読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

しゅー
読んだ本
32
読んだページ
10605ページ
感想・レビュー
32
ナイス
432ナイス

2024年4月に読んだ本
32

2024年4月のお気に入られ登録
2

  • toshi
  • 杜のカラス

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しゅー
★★★タイミングよく本屋大賞受賞のニュースとともに予約が図書館に届いた。「翔んで埼玉2」で滋賀県の予習もバッチリである。最近はミステリに限らず特殊設定流行りだが、本書はオーソドックスな青春小説で安心した。高校まで異様に画一的な生活を強いられる日本人は我が道を行く登場人物が活躍する小説が好きだ。本書もそういうタイプの物語だが、主人公の成瀬が無双しすぎないのが良い。成瀬の親友から見た物語二編に続き、彼女をよく知らない人物の視点から描かれる二編、そして初めて成瀬の心情が描かれる最終話と言う構成が心にくいばかり。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

しゅー

2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:37冊 読んだページ数:11853ページ ナイス数:431ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1003190/summary/monthly/2024/3

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
32

しゅー
ネタバレ★★★いつものように書籍や創作に関する高踏漫談が連想ゲームのように連なっていく。冒頭の「猟奇」と言う言葉にまつわるイメージの変遷が面白い。最初はおどろおどろしく想像をかき立てる言葉だったものが、サイコミステリーとセットでパターン化して使われるようになり、そのうち「ヤバい」と同義の軽さで使われるようになっていく。最近は文学趣味全開の著者だが、私はもう少し著者自身の娯楽作品を読んでみたい。もちろん本書でも色々と謎解きの興奮は味わえるのだが、そろそろ『盤上の敵』みたいに緊迫感のあるミステリ書いてくれないかなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★本書も著者自身がYouTubeで「ここまでの著作の集大成の一冊」と語っていた。もう一冊の『トヨタで学んだ「紙1枚!」で考え抜く技術』に比べると手取り足取りの感じが強い。「『わかるか?』『できるか?』『やるか?』自分はどのタイプか?」と言う話が一番心に響いた。私も、仕事では「わからないから、やらなかった」、読書では「わかったから満足」をやってしまっている。知行合一、やっぱり陽明学も学ばなきゃダメかなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★「紙一枚読書法」から浅田すぐるを知った。純粋なビジネス本にはなかなか手が伸びなかったのだが、本書を著者自身がYouTubeで「ここまでの著作の集大成の一冊」と語っていたので手に取る。「仕事=問題解決とは、『What?』『Why?』『How?』3つの疑問を解消するべく、『拡げる』と『絞る』を繰り返すこと」読書法も2W1Hでのまとめだったので違和感なく読み進められた。手法が複雑過ぎる最近の思考法本のなかで、本書のストイックさは際立つ。読書ノートに続いて仕事でも実践してみよう。陽明学の本も読みたくなった。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★浅田すぐる『ひと目でわかる!見るだけ読書』で『身体感覚で「論語」を読みなおす。』に興味を持つが、どの書店にも在庫がない。仕方がないので最近出版された本書を手にとったら、探していた同書に加筆修正したものだった。読む前は「なぜ身体感覚?」と不思議だったが、なるほど『論語』で実際に使われていた漢字を推測し、それが表す人間の動作から孔子の真意を読み解いていく本であった。「命」の世界に生きていた人類が「心」の世界に放り込まれて苦しむ。孔子はその苦しみに対処する方法を「礼」として示した。大胆だが魅力的な仮説だ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★う〜ん。この邦題はどうなんだろう?確かに「歯車とモンスター」だとファンタジー小説みたいだけど「経済学オンチのための」はいくらなんでもミスリードじゃあなかろうか。経済学の基本とマクロ経済をめぐる議論の歴史を知らないとついていけない。しかも冒頭から世間の経済学に対する批判に対して著者がひたすらネチっこく反論する。まぁ気持はわかるのだけれど、それを延々と聞かされる部外者の身になってほしい。本邦の小林慶一郎氏の切れ味や、ロベール・ボワイエ『経済学の認識論 』の精緻な分析を見習って欲しい。講演録の寄せ集めでした。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★シリーズ物にありがちな予定調和に陥らないのがこの作者のエラいところだ。『たなわれしょうき』や『くろがねのわざ』そして『戸栗魅姫の仕事』は、外の視点から野崎や真琴、琴子の活躍を見られる。シリーズの主人公たちが無双しすぎないのも良くて『戸栗魅姫の仕事』のように普通なら咬ませ犬のようなキャラが活躍するのもうれしい。基本は単独でも楽しめる作品ばかりだが、『とこよだけ』は『ばくうどの悪夢』を読んでいると、せつなさが増すだろう。表題作も『ずうのめ人形』などでキャラに馴染みがあると、結末の解釈が変わって来るかも。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★高野秀行の推薦コメントにひかれて書店に急ぐ。「チコちゃん」で「なんで日本のインドカレーにはナンがついてくるの?」という回があった。あれはナンを焼く窯を製造する日本人の話だったが、本書はそれを発注する側の物語である。そもそも何でインドカレー屋で働くのはネパール人ばかりなのか。そのネパール人は何でこぞって先行する店のテンプレ(カレーとナン)を真似たのか。その謎解きはミステリのようだし「カレー屋の子供」の問題では日本の入管制度に鋭く切り込んでいく。「移民」を送り出す地域への取材までおこなった骨太な一冊だ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★タイトルを見たときには、正直言ってあまり期待しなかった。「思考法」の本なんてクサるほどある。だいたいが①コンサルタントの方法論開陳②社会的な成功者の自分語り③お硬い学者さんの自伝に分類できる。ところが本書は、お硬い学者さんが自分の研究領域にとどまらず、知の探索全般についての思考法を「モデル」と言う切り口から整理して見せたユニークな著作だったのである。大学院に進まれるような方には当たり前のことなのかもしれないが、私は初めてこういう話を読んだ。数学は苦手だけど都市問題の課題解決のためのモデルは面白そう。
しゅー
2024/04/25 12:12

モデルと言うと理系っぽいけど文系の学問までカバーしているのでご心配なく。詳細は斜め読みでモデルの分類を知るだけでも楽しめますよ。

が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★「スペインのスティーヴン・キング」との評もあるようだが、完全にミステリ小説のテンプレで描かれている。地方の小さな町で起きる猟奇殺人事件。事件を追うのは都会から来た女性刑事と地元の男性刑事のコンビ。終盤まで「これはミステリ的な解決もあり得るのかな?」と読者に考えさせるところが面白い。邦題のとおり怪異は「門」の向こうに潜んでおり、なかなか正体を現さないところがクトゥルフ神話みたいで不気味だ。登場人物も最低限に絞り込まれていて展開に無駄がなく、とても読みやすかった。主人公の難病を抱える息子がけなげで泣ける。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
4月2日から4月23日まで
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
4月2日から4月23日まで
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★幕開けはいかにもポケミス。平原の真ん中にポツンと残る小さな町。住民は減り、かつてのホテルや飲食店は廃墟となり、数少ない商店も住民が交代でなんとか維持する状況だ。そこで一年前に起きた大量殺人事件を調べに町を訪れるジャーナリスト。自身も中東のテロで心に傷を負った彼が、変人だらけの住民に聞き込みをしていく。「ああいう人間ドラマ系ね」と高をくくって読み始めたが、中盤からの加速度合いがすごい。読者は主人公とともに新しい情報の渦に巻き込まれ溺れそうになる。最後にパズルのピースがぴったりハマった感じが気持ちいい、
しゅー
2024/04/23 10:53

本書は主人公が「信頼できない語り手」ならぬ「頼りない語り手」なんである。ジャーナリストなのに情報の裏を取らないで誤報を重ねたり、子供に無神経なことを言ってしまって後悔したり、同じ報道の人間の挑発にのって暴言がTV放送されたり、ととても人間くさい。

が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★中小企業診断士の「経済学・経済政策」を勉強しようとしたら、ミクロ経済学の錆つき具合が酷かった。慌てて家にある神取道宏『ミクロ経済学の力』や『レヴィット ミクロ経済学』を掘り起こしてみたけれど歯ごたえありすぎる。というわけで、いったん本書で頭に全体の見取り図を描いてみた。新書でサクッと読めるけれど、私が苦戦した消費者行動や企業行動のあたりを視覚的に分かりやすく説明してくれる。少し自信を取り戻せたので、後は過去問解きながら本格的なテキストを拾い読みしていこうと思う。もう少し学校で勉強しておけば良かった。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
ネタバレ★★★下巻では呉定縁の出生の謎が物語を急展開させ、もともと一枚岩ではなかった主人公たち一行の葛藤を深める。そして紫禁城で迎えるクライマックス。並の冒険小説ならここで終わってもおかしくないところだが、エピローグかと言う頃合いにミステリ的な仕掛けが炸裂!!そう言えば本作は歴史小説ながらポケミス2000番なんである。ここまでも中国の南北を貫く運河をアクションシーンや登場人物の行動原理と巧く絡ませ、明を時代背景とする必然性を感じさせてきた本作品。最後の最後で蘇荊渓の抱える秘密と重要な史実を絡めてくる手際がすごい。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★図書館の特集コーナーより。コテンラジオの人だよね。出口治明さんのように、歴史を学ぶことで現代の自分を相対化して見つめ直すと言う本だ。出口さんに比べると読者への目線は優しめかな。今が冴えなくてもクサるな。われわれの存在そのものが歴史を形作っている。内容としては漠然としか知らなかったヘレン・ケラーの章が面白かった。「奇跡の人」って、そう言う意味だったのね。ガンジーの章は、先日読んだ新書のおかげでわかりやすかった。本書単独で読んだら、なんのこっちゃかもしれない。ガンジーに限らず人って本当に複雑な存在だよね。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★著者と浅田すぐるの対談を動画で見て興味を持つ。近所の図書館にあった本をとりあえず読んでみた。対談での言葉を借りると「読者に寄り添い」まくった本である。私の歳で読むのは少し簡単過ぎた。これから就活する学生さんや新入社員の皆さんにはオススメできる。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★チャップリンの『独裁者』、ラストで主人公が人類愛に満ちた演説をおこなう。本書の終盤にもそれを思い起こすような場面がある。女性への差別を描く物語だが、よほどの勝ち組でない限り老若男女、誰の心にも響くであろう。社会は色んな虚構で出来上っているものだし、ある程度はそれが必要である。しかし人々が他のみんなを社会規範を通じてしか見なくなってしまうのは怖いことだ。化学の視点から見たら人間なんて誰でも9割9分同じだよ、という主人公母娘のぶった切り方が爽快である。飼い犬まで含め登場人物がいちいち魅力的なのがニクイ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★理瀬シリーズは、理瀬本人が直接登場しない作品まで含めるとたくさんあるけれど、最低限『麦の海に沈む果実』を読んでいれば本作についていけるかな?あくまでも、理瀬がメインの長編3作を読んでから本書を手に取った私の感想です。『麦の海に沈む果実』の舞台となった学園で、前日譚や同作と同時に進行していたエピソード、そして後日談が語られる。校長が如何にしてあのキャラクターとなったかが分かる短編も。そして満を持して最後の短編でご本人さん登場!様子を見るに『黄昏の百合の骨』や『薔薇のなかの蛇』を経た上での近況報告かしら。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★中国の明の時代なんて馴染がなくて読む前は不安だったけど、これ『VIVANT』じゃん!ちょー好きだ。爆発とともに物語が動きだし、誰が敵か味方か分からぬなか、お互い見知らぬ4人の男女が逃亡劇を繰り広げる。公安ならぬ捕吏の呉定縁が準備よくいろいろと逃亡の準備を整えるのが『VIVANT』で阿部寛の演じた野崎みたいにカッコいい。そして悪役の現実離れした強さはジャンプ漫画顔負け。さらに歴史のウンチクを、格闘シーンの舞台や逃亡の手段など、ストーリーの随所にからめてくる。終盤の船工と皇子のエピソードがあつすぎるぜ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★著者のことは『早く読めて、忘れない、思考力が深まる「紙1枚!」読書法』で知る。同書は図書館で借りて著書の教えどおりノート化することで買わずに済ませてしまった。よりパワーアップした本書が出版されたので今回は購入する。『〜「紙1枚!」読書法』は魅力的な書籍を紹介していたものの、読書を紙一枚にまとめる技術のほうが主眼となっていた。本書は逆に読書案内が主となっており、著者が「これを読んで欲しい!」と言うアツい気持ちを持つ本が体系的に並んでいる。私が聞いたこともない本も多く、書店にも在庫ないので何冊か注文中。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★タイミングよく本屋大賞受賞のニュースとともに予約が図書館に届いた。「翔んで埼玉2」で滋賀県の予習もバッチリである。最近はミステリに限らず特殊設定流行りだが、本書はオーソドックスな青春小説で安心した。高校まで異様に画一的な生活を強いられる日本人は我が道を行く登場人物が活躍する小説が好きだ。本書もそういうタイプの物語だが、主人公の成瀬が無双しすぎないのが良い。成瀬の親友から見た物語二編に続き、彼女をよく知らない人物の視点から描かれる二編、そして初めて成瀬の心情が描かれる最終話と言う構成が心にくいばかり。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★「書評七福神」で知ったがミステリというよりも普通小説の読み心地だ。ゴシック・ホラーっぽい第二部を、作家の自叙伝風な第一部と第三部がはさむ構成である。第二部で意外な実在の人物が登場する。作品の雰囲気からはピッタリな人だけど、私には今ひとつ必然性を理解できなかった。また色んな語りが重なり合ってくるので、だんだん人名で混乱してくる。印象に残る作品だが作者のメッセージをどこまで読み取れたか自信が持てない。小説の背景には第二次大戦下の日本や朝鮮戦争時の北朝鮮による占領が、韓国の人々の人間関係へ残した傷跡がある。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
ネタバレ★★★ヘンな例えだが、昭和のウルトラマンでヒーローよりも怪獣に人気が集まったように、サイコ・ミステリの隆盛は連続殺人鬼をある種のアンチヒーローとして持ち上げることとなった。その連続殺人鬼(男性)と犠牲者(女性)と言う構図から見える深層心理は不穏だ。探偵(警察)もこの構図に何の影響も与えられないと言う意味では物語上、か弱い存在と言えよう。本作はそんな強固に見える「構図」が生まれる瞬間までを描く野心的な試みだ。「人生は数々の選択から形作られる」そんなクリシェが改めて読者の胸へ痛切に迫ってくるような物語である。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★★小説以外で複数回読む本は少ないのだが、本書は人生の折ふしに読むのがふさわしい。転機に際して外部要因ではなく、それを受け入れる我々の内面がどう変化するか、それにどう対処していくべきかが書かれている。新しい出来事の「始まり」ではなく、何が終わったのかに目を向けるのが大切だ。また「終わり」と「始まり」の間には混乱する期間が発生するが、焦らず受容しよう。本書は特に人生の折り返し地点を迎える方々に読んで欲しい。前半に登場する本書の文脈に即した『オデュッセイア』の読み解きが、我が身にあてはめて腹落ちするのだ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★普通は、功成り名遂げた人物の人生訓なんて、よほど贔屓の人物のそれでないと読めたものではない。もちろん成功した人物の行動には、ある程度の共通点がある。そこから抽出された教訓は参考になるものの、いわば「生存者バイアス」なので、それを実行したとて成功できるわけではない。また、言っている人がかわるだけで「朝礼のお話」と大差ない内容になるものだ。一方、本書の特異な点は、著者が米国の歴史の四分の一を生き抜き、四人の大統領を身近で支えた人物だということである。従ってホワイトハウスの内幕物として読めば非常に楽しめる。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★ランキング形式で100冊のポイントが紹介される。「繰り返し復習する」は納得の1位だが「インプットしたら必ずアウトプットする」が21位と振るわないのが意外だった。じっくり通読するような本ではないので、今おこなっている資格試験の勉強を念頭に置きながらノートに要点だけまとめていった。ポイント(What)の横に、なぜそれが大切か(Why)、自分はどうするか・どうしているか(How)を並べて書く。自分が弱いポイントを抜き出すと「人から教わる」「ともに高めあえる仲間」「圧倒的な量」「適度なストレス」あたりだった。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
ネタバレ★★★うーむ、すごい。ホワイダニットの極北だ。ホワイダニットで読ませるパターンは概ね以下の3つだろう。①現在の事件より、むしろ遠因となる過去の人間ドラマが読みどころ(ホームズ以来の伝統ある手法)②猟奇殺人と見せかけて実は非常に現実的な動機が背後にある(米国の作家さんの得意技?)③衒学的な議論で煙に巻き、突拍子もない動機を力技で読者に納得させる(日本の作家さんが好きな手法かも)。本書もその範囲におさまりはするのだが、もう一つヒネリを加えてくるのがすごい。何と言うかミステリのお約束を踏みにじってくるのである。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★調子のヨイことを書いてサラリーマンに独立を促す本が多いなか、本書の慎重な姿勢には好感を持った。税金や社会保険など、サラリーマンが会社におんぶにだっこの領域について、フリーランスとなった際の苦労をリアルに描いている。特に個人事業主の事務手続きは自分でできるけれど、法人になると士業のお世話にならざるを得ないと言うのは大事なポイントだと思う。某ビジネス新書では「『法人成り』すればグロスの収入が会社員時代より減っても手取りが増える」なんて喧伝してたからなぁ。サラリーマンの良さを活かしつつ先のことを考えよう。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★著者のデビュー作から続く大正時代物の連作短編集だ。『絞首商會』で言及されていた峯子の誘拐事件(『誘拐と大雪』)や貨物船での怪事件(『光川丸の妖しい晩餐』)が収録されているので、同作の前日譚なのだろう。蓮野・井口コンビの庇護者である晴海の過去を描く短編(『晴海氏の外国手紙』)もあって、作品世界の奥行きがグッと深まった印象だ。また最新作『サロメの断頭台』を読もうとしている皆さんには本書をおススメする。本作の『加右衛門氏の美術館』と『宝石泥棒と置き時計』から『サロメの断頭台』の冒頭へいい感じでつながるのだ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★ユーモア、と言ってもホノボノ系じゃないそれ、に溢れたノンストップ・ミステリ。巻き込まれ型の主人公が逃げながら過去の事件の謎を解く。しかし本作の場合、事件より主人公のほうがよっぽど謎なんである。どんな境遇にあるのか?主人公に絡んでくる登場人物たちは何者なのか?読者は主人公と行動をともにする看護師の視点から、この「平凡すぎる」青年の正体に迫っていく。素っ頓狂な行動をする登場人物だらけだが、みんなが我々と同様の寂しさを抱えており、共感できる。実は本作を手に取ったのは続編が出たからである。いまから楽しみだ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★『絞首商會』には長さと読みづらさを感じたが、本書は違和感なく読めた。視点人物が定まっていることと、二人の少女が宝探しの冒険に出ると言うストーリーの枠組みがしっかりしているおかげだろう。サーカスから来た少女がトリックスターとなって、華族のお嬢様へ外の広い世界を垣間みさせると言う展開も鉄板だ。さらにこの著者らしくミステリとしての趣向も豪快なんである。冒頭の殺人事件は犯人がわかっているし、宝消失の謎解きと暗号解読くらいがミステリ要素かと思いきや・・・。宝の隠し場所と物語の構造を密接に絡めたところが見事だ。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★『方舟』や『十戒』の延長線上と考えて新刊『サロメの断頭台』を図書館で予約してしまった。後から別のシリーズなのに気づき、慌てて旧作を手に取る。やりたいことは理解できるのだけれど、もう少し省略すべきところは削ったほうが読みやすくなったのではないか。京極夏彦みたいに長さが悦びにつながるような作風でもないし。ただチェスタトンへのオマージュは嬉しい。『方舟』や『十戒』も背後にテロ組織の存在を感じさせていたけれど、デビュー作の本書にも物騒な無政府主義者たちが登場する。作者の嗜好の方向性がちょっと心配になってきた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/01(1840日経過)
記録初日
2019/04/29(1842日経過)
読んだ本
1768冊(1日平均0.96冊)
読んだページ
630389ページ(1日平均342ページ)
感想・レビュー
1767件(投稿率99.9%)
本棚
20棚
性別
血液型
A型
職業
事務系
現住所
東京都
自己紹介

図書館で借りることが多いので
★★  図書館本で読んで満足
★★★ 買って読んだとしても満足
★★★★再読のために買いたい
って感じの基準です。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう