紡季。その秘密を引き換えに廃病院から転落した恋人、そして高校のいじめ被害者の転落死事件の謎を追うミステリ。事件が起きた同じ廃病院から転落したスクールロイヤーの想護は、紡季に何を伝えたかったのか。沈黙する関係者の生徒、ウイルスのように感染していくいじめ問題。生徒たちが抱えている複雑な心情が明らかになっていって、すれ違って追い詰められた先に悲劇があって、誰もが被害者にも加害者にもなりうる怖さと、それにどうやって向き合えばいいのか、その難しさを改めて痛感させられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京の老舗文房具店でバイヤーとして働いていた榎本史郎。京都伏見で文房具店を営んでいた祖母の死を機に店を継ぎ、様々な謎を文房具をヒントに優しく解き明かす文房具ミステリ。文房具に造詣が深い史郎が解き明かしてゆく、祖母の形見の硯箱に入っていた謎の大学ノートとファーバーカステルの鉛筆、物に無頓着な親友から突然贈られた高級万年筆、人気イラストレーターの転落死事件、大学の書道学科で起きた道具紛失事件。雑学程度で蘊蓄が語られる作品ではなかったですが、文房具を絡めた謎解きは読みやすくてまた続きを読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自分は「凡人」であり幼馴染のユウを尊敬している高校生の清瀬。そんな彼が幼馴染のために謎を解き明かしてゆく青春ミステリ。生徒会選挙で異常に多かった白紙、陸上部の部室荒らし、部活の合宿中での脱走、合唱コンクールの人間関係、中学時代のエピソード、文化祭パンフレット紛失事件といった謎を、幼馴染ユウのためながら汚れ役も厭わない冷静沈着で分析力もある清瀬が解き明かしていく姿を、視点を変えながら描いていく構成になっていて、清瀬のユウへの傾倒ぶりも気になりますが、謎よりも人間の感情からくる複雑な思いが印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある決意を秘めていた駅のホームで見知らぬ老紳士から声を掛けられた美織。「ミスター・コント」と名乗った彼から、短編を18本読み簡単な感想を書く仕事をもちかけられる物語。報酬は1字10円、総額143万円。新手の詐欺かと訝しみつつも押し切られる形で前金を受け取り、1日1話届けられる物語を読んでいくうちに、次第に高ぶってゆく彼女の中の思い。そして読み終えた美織に明かされる意外な真相。18の短編は特に連続性もなくいい話もひどい話あって様々でしたが、心揺さぶられる美織が最後に知る優しさがなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
身に覚えがない女子大生殺害犯として、実名写真付きでネットに素性が晒され大炎上した山縣泰介。ほんの数時間で日本中の人間が敵になり、必死の逃亡を続ける炎上逃亡ミステリ。犯行を自慢していたTwitterアカウントが誤認され、見れば見るほど自分のものとしか思えず、誰一人として言い分を信じてくれない状況で逃亡する泰介。見知らぬ人にも追いかけられ逃げ続ける状況で、ふとしたきっかけから明らかになってゆく思わぬ真相があって、もしこうまで追い詰められてできることがあるのか、SNSの恐ろしさを改めて突きつけられる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
遺書も残さずに自殺した、人気俳優で双子の弟・尚斗。兄の貴斗が葬儀を終えて数日後に尚斗のスマホが見つかり、それをきっかけに弟の死の答えを知るために旅に出る物語。仲が良かった弟の死んだ理由を知るために礼文島・マルタ島・台中・ロンドンと彼の足跡を辿る貴斗が、ゆく先々で出会うかつて尚斗と出会った人々、呼び出されたニューヨーク、ラパスでの決着。旅を通じて弟が見せてくれた世界の美しさ、そして彼が見ることがなかったたくさんの素晴らしいものがあって、様々な思いを受け止めて精一杯生きた貴斗の生涯がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み中の葵が、いつものように清貴と二人で『蔵』の店番をしている9月。10月から京都にある大学の大学院の修士課程に通うジウ・イーリンがやってくる第21弾。葵のことをもっと知るために『蔵』でバイトをすることを申し出たイーリン。周囲も呆れる相変わらず葵ベタ惚れな清貴のエピには苦笑いでしたが、彼女が父から出されていた宿題もあって、そこから彼女の過去や抱えているものが掘り下げられていく展開でしたけど、全てを見通すような清貴だけでなく、葵もまた彼女ならではのアプローチでイーリンをフォローしてゆく姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
献身的に夫を支えていたのに、突然夫から離婚を切り出された沙也加。理由を隠す夫の浮気を疑い、頻繁に夫が立ち寄る定食屋「雑」を偵察し、そこで働き始める定食屋物語。大雑把で濃い味付けの料理を出すその店には、愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女ぞうさん〟魅入られるように定食屋「雑」でアルバイトをすることになり、ぞうさんを支えてそこに居着いてしまう沙也加。年齢も性格も違う2人でしたけど、一緒に働く中でぞうさんに少しずつ認められ育まれてゆく絆があって、かけがえのない居場所となってゆく結末がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王国の武器商の跡取りとして生まれ育ったエリザベスが、実家から大砲を盗み出し、隣国の紛争地帯に乗り込み、軍人としての道を歩む事を決意する戦記ファンタジー。血の繋がらない義妹エレンも巻き込んで実戦で戦果を挙げ、女伯に砲兵士官へと取り立てられたエリザベス。宣戦布告も後回しの帝国側の奇襲に後手に回らざるをえない状況で、仲間の連邦側も一枚岩でなくて議会の動きも鈍く、その分苦しい戦いを強いられる展開でしたけど、戦場に望む人々の生きざまも描かれる中、依然として厳しい状況で姉妹にどんな運命が待っているのか続巻に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
コロナ禍、ウクライナ危機を経てインフレ転換した世界経済。日本の危機的状況を再確認して、未来に繋げる財政民主主義のあり方を問う1冊。有事対応で財政出動を繰り返して、債務残高対GDP比では先進国最悪、財政には新たな破綻シナリオもよぎる日本。財政の3つの機能と国民意識、少子化と膨らむ社会保障費、緊急対策で引き締められない財布の紐といった現状を踏まえて、立て直しの方策として、税制と財政ルールの改革、成長戦略、セーフティネットの構築、ワイズスペンディングの5つを提言するなど、わりと手堅くまとめられている1冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
故国を追われたダークエルフ氏族長ディネルースがオークの王グスタフに救われて、オーク族を筆頭に多数の魔種族を擁する連合国家オルクセンで生きることを決意する異世界戦記。見た目とは裏腹に優しい性格で、エルフたちの国エルフィンドで迫害されていたダークエルフを種族ごと自国に引き入れ、住む場所を与えたグスタフ。彼女たちが目の当たりにする首都の反映っぷりや、技術的に進んだ農業や武具、鉄道や軍隊、兵站に対する考え方。それらを発案して定着させるところまで成し遂げたグスタフの異質っぷりが際立っていて、今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
立て続けに3人の夫を亡くし『夫君殺しの女狐』と噂される名家の娘・香淑。そんな彼女のもとに突然、10歳も年下の富裕な名家の青年・榮晋から縁談が舞い込む中華風あやかし婚姻譚。今度こそ幸せに添い遂げたいと切に願う香淑と、裏腹に自分を殺してもらうために彼女を嫁にした榮晋。そこから明らかにされる榮晋の家が抱える呪われた背景があって、並行して香淑が3人の夫を失った真相も明らかになっていきましたけど、最初は打算から始まった2人の関係が、お互いの事情を知って共に乗り越えて、甘く変わってゆくその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前巻の主人公だった同期のみもざに連れられ入店して以来、「今日は常夜灯に行く」ことを仕事のモチベーションにしている34歳のつぐみの恋や仕事に上手くいかない日々を描く第2弾。チェーン系レストランの本社営業部に所属して、「女性活躍」の目標のもと女性を店長にした混乱に振り回され、忙しくて恋人にもなかなか会えない日々。頑張っても報われなくてやりがいを見出すことが難しい状況に行き詰まって、常夜灯のいかにも美味しそうな料理に癒やす状況でしたけど、ふとしたきっかけからいろいろ事態が好転してゆく結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
生まれよく心根よく聡明な四大名家の嫡男レオナルド。権力が生む欺瞞に失望した彼の前に片脚を無くした異母妹ルクレツィアが現れる第4弾。旧市街の夏祭りに繰り出し、街の熱気のなかで出会った劇場の少女。真実を知り一族が有する銀夢草の畑を焼き払った彼が無償の愛を注いだ義理の妹とのかけがえのない日々。そんな兄の夢を実現するために突き進むしかなかった、ルクレツィアの歪んだ形でしか発露できなかった愛情。理解し合うからこそこうなるしかなかった皮肉な決着、そして様々なものが繋がってどういう結末を迎えるのか続巻が気になります…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
吉祥寺でひとり出版社「夏葉社」を作り、全国にファンをもつ著者が本と過ごした時間を語る随筆集。うまく本が読めなかったあの頃から大学時代、卒業してからの日々、毎日子育てや介護をしながら本を作り、読書を続ける現在までを綴った読書エッセイがまとめられていて、これまで出会ってきた人々の影響を受けながら、自分が読書をどう感じているのか、家族との関わりで変わっていく生活を交えながら描かれる思いはなかなか印象的で、そんな中でも行き帰りの通勤電車で本を読んでいるんだろうなと思える日々が想像できる著者さんの人柄が伺えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
御史台に異動した直後、殺人事件を担当をすることになった茉莉花。調査で異国の間諜が関係する可能性が浮上するも調査は行き詰まり、さらには雲嵐が襲撃されてしまう第16弾。秘密を知る蓮舟に協力を「お願い」して、犯人特定に繋がる脚本を書いてもらい、自らは恋する女性を演じることになった茉莉花。しかし上手く演じられず、助言を求められて意外な反応を見せる珀陽。今回は抜け目なくぐいぐい行って周囲を動かしていく一方で、恋する乙女らしい可愛い一面も見せてくれた茉莉花でしたけど、彼女に振り回された蓮舟もいい感じに効いてましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
FAIRのディーンが古代遺跡から入手した大規模魔法によって、暴動に包まれたサンフランシスコ。事態を重く見たスターズ総司令官のカノープスは状況打破のために達也に助けを求める第8弾。四葉家の影のスポンサー東道の同意も得て渡米し、FEHRのレナとも協力しながらの調査で事態を重く見て、対抗手段を得るために富士山麓の遺跡調査に赴く達也。渡米こそしたもののバトルは他に任せて、新たに得た魔法も手に余る代物で、収穫としてはやや決め手に欠いた格好でしたかね…達也を苦戦させるような相手となるとこういう形しかないですか(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大学院を卒業後、新卒で入社した会社に馴染めず、九ヶ月で辞めた春指みなと。退職してからも次の仕事を探せない彼女が、公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける物語。見つけた郵便箱を介した文通が始まって、相手が意外にも高校2年生の不登校児だったと気づいて、その飛鳥と「文通」を「仕事」にすることを考えついてクラウドファンディングに挑戦する2人。けれどワクワクするような高揚から落ち着いてみると立ち位置の違いゆえのすれ違いも起きましたけど、それでも相手のことを知ろうとして大切にしたいと思うその関係がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
愛人と結婚したいからと、侯爵家当主クリスが一方的に婚姻破棄を言い渡したマーシェル。追放された彼女が因縁ある彼の弟アイフォードと再会して人生が変わってゆく物語。内政は全てマーシェルの采配で上手く回っていて、彼女がいなくなったことで崩壊しはじめる侯爵家。一方、妾の子で家を出て騎士として準男爵を得ていたアイフォードとの再会。良かれと思ってやったことが裏目に出た過去を抱えるマーシェルでしたけど、やや分かりづらいながらも彼女を守ろうとする姿勢を見せる不器用なアイフォードとの再構築されていく関係がこれから楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親友の王女の陰謀により世紀の悪女と蔑まれながら毒杯を飲み干した次期王妃の公爵令嬢ウェスタレア。解毒薬で死を免れた彼女が隣国の皇妃選定への参加を決心する復讐劇。用意周到な準備で死を免れて国を脱出してコルダータを名乗り、途中で人助けしたりペイジェを奴隷から救って護衛として雇い、皇国に密入国したところを助けられたレオナルドとの運命的な邂逅。彼との関係を積み重ねていきながら、皇妃選定で圧倒的な実力を見せる一方で、元婚約者の王太子と連携しながら裏切った王女相手に身の潔白も証明してみせるその姿がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
男女比1:5の世界で他のライバルたちの影も見えてきて、重い感情をさらに拗らせてゆくヒロインたち。そこに将人の家庭教師先のJKが新たに参戦する第2弾。一見、清楚系文学少女のようで、実は将人にデュフる陰キャオタクだったJK汐里の参戦。さらにJD同級生組の恋海&みずほ、激重っぷりを隠せなくなってきた美人OL、バスケ大好きJC由佳に無自覚に優しく接してきて、じわじわと募らせていた彼女たちの想いが溢れて一気に来た感がありますね(苦笑)それを将人に分からせた一手はちょっと意外でしたけど、これからどうなるか楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
運営の暴走により10万人規模のデスゲームへ豹変したフルダイブRPG『LIA』。アラサー美少女ヤマモトが謎のユニークスキル《バランス》で無双するファンタジー。強制的な長期休暇と前向きにとらえて、痛みがリアルでゲームオーバーは現実の死という状況から生産職を目指すものの、《バランス》がステータスや所持金を勝手に上げるチートスキルのせいで、序盤にして化け物級プレイヤーになってしまうヤマモト。自分が強いとは思わず無自覚無双しながらそう見えない謎の存在として密かに注目を集めていくストーリーはなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
エロス大魔神と自称して周囲と距離を取っていた黒松治。苦い過去からフィギュア作りを封印していた彼に、医者の卵で小説家の今上月子がフィギュア作成を依頼する造形ラブコメディ。『青春ができない病』を治すため、自身が書いた小説のキャラをフィギュア化してほしいと依頼する月子。ギャルだけどオタ絵師な幼馴染かぐや、塗装大好きなギリシャのハーフ美少女セレーネといった個性的なヒロインたちにも協力してもらいながら、ずっと否定し続けていたフィギュア作りへの熱い想い、創造することの楽しさを取り戻していく展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
陽都との交際を認めさせようと母に正面から向き合うことを決めた紗良。一方、陽都はWEBテレビの運営を通して、自分の将来を見つめなおす第3弾。紗良の家に挨拶に行ったり、様々なところへデートに行く日々を送る陽都は、夏休みにさくらWEBの番組制作に参加して積極的にアイデアを出したり、また近くの商店街の夏祭りを紗良と一緒に手伝ったり、彼女の妹・友梨奈の危機を救ったりとだいぶアグレッシブでしたけど、彼のフォローもあって母や妹、亡くなった父や過去にも向き合い始める紗良の変化もあって、お互い刺激し合えるいい関係でしたね。
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よっち
他人に感情移入できない三葉雨音26歳。同僚星崎くんの退職を機に仕事を辞めた彼女が、他人に興味を持たない長所を見込まれ「お見舞い代行業」にスカウトされる物語。できないことはできません。やりたくないこともやりません。そんなポリシーで始めた移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用をする「しごと」では、その割り切った姿勢を評価されたりあるいは怒らることもありましたけど、一方でそんな彼女のありようを複雑に思う羨ましいと感じる人もいて、生きづらそうに見える彼女にもしっかりと居場所があって良かったなと思える物語でしたね。
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よっち
無事結婚式を挙げたアークとニア。新たな領主としてストンゲイズ地方へ転居した二人は、シルヴァリオの工作員がここで悪事を働いているという噂を聞きつける第2弾。ニアが過去にこの地で頑張っていた縁も上手く活かしつつ、ストンゲイズ地方を掌握していきながらシルヴァリオ側の陰謀を察知して対抗策を準備していくアーク。彼を支えるニアの有能っぷり&可愛さが際立っていて、黒幕だった第二王子やそもそもの元凶もこのコンビと対したら相手が悪かったというか必然の結末でしたけど、彼女に並び立つ存在になるべく奮闘するアークも良かったです。
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よっち
認知症を患い「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきたカケイ。ある時病院の帰りにみっちゃんの一人から尋ねられ、これまでの人生を振り返る物語。父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。毎日毎日薪で殴ってきた継母、息子の健一郎が生まれてすぐに蒸発した亭主、そしてカケイが産み落としたみっちゃんと過ごす幸せそのものの日々。一人の老女の口からどこかユーモラスに語られるこれまでの人生はなかなか壮絶で、生き抜いて老いを積み重ねてきた彼女とたくさんのみっちゃんたちとのエピソードが印象に残る物語になっていました。
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よっち
作家の夫に小説の題材にされ続けて植物の種を一心不乱に食べ続けて、身体から芽吹いて森と化した妻。壊れた作家夫婦と彼らに関わった人々の物語。家でどんどん森を侵食させてゆく妻と、それを題材にして執筆する夫の狂気。彼らに関わった担当編集者たちや不倫相手の家族関係にもたらした様々な歪み。妻の不在が作家として決定的な停滞をもたらしたのに、それにすら慣れてしまう懲りない作家と妻のどこまでも噛み合わない会話には絶望を感じましたけど、それでも夫にようやく話し合おうとする姿勢が生まれたことに希望を感じるべきなんでしょうか…。
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よっち
読まなければ出会えない、ここではない世界の住人たちの世界を描いたSF短編集。人々がキノコとの共生で他人と共感能力を得るようになった世界。環境激変によって人類が海へと生活を移しクラゲのような生態になった世界。宇宙規模のスケールへエスカレートするダイエットにかける情熱、宇宙人と意思疎通するため全人類が声優の役目を負う世界。異知性とのコンタクトやAIと仮想現実が発展・普及した世界、人口減少で滅びつつある宇宙コロニーで叔母の友人と旅に出る表題作など、自由な発想で描かれたどこか終末を感じさせる世界観が印象的でした。
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よっち
かつて恋人を失い絶望していた凄腕の狙撃魔術師が、突如現れた異形の生命体ヤァータと取引し、一撃必殺の射撃スキルで強大な魔物を仕留め続けるファンタジー。取引して世界を制御化下に置くことをヤァータに保留させた代わりに、不本意ながらも死ねなくなった「狙撃」と呼ばれる狙撃魔術師。雪魔神や黒竜が生み出した異形の魔物といった強大な魔物を、弟子にした天才魔術師リラや仲間たちと協力しながら仕留めていく展開で、彼をサポートするヤァータの異質っぷりが際立っていましたが、リラも無自覚に訳アリな様子で、これからの展開が楽しみです。
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よっち
組織不正はいつでもどこでも、どの組織でも誰にでも起こりうる。組織を巡る正しさに着目して、最新の研究成果を踏まえて考察する1冊。不正を行わない方が得策と言えるにもかかわらず、手を染めてしまう企業が少なくないのはなぜか。組織不正の危うさと正しさを、自動車メーカーの燃費不正や大手企業の不正会計、製薬会社の品質不正、軍事転用不正の冤罪摘発を巡る迷走などを事例に解説していて、不正が起きてしまう原因が個々人の意識よりも構造的な要因であることが多く、認識のズレをどう埋めるのかについて個人の問題としない意識も重要ですね。
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よっち
大手から中小まで約百社にコンサルをしてきた著者が説く眼前可視化。仕事と会社を大きく変える、シンプルにして超実践ノウハウを紹介する1冊。会議やビジネスで積み重ねられるムダなやり取り。長いだけの空疎な議論、決めたはずが簡単に撤回、動き出しても停滞といった状況はなぜ起きるのか。自身の経験から他責になりがちな意識を変えて、相手と認識を共有して曖昧さをなくしていく重要性を前提として、周囲の仕事の解像度をいかに上げていくか、評価すべきポイントを明確にする。やるべきことがどこまでしっかりやれているか考えさせられました。
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よっち
二度と手を出してこないように徹底的にやり返す美貌の合法復讐屋エリス。今回も様々な依頼がもたらされるリーガルミステリ第2弾。逆恨みでお店に嫌がらせを繰り返すYouTuberへの報復手段、死亡事件を起こしたブラック企業への潜入捜査と反撃の手段、ある犬の身に起きた虐待事件を起こした犯人の正体と罪の所在、そしてエリスが復讐を果たす前に殺人容疑で逮捕されてしまった依頼人。今回はエリスの幼馴染で刑事のケンも巻き込みながら、違法スレスレの事件もありましたが、メープルの同級生が見せた行動力と覚悟はなかなか良かったですね。
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よっち
物心がついた時から聖女候補で、王太子エリアルの婚約者として励んできた公爵令嬢ルーナ。しかし聖女選定で異母姉が選ばれ、偽りの聖女とされてしまうファンタジー。失意のどん底に陥った上に襲撃に遭い、瀕死の怪我を負ったルーナを救ったエリアル。そのまま離宮に連れて行かれて豪奢な部屋に幽閉され、彼の意図が分からず困惑するルーナ。そこから彼女を聖女の座から引きずり下ろした理由が明らかになり、見えていた構図もガラリと変わっていきましたけど、彼女の幸せのためなら手段を選ばないエリアルの覚悟と何とも皮肉な結末が効いていました。
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よっち
命を生む正神『スメラ』の手がかりを求めて泛旦国を訪れた琉劔たちが出会った弱冠15歳で王座についたダギ。はるか南方の国で琉劔たちの旅は思わぬ方向に大きく動き出す第3弾。瑞雲と旧知の仲だったダギは再会を喜ぶものの、彼が即位した経緯には不可解な点もあり、尾をもって生まれたため狗王と蔑まれ母親である王太后からも疎まれている状況。泛旦国もまた多民族を抱え信奉する神も様々、差別や貧困や王族と神官の対立といった難しい事情を内包していて、それに向き合おうとする記録に残らない混ざり者の擬王タギの覚悟と成長が印象的でしたね。
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よっち
花街・戯蝶巷で陰の気が高まっているらしいという噂を聞き、凶后が潜伏しているのではないかと疑う皇帝・天凱に代わり変装した美凰が調査に行く第3弾。名妓たちが美貌や技芸を競う行事「花案」が開催される戯蝶巷で起きた、芝居小屋の階段から妓女が転落死する悲惨な怪異による事件。一方、野心家の叔父・義流から幻を見せるからくり仕掛けの美しい箱を受け取る天凱。お互い意識してはいるものの、叔母であり皇太后である美凰への想いは禁忌という葛藤を抱えていて、結ばれて欲しいですけど果たして上手い落とし所があるのか気になるところですね。
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よっち
矢幡が総理に復帰して悲劇的な最後を迎えた前政権。新年度が始まり、多くの人が気持ちも新たに春を迎える中、下町にある人気の展望塔が正体不明の武装勢力に占拠される第19弾。新聞部の取材で東京スカイタワーを訪れていた日暮里高校2年生の鈴山たちが身柄を拘束されてしまい、その一報を聞いた元クラスメイトの瑠那が凜香と共に人質を解放するために立ち上がり、四姉妹が集結して力を合わせて大暴れする展開で、なかなかしぶとい相手に真の目的を見抜いて逆手に取る彼女たちは流石でしたけど、やはりその中でも結衣の存在感は際立っていました。
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よっち
クラス内でじゃない方と呼ばれるクイズ研究会会長の高校2年生のライこと成田頼伸。ファミレスで謎解きをしている姉妹を手伝った結果、謎解きの協力を依頼される青春ミステリ。姉妹やライと同じ姓だけれど人気者で自分とは大違いの成田清春も交えながら、解いた暗号の答えに導かれて四人であちこち出かける謎解きの旅。自分とは違う清春にたびたびコンプレックスを刺激される一方で、いつの間にかライも妹の七輝のことが気になってゆく展開でしたけど、全ての謎が明かされても変わらない、かけがえのない関係性がとても素敵なひとなつの物語でした。
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よっち
沙嵐に覆われてしまった世界。何よりも安定を目指すようになっていた人々の中で、クリエイターを目指す少年少女たちを描いたディストピア小説。安定した仕事で稼いで、機械で娯楽を享受して、安全で快適なこの街でささやかな幸せが至上。それでも周囲に反対されながらも、好きな音楽を続けるために音楽隊に入りたいと願う少女ロピ。一方好きなことに一生懸命な友人に劣等感が強まって、夢中になれるものを探す少年ルゥシュ。ままならないことに振り回され、時には絶望を突きつけられながら、それでも諦めずに追い求め続けたその結末は印象的でした。
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よっち
「王墓はなぜ築かれたのか」王墓は王の権力の象徴にほかならないというこれまでの常識に、新たな視野から王墓を理解することを目的とした1冊。王墓が権力の象徴であるという説はいかにして定説になったのか。なぜそのエネルギーを農地拡大や都市整備に投下しなかったのか、高価な副葬品がなぜ一緒に埋められたのか。王墓が築かれなかった社会と比較しながら、史的唯物論や威信財経済という王墓建設を考えていくアプローチだったり、距離的に遠いエジプトと中国で同じような陵墓が築かれている点など、着眼点がなかなか面白い1冊になっていました。
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よっち
日本では資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34・5%は資産ゼロ。経済学の歴史に学びながら、経済成長か格差是正か、資本主義のジレンマや今後の進むべき道を考える1冊。富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。アダム・スミスやマルクス、ケインズ、そしてピケティは「富と貧困」の問題をいかに論じてきたか。数値をもとに今の日本の貧困を考えながら、転機となった経済理論や歴史的な経緯を踏まえつつ、ピケティによる高所得者の動向分析や各国の動向を紹介して、ざっと概況を学べる1冊になっていました。
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よっち
「クロハ・ベーカリー」の定休日にあわせて、毎週水曜日に黒羽三吾がひらく小学生の無料塾。そこに歴史の知識はずば抜けているが、ほかの教科には意欲をもてない頼人がやってくる第2弾。母に連れられてやってきた頼人の学習障害が明らかになってゆく中で、浮かび上がる夫婦の学習方針のズレ。そして三吾の息子の真吾が転向する親友の隆之介のために何かしたいと、普段は離れて暮らす母親に相談して出てきたアイデアもなかなか面白かったですけど、学校ではできないやり方で子どもたちの学びに真摯に向き合おうとする三吾の姿勢が好ましかったです。
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よっち
霊能力者だらけの家族から距離を置く一華を心配して、上京してきた僧侶の兄・嶺人。実家に無理矢理連れ戻されると怯える一華をよそに、相棒の翠はある秘策を用意する第3弾。突然上京してきた兄の真意を掴みきれずに戸惑う一華に対して、嶺人も重度のシスコンっぷりを炸裂させるだいぶ強烈な性格ではありましたけど、そんな彼を巻き込みながら、五百年級の怨霊との交流や少女の霊との命懸けのかくれんぼといった心霊調査を通じて、さりげなく共犯者に仕立て上げていく翠の立ち回りがだいぶしたたかでしたね。一華の思い出せない記憶も気になります。
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よっち
野菜研究科兼野菜ソムリエとして野菜の可能性を探究し続ける著者が教える、野菜の豆知識から昨今の野菜事情、流通まで様々なことを教えてくれる野菜の教養書。野菜ジュースを例にした健康と野菜の関係性、国の食事情の変化による野菜品種の変遷、無農薬野菜と有機野菜の見分け方、産直野菜やスマート農業の取り組み、カット野菜から学ぶ野菜加工、野菜流通の世界とどう価格が決められているのか、お取り寄せ野菜ギフト、農家から消費者に送る仕組み、料理教室から学ぶ野菜料理など今の野菜がどうなっているのか様々な事情も伺えて参考になりました。
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よっち
閉じ込められた異常な状態からいかに脱出するか。「脱出」をテーマに5人の作家が描いた書き下ろし短編を収録したミステリアンソロジー。同級生の結婚式で明らかにされる、高校時代学校の天文部合宿で起きた屋上に閉じ込められ事件の真相。入るものは「主」に名前を奪われる森と2人の少年。魔女狩りが横行する町で囚われた女の秘密、人を喰う巫女が棲むという神社を訪れた女の目的、見知らぬ研究所で記憶を失っていた少年と激変した世界。テーマをどう料理するのか、それぞれ著者さんらしさがよく出ている多彩な作品構成になっていて良かったです。
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よっち
「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで人生が上手くいってきた道沢一番。しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたものの衝撃的な告白を受ける物語。最近、ようやく自分がアロマンティック・アセクシャルであることを自覚して、ずっと普通の恋愛ができないことに悩んでいたことを明かす千凪。旧態然としていても、これまで彼を支えていた父親の言葉が呪いとなって、彼女を受け入れることに葛藤する一番の複雑な想い、愛せないけれど孤独に生きる覚悟も持てない千凪が一緒に悩みながら出した結論こそが愛なのかもしれないですね。
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よっち
エシュタットを騒がせた薄明の枢機卿を騙る偽者を成敗し、身に余る二つ名を背負う覚悟を決めたコル。囚われた仲間を救うため、月を狩る熊の伝説が眠る傭兵王の下へ向かう第10弾。公会議に向けた準備も大詰めの状況で、二人の下にエーブの部下で羊の化身イレニアが投獄されたとの報せが届き、七人の選帝侯の一人、傭兵王を名乗るデュラン選帝侯が治める山岳都市ウーバンに向かうコルたち。その鍵を握る選帝侯お抱えの天文学者により明かされた「月を狩るもの」の正体はなるほどなと思いましたけど、実利に解決の道を見出した結末は現実的でしたね。
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よっち
大発生する世界腫に支配されて確かにこの世界グリムガルが壊れつつある中で、それでも諦めず崩壊を止める手立てを探し求めてあがき続ける第20弾。ソウマやトッキーズたち最強の義勇兵たちとの再会に、生存者らが集う拠点で生まれる新たなる命。一方で命を失ったはずのクザクやセトラ、そして不死の王を中に宿すメリイとの再会があって、世界腫との戦うために不死王と手を組むハルヒロたち。壮絶な戦いの中であの結末は仕方ないとはいえなかなか過酷なものでしたけど、物語は終盤に向かっていると思ったら、ここでまさかの新章スタートでしたか…。
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よっち
人類史上、考えられないほどの広がりを見せている糖尿病。インスリン投与を前提としている今の治療方法に疑問を投げかけて、本当の原因を考える1冊。アメリカでは人口の半数以上がその予備軍とされている糖尿病。摂取カロリーや脂質の制限、運動などは実は肥満解消にはあまり効果的ではなく、もはやビッグビジネスと化した糖尿病市場とインスリンは、血糖値を下げて糖を細胞に詰め込んでいるだけと主張していて、薬を飲むよりも糖分や炭水化物のとり過ぎを止め、食事間隔をしっかりと空ける重要性を説いた内容は確かに理に適っていると思いました。
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よっち
人生の円熟期を迎えた大人たちの、歳を重ねても変わらないままならなさを赤裸々に描いた連作短編集。老人介護施設で色香を振りまくマドンナ、夫とのセックスレスに悩む看護師、結婚五年目で過干渉な姑がしんどい妻、還暦を前に初めてアロママッサージにハマった現実、グループのルールを破った女生徒に課された罰ゲーム、婚約者の死から結婚しなかった五十路女の複雑な想い。重ねた年齢を自覚しながらそれでも抱いてしまう、繊細で生々しい想いや迷いに時折鼻白む場面もありましたが、意外な形で繋がってゆくそれぞれの結末はなかなか印象的でした。
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よっち
氷竜を討ち従えたルークを讃えてパーティが開かれることになり、エレオノーラにミアも参集するなか、母を誘拐したと宣う賊が現れる第3弾。黒幕の狙いはどうやらルークらしく、リリーも続けざまに拉致されたアベルに、リリー解放の条件として突きつけられたルークの殺害。一方、本気で戦える場を渇望していたルークが参加することになった帝国で開催される剣聖祭。エルフのテロ組織や神聖国の暗躍も絡めた状況で、ルークをライバルとして意識するアベルの成長が描かれていて、だからこそ全てを力でねじ伏せるルークの破格っぷりが際立っていました。
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よっち
夏休み、日向晴からの誘いに抗えずに関係を持ってしまった瀬古。罪悪感を抱えながら体育祭や文化祭といった重要な学校行事の準備に取り組む第2弾。晴の方は体育祭で全種目出場に抜擢され、瀬古もその練習に参加する一方で、夜咲は文化祭の方の取りまとめをすることになり少しずつ行動がすれ違っていく三人。夜咲の孤独だった過去も掘り下げながら、瀬古を意識するようになってゆく姿が描かれる中で、晴もまた瀬古への想いを募らせていって、1巻目の結末があるからこそ今回の結末がじわじわと効いてきますね。3人の関係がどうなるのか続巻に期待。
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よっち
2周目の人生で幼馴染の水無月彩人に自分を異性として意識させるべく、日々試行錯誤する街鐘莉里。そんな彼女を警戒する先輩で生徒会副会長の白百合小雪の背景が明らかになってゆく第2弾。堅物生徒会長とすぐ仲良くなったり、体育祭の練習中もクラスの女子たちから人気の彩人にやきもきする莉里。一方でラブコメ主人公・春樹に1周目よりも依存して焦りを募らせていく小雪。そこから彼女の背景も明らかになっていく中、一見鈍感に見える彩人が流れを変えるキーマンになっていて、確実に変わっていく関係がどういう形に落ち着くのか気になりますね。
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よっち
家族のように心地よいの3人暮らしで、義妹の英梨花と幼馴染の美桜からのキスを妙に意識する日々を送る翔太。そんな中、英梨花が一念発起してお好み焼き屋でバイトを始める第2弾。美桜と翔太の偽装彼氏彼女関係が浸透しつつある中で、バイトを始めて人見知りを克服しながら一生懸命自分を変えていこうとする英梨花。そんな彼女を見て世話焼きな自分の居場所がなくなってしまうような気がする美桜という構図から、美桜の過去が明らかになる展開で、虎哲さんもいい感じに効いていましたけど、変わってゆく3人の関係がどうなるのか続巻に期待ですね。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3992日経過)
記録初日
2013/07/27(4019日経過)
読んだ本
11630冊(1日平均2.89冊)
読んだページ
3382836ページ(1日平均841ページ)
感想・レビュー
11524件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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